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幸福とは、自分で人生を選択できること

 「人生の選択の自由」が低いとみなされる日本社会で、自己決定度の高い人の幸福度が高いということは注目に値する結果である。

 これは、「幸福感と自己決定ー日本における実証研究」で2万人の日本人のデータから幸福感に影響する要因の分析を行ったもので、上記の引用はその論文の一節です。

 よく幸福に必要な要素に「所得」「健康」「人間関係」「学歴」が挙がってくるのは定番だと思いますが、幸福感を決定する「健康」「人間関係」に次ぐ要因として「自己決定」が強い影響を与えるという結果に、正直驚きました。そこまで大きな影響を与えるのだなと。

 最近、発達障害者の“自己決定力”を支援することが重要であるといった意見をもらい、当事者である僕も“ウェルビーイング”を満たして維持するには“自己決定”をする経験の重要さを感じていたところでした。

「ウェルビーイング」(well-being)とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉です。1946年の世界保健機関(WHO)憲章の草案の中で、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」と用いられています。企業としての経営の方向性や組織のあり方を考えるときに、目安となる概念の一つといえます。


 発達障害者は客観的に自己認知して得手不得手を理解したり、人生の長期的なビジョンを描いたりするのが苦手である。そのため空想的、非現実的、自己愛的な職業選択をすることがある…しかし、彼らの特定分野へのこだわり…を活かせば、才能を開花させる可能性がある(心療内科医 星野仁彦)

 上記の文から、発達障害者は特に自己像が上手くつかめないため、社会と自分の相対的な立ち位置の把握が困難で、さらに情報の取捨選択の苦手さも相まって、どういう方向性で未来へ進めばよいか分からず、場合によっては失敗体験の積み重ねが、自己決定に苦手意識を感じるのかとも思いました。

 そのため、「誰かに決めてもらいたい。」「何も考えたくないし、よく分からないと。」といった依存心が芽生えてくることも考えられます。

 実は、僕自身も将来のことを考えるのが苦手で、誰かの答えに乗っかって人生を乗り切れればいいかなといった甘い考えを持っていたのも事実です。

 ただ、この論文によると「自己決定度の高い人の幸福度が高い」と書かれていることから、目の前の楽にすがり課題を先送りすることは、かえって自身を幸福から遠ざけていたのかもしれません。

 自己決定をするには、他者決定とは異なり、自分が何を考え、何がしたくて、どう生きたいのかを知る必要があるかと思います。そこで「自己理解」という作業の必要性を感じました。

 そんな訳で、今の僕は、自分を振り返りながら自己像認知を明瞭にする作業をやっております。これはおそらく精神科作業療法士と活動する上でも、漠然とした生きづらさを抱える方に対して有効なアプローチになるかもしれないと思っているところです。(エビデンスの実証はないので、あくまで僕の考察だと思ってもらえれば。)

 具体的に何をやっているかはこちらのnoteを参考にしてください。

 最後まで読んで頂きありがとうございます(^^♪

 皆様が「ウェルビーイング」(well-being)な状態になる(なっている)ことを心より願っております(^_-)-☆





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