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運転弱者が直面する社会の偏見と圧力

 皆さん、こんにちは。今回はSNSで話題になっていたのをきっかけに車を持っていない人、運転できない人に対する差別について考えてみようと思います。 

 日本では、車を運転できない人が様々な面で差別を受けることがあります。例えば、自分は成人してから車を所有していない時期がありましたが、自転車を通勤手段にしていると、知り合いや親族から「なんで車持たないの?」や「男なら車を運転して一人前だろ」といった言葉をかけられたことがあります。
 さらに、業務で車を使わない職種であっても、「要普通免許」が応募条件に含まれることも珍しくありません。このような状況は、車を自由に乗りこなせない人にとって肩身が狭いものです。では、なぜこのような差別が生じるのでしょうか?

 日本では、都市部では公共交通機関が非常に発達していますが、郊外や地方では車が主要な交通手段となっています。車を持っていないと移動が不便であり、日常生活や仕事に支障が出ることが多いため、車を持っていることが当たり前とされる文化が形成されています。
 特に、地方や郊外では車を持っていることが一種のステータスシンボルとなっており、車を持たない人は社会的に低く見られることがあります。

 地方では多くの人が車を所有していることが当たり前であるとされる社会であり、車を持たない人は「普通ではない」「何か疑わしい事情があるのでは」と見なされることがあります。こうした社会的な期待やプレッシャーが、車を持たない人に対する差別や偏見を生む一因となっています。

 多くの職場で「普通免許」が求められるのは、業務中に車を使用する可能性があるからです。さらに、日本の企業文化では柔軟性が求められ、いつでもどこでも車で移動できる能力が重視されることが多いと感じます。そのため、車を運転できない人は応募条件を満たせないことがあり、結果として仕事の機会が制限されることがあります。

 車を持たないことがライフスタイルの選択である場合もありますが、そうした選択が理解されにくいこともあります。環境保護や経済的な理由、病気などの事情から車を持たない人もいますが、そうした理由が周囲に理解されない場合、偏見や差別(スティグマ)が生じることがあります。

 車を運転できない人に対する差別には、根深いステレオタイプや偏見が影響していることもあります。例えば、「車を持たないのは経済的に余裕がないから」「社会人としての常識と責任感がない」「多くの人が当たり前に取得できる普通免許を取得できないほど能力が低い。どこかおかしいのでは」といった偏見が存在することがあります。

 また、発達障害、境界知能、知的障害の人にとって、車の運転は特に難しいと感じることがあります。例えば、境界知能を抱えているインフルエンサーも、運転免許取得の際に多くの困難に直面したようです。学科試験では効果測定で5回落ち、技能試験ではバックがなかなか思うようにできないと述べていました。
 しかし、父親と一緒に何度も運転練習を重ねた結果、細い山道や雪道以外では自由にドライブできるようになったとのことです。

 さらにペーパードライバーに対する差別も見過ごされがちです。男性が車を持っていないこと、運転できないことや苦手なこと、また軽自動車に乗っていることに対する社会的な偏見は、特に強いことがあります。
 自分は親族や知り合いから「男で車をまともに運転できない人は頼りない」「男のくせに軽自動車はありえない。マジでダサいし彼氏がこれだったら引くわ」と言われたことがあります。
 これらの見えない差別が、車を運転できない人々の生活やキャリアに暗い影を落とすことがあります。

 このような差別を解消するためには、まずは社会全体での意識改革が必要になるでしょう。例えば車を持たないことが必ずしもネガティブな選択ではないことを広く理解させるための教育や啓発活動が重要になります。
 そして車を持たない人にも仕事の機会が公平に与えられるよう、業務内容や通勤方法に対する柔軟な対応が求められるでしょう。
 さらには地方や郊外では、車を持たない人々の生活の質を担保するために、現状に基づいたインフラを整備することも重要だと言えます。
 何はともあれ車を持たないことが一つのライフスタイルの選択であることを尊重し、多様な生き方を受け入れる社会を目指すことが大切です。

 これらの対策を講じることで、車を運転できない人々が差別されることなく、安心して生活できる社会を築くことができるでしょう。
 車を持つことが当たり前とされる社会から、多様な選択を尊重する社会へと変わっていくために、まずは各々が社会にスティグマ(偏見)が存在していることを認識することが重要ではないでしょうか。

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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