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『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズご紹介&掲載企業について

こんにちは。あさ出版noteにお越しいただきありがとうございます。
今回はあさ出版を代表する、「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズについて、お話ししたいと思います。(2023年8月23日更新)

シリーズ関連書籍、DVDなどを合わせると10点以上にもなります。
シリーズ累計70万部超を記録した、あさ出版のベストセラーシリーズ『日本でいちばん大切にしたい会社/ 坂本光司 著』

2008年刊行開始

2008年にシリーズ第1巻を出版後、朝日新聞「売れている本」、日本経済新聞「ベストセラーの裏側」、AERA、 テレビ東京「カンブリア宮殿」「ワールドビジネスサテライト」TBSテレビ「サンデージャポン」、フジテレビ「ニュースJAPAN」など、様々なメディアで「感動するビジネス書」としても話題になりました。

また数多くの読者の方から感動のメールやお手紙をいただくとともに、第2弾の出版を待ち望む声をたくさんいただきました。

こうして第2巻、第3巻と刊行を重ね、今年第8巻を刊行しました。

このシリーズに登場する会社は、限りなく辺鄙な地域にありながら、日本全国から入社希望者やお客様が集まってくる会社、「会社の目的は社員を幸福にすること」という理念を掲げて、48年間も増収増益を続けている会社等々。

この記事では、シリーズ1巻~7巻に掲載している企業の一覧をご紹介します。(情報は刊行当時のものです。各企業の最新情報は企業HPをご覧ください。)

日本でいちばん大切にしたい会社(シリーズ第1刊)

日本理化学工業株式会社 (神奈川県川崎市)

障害者の方々がほめられ、役立ち、必要とされる場をつくりたい

50年前に知的障害をもつ二人の少女を、「私たちみんなでカバーしますから」という社員たちのたっての願いで採用した日本理化学工業。
今、この会社の障害者雇用率は、社員の7割に及んでいます。
会社は、売上げを上げるために、利益を上げるために存在しているのではありません。
本当に人々に必要とされ、社員たちも誇りをもって働くことができる、その結果、みんなが幸福を感じることができる、そんな会社になるために存在しているのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社』より抜粋

伊那食品工業株式会社(かんてんてんぱぱ)(長野県伊那市)

「社員の幸せのための経営」「戦わない経営」を貫き、四ハ年間増収増益

寒天メーカーという斜陽産業のなかで、48年間増収増益を果たしてきた伊那食品工業。
ともすればその業績に目を奪われがちですが、この会社は決して業績本位で今日まで来たわけではありません。
「会社は社員の幸せのためにある」ことをモットーに、50年間一度のリストラもなく、同業者とも戦わず、とことん環境に配慮した工場をつくり、「100年カレンダー」で遠くを見通す経営をしてきたのが、伊那食品工業なのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社』より抜粋

中村ブレイス株式会社 (島根県大田市) 

「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、世界中からお客様が訪ねてくる

まだ日本に義肢装具のニーズがほとんどなかった時代に、過疎が進む故郷で、たった一人で創業した会社、それが中村ブレイスです。
ずっと弱者の視点に立ち、弱者のために物づくりを続けてきた会社です。
効率にこだわることなく、じわりじわりと評価を高めていった中村ブレイスは、「日本一、辺鄙なところにある会社」です。
しかしこの会社に、今では首都圏はもとより日本中から入社希望者が集まり、世界中からお客様が集まるようになっています。

『日本でいちばん大切にしたい会社』より抜粋

株式会社柳月 (北海道河東郡)

地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく

北海道で生まれ、大きく成長したものの、決して北海道から出ようとしないのが、菓子メーカーの柳月です。
十勝の自然を満喫してもらおう、お菓子づくりを体験してもらおうということでつくった3万4000平方メートルの「十勝スイートピア・ガーデン」には、年間60万人ものお客様が訪れます。
柳月の願いは、「心と心をつなぐこと」。
地域の多くの人々が、お菓子のおいしさや気持ちのこもったサービスから、幸せをもらっているようです。

『日本でいちばん大切にしたい会社』より抜粋

杉山フルーツ (静岡県富士市)

