見出し画像

『家族のこと』 (中高生たちの超短編小説 003)

探究学習塾エイスクールの中高クラス「探究ラボ」に通う16名の中高生たちと4名のメンター・ファシリテーターが書いたオリジナルの『超短編小説(インスタント・フィクション)』を掲載しています。誰が書いたかわからない、ちょっと不思議な約400字の世界をお楽しみ下さい。感想(コメント)もお待ちしております。

息子がきらいだ、りょうたくんの家はいつもアイスがあるらしい。

旦那が嫌いだ、料理は手抜きでいいという。

うさぎがきらいだ、いつもわたしにだけおしっこをかける。

そうでしょ、私が電柱だってことでしょ。道の邪魔者。

そうだ、私が全部悪いということだ。

隣の家がうるさいのも、戦争が終わらないのも、この世の全てはおかあさんのせい。

大丈夫、おかあさんがいなくなれば全部良くなるから。

おかあさんの肝臓がもっと黒くなって、レントゲンが真っ暗闇になって、それでコンテスト出てお金もって来るから。

それでみんなを養うから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?