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3月、別れの季節。

3月は別れの季節。新しい旅立ちをする人を送り出す季節。

昨日、同僚の最終出社日だった。
約2年半、共に働き、一緒にプロジェクトを担当した。

私と彼は、決して良い関係性ではなかった。
慎重に、リスクを回避する案を優先する彼と、
多少リスクがあってもプロジェクトを推進させることを優先する私。
同じ会社でありながら、利害が相反する立場だったこともあり、
なかなか距離が縮まることはなかった。
同じ会社の同僚だからこそ、プロジェクトを成功させるという、
共通のミッションがありながら、同じ方向を向けなかったことが、
より腹立たしかった。

彼が有休消化に入り、退職が決まったあと、
私と彼の、これまでの色々なことに、思いを巡らせた。

その中で、私が出した結論は、
もっと向き合って話せば、お互いを理解できたかもしれない。
一度、2人だけで飲みに行って、お互い本音を話せばよかった。

価値観や認知特性やこれまでの経験・環境が異なる相手との
コミュニケーションは、実に厄介だ。
相手が自分のことをよく思っていないのではないか、
という不安に感じると、何となく距離をとってしまう。
そして、距離をとってしまうことが、余計に相手を苛立たせ、
余計に理解しあうことから遠ざかってしまう。

私と彼は合わない場面も多かったけれど、
1つだけ共通していたことは、よい建築をつくるということに、
情熱を注いでいたこと。

彼は、私の設計を好きでいてくれた。
よい建築、よいアイデア、よい図面はとは何か、
という価値観については、一致していた。
よい建築ができたときには、精一杯の褒め言葉を送ってくれた。
私も彼に、同じように、良い仕事ぶりを褒めるような
行動をすればよかったなあと、後悔をしている。

最後に、彼と握手をして、別れた。
彼が、新しい場所で、素敵な仲間と、
新しい人生を歩むことを、全力で応援したい。



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