無意識に人を傷つけないために 心がけポイント⑥⑦
心がけポイント⑥ 拒否できないこともある
親子関係や教師と生徒、上司と部下、男性と女性、年上と年下など、権力や力関係を利用した性暴力の場合、拒否することはとても難しいです。
自分の身の安全を守るため、はっきりと拒否を出来ない場合もあるでしょう。自分の仕事や学校での業績、同じ業界で生きていくため、はっきりと拒否をできないこともあります。それぞれに逃げられない状況があり、会社や学校を辞められない人もいます。そもそも被害者が会社や学校を辞める必要はありません。加害者が罰せられ、辞めさせられるような社会が求められています。
被害者に非はなく、加害者に責任があります。性的同意を得ていない性行為は性暴力です。
心がけポイント⑦ 回復のし方は人それぞれ
性暴力の被害者は「弱く、打ちひしがれていて、性的なことを避ける」という一面的なイメージで見られることがあります。しかし、被害者にもさまざまな人がいますし、立ち直る過程も人それぞれです。周囲が勝手な被害者像を押し付けてはいけません。
たしかに、性暴力被害の心の傷から男性恐怖症になったりスカートがはけなくなったりする人はいます。しかし、「本当に傷ついているならそんな服装はできない」などと考えるのは間違いです。性暴力は、被害者の服やふるまいのせいではないのと同じです。
一面的な被害者像は、「自分は被害者らしくないんじゃないか」としたいことをためらわせてしまいます。それは立ち直りつつある人の回復を妨げます。また、外見上は回復した人が過去の被害を話せず隠し、孤立することにもつながります。
被害者は自由に自分らしくふるまう権利があります。行動を変えていく責任があるのは加害者のほうです。
すべての人が、安心して暮らせる社会を
性暴力被害からの心の回復の速さは、2次被害や被害者非難をどれだけ受けなかったかによって大きく異なるというデータがあるそうです。ただでさえ、被害に遭い苦しんでいる人に、何度も追い打ちをかけてしまう被害者非難。私たちは、そのような現状を少しでも変えたいと考え、「無意識に人を傷つけないために」プロジェクトを立ち上げました。
2次被害や被害者非難の問題が起こる背景の一つには、「望まない性的な行為」の「望まない」範囲を他者が口出しする現状があります。自分の身体は自分のもの。自分の尊厳を守る境界線は自分の不快であるという感覚で決めていいのです。ぜひ、自分自身の気持ちを大事にしてください。
性的同意のない性行為は暴力で、性暴力被害者に非はありません。2次加害をなくし、声をあげやすくすることで、全ての人が、安心して暮らせる社会を一緒に作っていきましょう。
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