「あなたのお客でほんとうによかった」と言われる、光り輝く果物店

大規模スーパーの撤退で寂れた商店街に、光り輝く果物店、杉山フルーツあります。
お客様にとことんおいしい果物を、という姿勢もさることながら、杉山フルーツが心を打つのは、その商売に対する姿勢です。
少ない予算で「引き出物をお願いしたいのですが」と頼まれれば、店員総出でお客様が感涙に咽ぶような商品を提供するその気持ち。
だから杉山フルーツには、全国各地からお客様が殺到するのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社2

株式会社富士メガネ (北海道札幌市)

「困っている人を助けたい」━━世界の難民や中国残留孤児に「視力」を贈
る感動のメガネ店

“困っている人がいたら助けてあげたい”をスローガンに、世界の難民や肉親捜しのため来日する中国残留日本人孤児たちに検眼をし、メガネのプレゼントをし続けているのが富士メガネです。
中国残留日本人孤児やインドシナ難民、アゼルバイジャン系難民からのサンキューレターには胸が熱くなります。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

医療法人鉄蕉会亀田総合病院 (千葉県鴨川市)

「もう一度入院したい」と患者がいう病院のモットーは「Always say YES!」

多くの病院が医師不足、赤字経営で苦しむなか、たくさんの患者さんが“もう一度入院したくなる病院”と感想を抱く総合病院があります。
患者思い、家族思いの治療やサービスをしてくれている、“絶対にノーと言わない病院”。
そのサービスの実態は、ここまでやってくれるのか・・・・・・と感動に堪えません。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

株式会社埼玉種畜牧場「サイボクハム」 (埼玉県日高市)

「日本人の食料不足をなんとかしよう」━━使命感に燃えて牧場を経営、「農業のディズニーランド」を実現する

フィリピンで敗戦を迎え、司令官から自害を止められて国内に戻った一人の元軍人が、「食を通じて世のため人のために貢献したい」と設立した農業が中心の株式会社、埼玉種畜牧場「サイボクハム」。
地域の特別支援学校の子供たちに収穫の喜びを味わってもらうため、敷地内にあえてりんご園をつくった話は感動的です。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

株式会社アールエフ (長野県長野市)

「小さな命をもっと救いたい」━━世界が驚くカプセル内視鏡を開発。「人間の幸せ」を追い求める中小企業

アールエフは、「赤ちゃんや子供たちの命を救いたい」と、マイクロカメラやレントゲンなど、さまざまな医療機器をつくり続けています。
同社の商品名の多くが社員の名前であることも感動的ですが、近々市場に出る予定の「Sayaka」という商品名のカプセルカメラ(飲むカメラ)は、ノーベル賞級の商品ではないかと思います。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

株式会社樹研工業 (愛知県豊橋市)

社員は先着順で採用。給料は「年齢序列」の不思議な会社

樹研工業は、100万分の1グラムの超極小プラスチック歯車の世界一のメーカーとして有名ですが、私がこの会社を「日本でいちばん大切にしたい会社」として取り上げたのは、社員を大切にする経営が、ブレずに一貫して行われている会社だからです。
特に感動的なエピソードは、3年半入院し、出社できなかった社員に、その間、給料、ボーナスを払い続けた話です。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

未来工業株式会社 (岐阜県安八郡)

「日本でいちばん休みの多い会社」だから、不況知らずの会社になれる

未来工業は、近年、「日本一休みの多い会社」として有名です。
しかし、私がこの会社を「日本でいちばん大切にしたい会社」と思うのは、日本一休みが多く、かつ残業時間が少ないから、という理由ではありません。
真に社員の側に立った、社員の幸福を念じた経営が「愚直一途」に行われている会社だからです。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

ネッツトヨタ南国株式会社 (高知県高知市)

全盲の方と行く四国巡りの旅で、人の本当のやさしさを学んでもらう

ネッツトヨタ南国は、かつてない自動車不況のなかでも、売上高や客数が下がらないカーディーラーとして有名です。
しかし私が当社を取り上げたのは、この業績だけが理由ではありません。
お客様重視の本店ショールームや、新入社員に地域の目の不自由な方などとペアを組んでもらい、4泊5日をかけて四国八十八箇所巡りをするなどといった研修内容に感銘を受けたからです。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋

