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成功する経営者は直感を信じる

「経営に必要な要素は次のうちどれでしょうか?」

「直感」「経験」「分析力」どれでしょう?

私たち税理士のような人間から経営者様にこのような質問をさせていただくと、「経験?」だったり「分析力?」だったりといった回答が返ってくることがほとんどです。

私たちのような分析を生業とするような人間を前にすると、本音では「直感や!」と思っている経営者様も、なんとなく恥ずかしさからなのか「経験」や「分析力」に逃げがちです。

一方、事業が成功して成長を遂げている経営者様に同じ質問をすると、このような回答が多いです。

「経験も分析も重要だけど、最後にはやはり直感しかないんだよね」


過去の経験や統計が無価値化する時代

昨今の経営環境を見てわかるとおり、今の経営には「過去の経験」や「分析による数値化」が無価値化しています。

2022年の世界の環境を、いったい誰が想像したでしょうか?

以前と全く違う星と言ってもいいくらいに違うこの経済環境に対して、過去の経験や過去の統計がどう活かせるでしょうか?

つまりは過去の経験則上の判断だったり、財務分析上導き出された答えだけを持って、これからの経営判断をするのは非常に危険だということです。


現代ビジネスにおいては、問題解決よりも問題提起の力の方が必要とされているのもこれが要因です。

有名な教育者で著述家の藤原和博さんは、「これからの時代は問題処理力ではなく問題編集力が重要になる」と以前から説かれています。


他にも例えば、私たち中小企業が目指すべき差別化戦略をとろうとするときに、過去の経験則や分析による数値が「差別化要因」を導いてくれないことは経営者の皆様であればお判りでしょう。

過去の経験や分析により導き出される答えは、みんなが予想する正解であってここからイノベーションは生まれないのです。

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「ニュータイプの時代」山口周(ダイヤモンド社)

これは2007年に日本国内で発売された携帯電話の面々です。

各大手メーカーのマーケターたちが、過去の成功事例や統計により導き出された携帯電話の面々に対して、一切市場調査を行わないことで有名なアップル社より開発されたiPhone。

それからたった10年後、それ以外の携帯たちは「ガラパゴス携帯」と言われるようになります。


これからの時代には直感が必要

では、これからの経営に必要なもう1つの要素は何か?

それが「直感」なのです。

「経験」や「理論」と並記されると、あたかも劣後して配列されてしまうため(特に私たちのような税理士やコンサルタントが偉そうに経験や理論の重要性を説くとなおさら)、恥ずかしくなってしまい経営者の皆様が隠してしまうこの「直感」こそがこれからの経営には最重要になってきます。


