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人事評価制度は経営ビジョンから

人事評価制度や人材育成制度を構築していくときに、何から手を付けるべきでしょうか。

中小企業において、ヒトは商品やサービスそのものです。

「どのような人材を育てていきたいか」

「どのような行動を評価したいか」

を考えていくと必然的に御社の経営理念や経営ビジョン、行動指針に立ち返るはずです。

・どのような成果を評価すべきか
・どのような行動を評価すべきか
・どのような人材を育てていくべきか

その答えは、御社がどこを目指していくのかという経営ビジョンにあるはずです。

経営ビジョンなくして人事評価はできないといっても過言ではありません。

今回は、人材と経営ビジョンとの関係についてお話ししようと思います。


ヒトは何を求めて企業に入るか

働く喜び調査2020リポート(リクルートキャリア)

リクルートキャリアの調査「働く喜び調査」によると、喜びを仕事に感じている人はたったの42%しかいないそうです。

この数字を時代のせいにし、「最近の若いもんは…」というのは簡単ですが、本当に原因は労働者だけでしょうか?

また別の調査では、ミレニアル世代(1980年~2000年に出生した世代)が就職先を選ぶ基準として、給与でも知名度でもなく「その企業が事業を行っている目的」を重視すると答えた回答者が約6割を超えていたそうです。(デロイト調査/2015年)

これらの調査が何を意味しているかと言えば、今の日本企業に社会的意義を明確に有している企業があまりに少ないということです。

この意見に対しては色々な批判もあろうかと思いますが、かねてより経営理念を掲げてきた企業は数多くある中で、「うちは経営理念や経営ビジョンに掲げた目的を達成したから、事業を解散します」と言って事業をたたんだ企業がどれだけあるでしょうか?

おそらく0です。

この理由は、明確な経営理念をもってその理念を達成するために本気で取り組んできた企業が無かったからという仮説を否定できるでしょうか。

そうでなければ0だなんてありえない。

今、優秀な人材に求められる企業は、明確なビジョンのもとに、世の中をこう良くしていこうという社会的意義を有し、それを発信している企業です。


人材アセスメントやタレントマネジメントに翻弄される企業

近年、「人材アセスメント」や「タレントマネジメント」といった様々な手法やツールを用いて個人の能力を数値化して評価、育成していく技法が着目されています。

こうったHR系の人材管理ツールは、展示会に行っても大きなブースが立ち並び、成長著しい業界だということが一目瞭然です。

ですが、このような人材アセスメントに代表される人材管理手法も、その方法やツール自体は素晴らしいシステムとして成り立っていることを否定はしませんが、その大前提を見落とされがちです。

それは、ヒトはモチベーションで動くという前提です。

ヒトが発揮する能力やコンピテンシーも、その人に与えられた目的によって大きく変わってしまうということです。

誤った目的、または明確でない目的に設定されたコンピテンシーで測定された評価ほど意味のないものはありません。

企業として何ら社会的意義を発信できない企業が、どれだけ優秀な人材アセスメントシステムを導入したとしても、そのモチベーションの方向性を示せない中でそのコンピテンシーや能力を評価しようにも、評価される側はその能力を発揮しようがない。

これではせっかくの人材アセスメントが無駄な投資となってしまいます。

仕事に社会的意義を

仕事自体に意味がない状況で、目の前の仕事で設定されたKPI(経営管理指標)を追わせて生産性を高めようと考えるのはナンセンスです。

結果としてKPIという仮面をかぶった、ただのノルマが社内に蔓延している企業を多く見てきました。

仕事に意味を与え、モチベーションを引き出すことも経営者の役割です。
「ヒト」「モノ」「カネ」の経営3資源のうち、ヒトにだけある最大の特徴は、その可変性です。
モノもカネも一度確定したらその後で量が変わるということはありませんが、ヒトの能力はそれを導くリーダーの「意味」の伝え方によって簡単に変化してしまうのです。
リーダーが「意味」を与えることによって、ヒトというリソースから大きな能力を引き出すことができるのだとすれば、そのようなリーダーには大きな経済的価値が生まれるということになります。

「二ュータイプの時代」山口周(ダイヤモンド社)


人事評価制度の前に経営ビジョンを

このように考えていくと、企業がヒトを評価しようとしたときに経営ビジョンがどれだけ重要かお判りいただけたと思います。

ヒトを育てるということは、目指してほしい方向に導くということでもあります。

そう、子育てと同じです。


まず経営ビジョンがあり、そのビジョンから描かれる社会的意義があって、その意義の実現のためにヒトが動く、そしてそれを評価する。

このような仕組みを設計することで、

・経営ビジョンを達成するよう行動するよう心掛ける
・企業が正しい方向に進み、利益が立つ
・その人を適切に評価する
・それがモチベーションとなり、また行動を行う

というような好循環を生むことが可能となります。

正しく動き、成果を出したヒトを、正しく評価する。

人事評価の評価項目は、経営ビジョンを具体的に落とし込む形にすることで組織が好循環する環境を手に入れられるのです。


このような企業がこれからの主役になってくるのでしょう。

大手でなくても可能です。

そうです、これは大手企業でなく中小企業てもできることです。

人材は「看板」ではなく、あなたの「ビジョン」に惚れて集まってくる。


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