株式会社沖縄教育出版(現:e-no(イーノ)) (沖縄県那覇市)

本当に世の中に役立つ事業をしたい。一人ひとりの命が輝く会社になりたい

沖縄教育出版は、高業績企業としても有名ですが、私が当社を本書で取り上げたのは、この会社の「日本でいちばん長い、かつ楽しい朝礼」をじっくり見学させていただいたことにあります。
この会社の社員たちは、健常者、障害者が一体となり、まるで家族のように愛し愛され、生かされていると実感したからです。

『日本でいちばん大切にしたい会社2』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社3

徳武産業 株式会社 (香川県さぬき市)

もともとは靴の素人だった徳武産業は、「お年寄り向けの、転ばない靴づくり」にチャレンジすることになります。
多くの高齢者の悩みを聞いたところ、「左右サイズの違う靴を売ってほしい」「軽く、明るい色のものがいい」など、それまで考えたこともなかったニーズが。
多くは、業界での「非常識」で、販売ルートも皆無です。
そこで社長は――。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

中央タクシー株式会社   (長野県長野市)

理想を求めて「しあわせを乗せる」タクシー会社をつくりあげる

中途採用が多く、サービスの質がなかなか上がらないタクシー業界。
そのなかで、「理想のタクシー会社をつくる」と決心し、「お客様第一」「タクシーの仕事は人の人生にふれる仕事」の理念に基づいて、数多くのファンを得ているのが中央タクシーです。
「私、乗ってしあわせを感じます」と言ってもらえる経営とは̶̶。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

株式会社 日本レーザー (東京都新宿区)

MEBOで親会社から完全独立。会社の理念は「すべては社員のために」

多くの子会社は、人事も給料も、親会社の意向通りに決めなければなりません。
しかし日本レーザーは、それでは本当に社員のためになる経営はできないと、M&Aの手法のひとつであるMEBOという形で独立を果たしました。社長の考え方の根底には、「会社は社員のものであり、お客さまのものである」との理念があります。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

株式会社 ラグーナ出版 (鹿児島県鹿児島市)

精神障がい者の方々と働く場との「つながり」をつくる

企業に、「障がい者を雇用する場合、どの種別の方を受け入れますか」というアンケートを取ると、身体が75パーセント、知的が13パーセント、精神障がい者に至っては1.3パーセントにすぎません。
精神疾患の患者は、病気の苦しみと社会からの疎外による二重の苦しみを味わっています。
患者の方々の、世の中への「出口」をつくりたい――そんな思いから設立されたのが、ラグーナ出版です。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

株式会社 大谷 (新潟県新潟市)

障がい者の雇用に力を注ぐ、日本でいちばん大きなはんこ屋さん

子供の頃からのお母さんの「はんこ屋さん」の手伝い、障がい者の師匠のもとでの修業、生死を分ける大病と、そして幼い娘の事故――。
大谷は、さまざまな苦節と逆境を乗り越えて、障がい者雇用に努め、同時に日本でいちばん大きな売上げを誇る「はんこ屋さん」に成長してきました。障がい者や高齢者のための老人ホームを創設する、という夢も、もうすぐ実現可能です。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

島根電工 株式会社 (島根県松江市)

社員、地域、お客さまにやさしい会社は不況下でも高成長

電気設備工事などの業界は、もともと公共事業への依存度が高く、公共投資の減少とともに業績も落ちる、というパターンが一般的です。
しかし島根電工では、お客さまの感動を求めて地域の人々の小口の受注を取る「おたすけ隊」をスタート、逆に売上げを大きく伸ばしています。
その背景には、どこまでも社員を愛する経営者の心があります。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋

株式会社 清月記 (宮城県仙台市)

東日本大震災――ご遺体の仮埋葬・掘り起こしで人間の尊厳を守りぬいた葬儀社

3月11日の東日本大震災̶̶大混乱の最中にあるその日の夕方、清月記の社長は、長年取引のある四国の棺メーカーに急きょ1,000本の棺を依頼しました。
入社したばかりの社員まで参加しての仮埋葬、掘り起こし、そして被災者の方々への、ミニ仏壇1,500のプレゼント。
葬儀社としての原点に立ち返っての、身を捨てての活動でした。
「ノーと言わない究極のサービス」を目指す姿勢が、東北No.1の会社をつくったのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社3』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社4