「本当のところはどうですか?」
「え?」

「自分の中で一番信じているものは?」
「え。。えっと。。」

「自分の直感でしょ?」
「うん、まあ。。本音はね。」

「で、御社の事業はうまくいっていますか?」
「え?」

はい、ここなんです。

皆様、事業がうまくいっていないから、直感は信じてはいけないと勘違いしてしまう。

間違っているのは直感ではなく、やり方が間違っているだけなのです。

「直感」だけで戦っていくのではなく、大切なのは「直感」と「経験」と「理論」と、それぞれのバランスをうまく適用していくことなのです。


直感と経験と理論のバランス

ここで経営における直感と経験と理論の適切なバランスについてご説明しましょう。

となりのブレインープレゼン資料2021.9.24

直感はプランの立案を司ります。

プランを立案するときは直感を重視しましょう。

「なぜこの商品はこんなに不便なんだ」
「なぜこの業界はこんなことが常識になっているんだ」
「なぜうちの会社はこんなに無駄が多いんだ」

というあなたの思い描く理想と現実のギャップを感じるところからプランの立案は始まります。

そしてこのプランを立案するとき、ここに過去の経験や分析は無価値です。

むしろ、過去の経験や分析結果を疑うことからプランの立案は始まるのです。


次に経験は実践を司ります。

直感によって立案されたプランを実際に行動してみる。

こうやって、立案されたプランを実行してみて経験してみることでそのプランの意見を出していく。


そして最後に理論により測定していく。

直感により立案されたプランを、実際に行動し経験した結果を集約していくと統計値が現れる。

この統計値を測定し、そのプラン=直感がどうだったかを測定する。

そしてその結果を受けてプランを改善していくという、いわゆるPDCAサイクルが成り立つのです。


経営者がよく間違えるのは、最初のプランから過去の経験や統計をもとにプランを立てようとする。

ここに正解はありません。

信じていいのです。あなたの直感を。


いずれにしてもこの3つの要素を、絶妙なバランスでグラグラさせながら成長につなげていけるか否かが経営者の腕の見せ所なのです。


自分の直感を正解と勘違いしない

ただし、ここから重要な話をします。

あなたの直感はきっと間違っている。

自分の直感はおおむね間違っているということを忘れないでください。


「おいおい、お前が直感を信じろと言ったんだろう!」

たくさんの方の突込みが聞こえてきます。。

説明します。


自分の直感を信じて簡単に事業が成功したら、世の中もっとハッピーです。

残念ながら、私を含めた多くの経営者の勘違いの2つ目。

自分は天才だと勘違いする。

自分のアイデアは絶対に成功すると勘違いする。

努力すれば成功すると勘違いする。

これらの勘違いにより、多くの中小企業は成長をあきらめてしまうのです。


おおかたの直感は間違っている。

ここを理解したうえで、やらなくてはならないのは、何度も何度も直感によるアイデアを生み出す以外ないのです。

天才は別として、私たち凡人がその直感により成功をつかみたいのであれば回数をこなす以外ないのです。

上場企業であっても、実は何度も何度も失敗を繰り返し、その規模まで成長しているのです。

あのAmazonは数多くの失敗する企業としても有名です。

Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏もこう言います。

「我々が他より際立っているところは失敗についてだと思う。我々は世界一失敗している企業であるし、実例を挙げるとキリがない。失敗と発明は切っても切り離せないものだ。発明の為には実験が必要だが、何が正解かやる前から分かっているようなものなど実験とは言わない。大企業の多くは発明をありがたがるが、それを達成するために経験しなければならない一連の失敗で苦しみたいとは考えない。」

中小企業がなぜ伸び悩むかと言えば、何度も失敗できないからです。

それは資金的な問題や人材的な問題だったり色々ありますが、大手企業と中小企業の一番大きな違いを言うとすれば、失敗の数なのかもしれません。

失敗は誰でも恥ずかしいものです。

ですがその失敗を恐れない経営者だけが前に進めるのだと思います。

そう、あなたのアイデアは仮説にすぎない。

ここからが第一歩です。


直感を信じ、数多くの仮説を生み出していくのが経営者の仕事です。

あとはあなたの仲間が、それを形にして経験を積み、理論的に正しいかを判断してくれます。


どのように直感を育てるか

直感を育てるのには、勉強ではなく「遊び」が必要です。

直感は、上述の問題処理力ではなく問題編集力を育てていくことが必要です。

問題処理力は、決められた世界観の中でゲームをするときに、いち早く正解を導き出す力。

一方、問題編集力は、世界観自体を作り出していく力。


「答えを出す力」ではなく「問題を提起する力」としての問題編集力が直感を育てるとすると、そこには常に「なぜだろう?」と考える脳が必要になります。

「なぜこの商品はこんなに不便なんだ」
「なぜこの業界はこんなことが常識になっているんだ」
「なぜうちの会社はこんなに無駄が多いんだ」

今までの常識、つまり経験と分析結果を「おかしい」と思える脳が必要です。

この力を伸ばすには、正解のある質問に対してスピーディに回答していく「勉強」ではなく、正解がない中で楽しみながらいろいろと試していく「遊び」の感覚が必要なのです。

不思議なようで本当の話。

成功している経営者が一度作った事業をバイアウトして、しばらく海外で優雅に遊び、その後新しいビジネスアイデアを持ち帰ってくるというのも、こういう「遊び」の感覚が関係しているのかもしれません。

経営者の皆様、ぜひ真面目に遊びましょう。


経営お役立ちコンテンツ「となりのブレイン」

いかがでしたでしょうか?

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今回は、事業の飛躍に必要な要素のうち、いずれの要素にも必要な「直感」という観点から切り込んでみました。

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