タイの男はバスの中でよく立ち上がる
タイの男は優しい。もちろん全ての男というわけではないが、おおかた優しい男で溢れていると感じる。どうしてそう感じるのか。
それは特にバスのなかで感じることが多い。僕がタイに住んでいるときに、バスの中で100回以上は見かけた風景、それが席を譲る男の姿だ。
もちろん男だけではなく女も譲るのだが、男の方が譲る対象が多いぶん、譲る回数も多くなり、見かける回数も増えるのだと思う。
どのように譲るのか。その譲り方に迷いがない。バスの座席は乗客で埋まっている。そんななか、お年寄り、小さい子ども、女性が乗り込んでくる。 それを見るや否や、席を立ち、「どうぞ座ってください」と促す。
そして、譲られた人は特に遠慮することなく、「ありがとう」と言って座る。ここまでの流れに淀みがない。まるで最初からそれが決まっていることであるかと思わせるくらいスムースな流れなのだ。
もちろん全てではないが、そういう男を何度も見た。それは考えてそうしているようには見えない。もう生まれながら備わっている能力のように、体が勝手にそう動かして見えるほどナチュラルなのだ。
僕はそういうタイの男を見て、優しく強い男だと思った。それから、そういうふうになりたいと思い、僕も真似をしたし、日本に帰ってきてからも、真似し続けている。
困っている人を助けるということが、身に染みついてしまっているタイ人を仰ぐ。そういうタイのいいところを、日本に持ち込めていたらいいなと思う。
2020年9月7日
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