株式会社小松製菓(巖手屋)(岩手県二戸市)

衰退するせんべい業界でトップを独走する「ぬくもりの経営」の会社

1枚何円という薄利の南部せんべいを売って業界トップになったのが、
岩手県二戸市に本社のある小松製菓です。創業以来、お客さまのニーズや
ウォンツにきめ細かく応えた多品種の商品開発が好調の理由ですが、当社
の右肩上がりの業績を支えているのは、それだけではありません。
壮絶な半生を送った創業者小松シキさんの思いと、その精神を受け継い
で、「人を大切に」「感謝の心」を忘れずに、とことん「ご恩に報いる」ぬ
くもりの経営が、多くの人の心をつかんで放さないのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社4』より抜粋

株式会社坂東太郎 (茨城県古河市)

「幸せ日本一」をめざして四世代から愛される、笑顔いっぱいのレストラン

毎朝、開店前に従業員が表に整列し、外に向かってお辞儀をするレストランが茨城県内を中心に北関東一円にあります。
「親孝行」と感謝の気持ちを大切にする「坂東太郎」が運営するレストランチェーンです。(中略)
1人の従業員の交通事故をきっかけに、それまでの業態を一新させた「坂東太郎」は、売上日本一ではなく、社員や仕入先社員、そしてお客さまが幸せを実感できる幸せ日本一をめざしています。

『日本でいちばん大切にしたい会社4』より抜粋

株式会社協和(東京都千代田区)

限りない優しさがあるからみんなが嬉々として働くランドセルメーカー

私が小学校に入学した当時、同学年の子どもたちの数は、全国で250万人をはるかに上回っていましたが、今やその数は110万人前後に激減しています。
こうした経営環境の中で、ランドセルの製造・販売や新規事業の立ち上げによって売上を伸ばしている会社が協和です。
協和では、ランドセルに託した親子の特別な思いをくみ取り、障がい児向けのランドセルを販売したり、被災地に修理したランドセルを届けたりしています。

『日本でいちばん大切にしたい会社4』より抜粋

東海バネ工業株式会社(大阪府大阪市)

たった1個の注文にも応える町工場魂が日本のモノづくりを支える

株式会社障がい者つくし更生会 (福岡県大野城市)

逆に健常者が差別される !? 障がい者雇用率102.6%の奇跡の株式会社

職に就くことがむずかしい障がい者のために、働く場を確保しようとつくられたのが、障がい者つくし更生会です。
社員の8割以上が障がい者のこの会社では、重度障がい者であっても当たり前のように一人前の戦力として必要とされています。
この会社は、自らが障がい者であったため就職ができなかった小早川さんが、自らの体験を踏まえ、障がい者が働く会社として立ち上げました。

『日本でいちばん大切にしたい会社4』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社5

社会福祉法人 北海道光生舎  (北海道赤平市)

苛酷な運命を背負った障がい者が設立した夢のようなクリーニング会社

過疎化の進行が急速に進む北海道の小さな町に、孤軍奮闘するクリーニング会社があります。
創業者は、片目と両腕を失うという苛酷な運命にもめげず、自ら障がい者のために理想の会社をつくり上げました。
働くチャンスすらない障がい者に就労の場を提供するだけでなく、「年老いて働けなくなっても、なお一生面倒を見る」と公約している会社です。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋

株式会社 クラロン  (福島県福島市)

高齢者、女性、障がい者を主役に据えた人間愛あふれる運動着メーカー

福島に立地するクラロンという会社は、1枚からでもオーダーに応じる小ロット生産で、厳しい衣料品業界を生き抜いてきた運動着メーカーです。
安価な輸入品に押され、縮小を余儀なくされる衣料品業界で、クラロンは自社工場を守り、強固な財務体質を保っています。
この会社を支えているのは、高齢者、女性、障がい者です。
クラロンはこれらの人たちの能力を最大限引き出すことで、強い経営体質をつくり上げているのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋

株式会社 さくら住宅  (神奈川県横浜市)

「会社はみんなのもの」との信念で幸せを輪のように広げるリフォーム会社

株主の7割近くがお客さまという珍しいリフォーム会社があります。
ネジ1本、ふすま1枚の小工事でも嫌がらずすぐに駆けつけるこの会社には、お客さまはもちろん地域の人たち、障がい者も集まります。
大切にしなければならない人を大切にする経営を貫いて、誰からも愛される、地域コミュニティに欠かせない存在になっています。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋

株式会社 天彦産業  (大阪府大阪市)

女性が大活躍する鋼材商社は"お互いさま"の精神で社員と家族に支えられる

社員40人足らずの小さな会社に、わざわざ安倍首相が足を運びました。
男社会の鉄鋼業界で、この会社は女性に主導された珍しい商社だったからです。
でもこの会社で活躍しているのは女性だけではありません。
すべての社員とその家族までが一丸となって会社を支えている、お互いさまの精神に満ちあふれた希有な会社だったのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋

日本植生 株式会社  (岡山県津山市)

「社員と家族を幸せにする」――創業者の意思を脈々と継ぐ環境緑化・保全会社

山間の辺鄙な無人駅に本社がある会社があります。
山ののり面などの緑化事業を行う日本植生という会社です。
太平洋の戦地から創業者が復員してきたとき目にしたのは、祖国の荒れ果てた大地でした。
美しい緑の国に戻したい、その一心で創業された会社には、ふるさとと社員と家族へのあふれる思いがつまっていました。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋

株式会社 ふくや (福岡県福岡市)

「世の中の役に立つ」ための会社だから不動のNO.1であり続ける明太子メーカー

いまや国民食ともいえる明太子を、日本で一番最初につくったのは、福岡の博多にある「ふくや」という会社です。
でもこの会社には「元祖」も「本家」も「一番」という言葉もありません。それどころか、明太子の製法特許や商標登録さえとっていないのです。
いろいろな明太子があったほうがお客さまが喜ぶから。
何とも心が広いこの会社の原点は「社会貢献」「地域貢献」にあります。

『日本でいちばん大切にしたい会社5』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社6

株式会社 マコセエージェンシー  (鹿児島県鹿児島市)

「ありがとう」の思いあふれる唯一無二の会葬礼状をつくる心優しき広告代理店

亡くなった方へのあふれる思いが伝わってきて、涙せずにはいられない会葬礼状。
心をふるわせるオリジナルの会葬礼状を作成しているのが、鹿児島市に本社のあるマコセエージェンシーです。
遺族の心に寄り添いながら、短時間で的確に文章を作成するのは並大抵の仕事ではありませんが、それを可能にしているのは、心優しい社員の存在と、五十嵐社長の社員を大切にするぶれない大家族的経営にあると思います。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋

但陽信用金庫  (兵庫県加古川市)

小さくても温かみのあるきらりと光る地域の信用金庫

再編が進む金融業界ですが、約一世紀にわたって、独立独歩で歩んできた
小さな信用金庫があります。
地域の「よろず相談所」として、あらゆる相談ごとに乗り、行政顔負けのボランティア活動を実践しています。
それを実現させているのは、金融機関とは思えない経営理念とトップのリーダーシップです。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋



コーケン工業 株式会社  (静岡県磐田市)

めざせ百歳社員!四世代社員が同居する超高齢社会のビジネスモデル

十八歳から八十九歳まで、四世代にわたる幅広い年齢層の社員が家族のようにチーム一丸となって助け合う会社があります。
社員の三分の一が六十四歳以上。社員みんなの夢は、最高齢の八十九歳の男性社員が百歳まで元気で働くことです。
浜松市の隣、磐田市にあるパイプ製造メーカーのコーケン工業は、これからの超高齢社会のモデルになるような、すべての人々に優しい、温かい会社です。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋

柿の実幼稚園  (神奈川県川崎市)

障がいがある子もない子もともに支え合う園児1300人の超人気幼稚園

敷地の中に自然の山がある柿の実幼稚園は、少子化のいまも園児1300
人が押し寄せる人気の園です。
ほかの園で断られる重度の障がい児などを優先的に入園させる取り組みが評価されたからです。
ここではハンディキャップのある子も、ない子と一緒に遊び、学び、運動会にも参加しています。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋

株式会社 アポロガス  (福島県福島市)

恩送りの精神で心の温かさを届けるエネルギー供給会社

原発事故の直後も福島にとどまり、エネルギーを供給し続けた会社があります。月面着陸に成功したアポロ11号から名前をとったアポロガスです。
周りの人を幸せにするのがこの会社の共通する価値観。
地域に新しい雇用や事業を生むべく、年間150本にも及ぶ研修を行って、100年後を見すえた人財づくりも積極的に行っています。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋

株式会社 アイワード   (北海道札幌市)

愚直一途に印刷に向き合ってきたからこそ生まれる驚きの技術

札幌にある社員250名ほどの印刷会社が、画期的な技術を開発しました。
アナログで撮られた昔の写真を復元する技術です。
]歴史的資料を消滅させないために、使命感をもって印刷に向き合う良心的なこの会社は、かつては倒産寸前でした。
荒んだ会社を建て直したのは、外部からやってきた若い経営者でした。

『日本でいちばん大切にしたい会社6』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社7

陰山建設 株式会社   (福島県郡山市)

日本一の献血活動を36 年間欠かさない、心優しい会社の心優しい経営

福島に、ボランティア活動に力を入れ、「献血の陰山」「災害の陰山」と、全国から慕われる建設会社があります。
31歳で会社を継いだ若き社長は、建設業界の常識を破る斬新な経営を次々と打ち出しました。
その姿勢に感銘した人たちが、一時は倒産の危機に瀕したこの会社を救ったのです。
受けた「ご恩」に報いる活動は、優しさの連鎖を生んでいます。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜粋

昭和測器 株式会社  (東京都千代田区)

頑固一徹。中小企業のたいまつを自分の手で灯し続ける会社

創業以来、一貫して自社開発にこだわる中小企業があります。
振動計測装置の分野でニッチ・トップ・グローバルの実績を誇る昭和測器です。
大きな市場にはあえて参入せず、小さな穴を深く掘り続けるようにニッチな分野を追い続けています。
社員を大切にし、本業に徹する姿勢の後ろには、創業者の頑固一徹な経営姿勢がありました。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜粋

フジイコーポレーション 株式会社   (新潟県燕市)

優しさが大家族的経営につながり気がつけば150年企業に

新潟に、サンタクロース村から公認された除雪機をつくる中小企業があります。
創業150年を超える老舗のものづくり会社です。
昔から人に優しい大家族的経営で知られていて、高齢者、女性、障がい者、外国人の方々が次々と集まっています。
多様な人財から生まれる可能性が、老舗の会社を支えています。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜

NPO法人 六星  (静岡県浜松市)

人生を取り戻すためにつくられた視覚障がい者の方たちの楽園

障がいをもつ方々の中でも、特に苛酷な状態に置かれていると思われるのが、視覚障がい者です。仕事についている人も少なく、家に閉じこもりきりの人が多いのが現状です。
その状況を何とかしようと声を上げたのが、NPO法人六星・ウイズでした。
六星・ウイズでは、視覚障がい者のために働く場をつくり、街に出られるようリハビリを行っています。施設は「お金を払ってでも来たい」と障がい者の方が言うほど、幸せに満ちていました。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜粋

有限会社 ツマガリ    (兵庫県西宮市)

「利他自損の心」で日本一美味しいお菓子をつくり続ける町の洋菓子店

兵庫県西宮市の芦屋に近い住宅街の一角に、全国からお客さまが殺到するという小さな洋菓子店があります。
今から33年前、夫婦2人で始めたケーキ屋さんです。この店は、どんなに繁盛店になっても、おごることはありません。創業のときの店構えのまま、この地にとどまって、毎日変わらず、とびきり美味しいケーキをつくり続けています。
そこには人のご縁を大切にし、「利他自損の心」で生きてきた創業者の熱い想いが流れています。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜粋

出雲土建 株式会社   (島根県出雲市)

七難八苦をものともせず炭のパワーで住環境の改善に挑む

バブルがはじけてから建設業界は厳しい環境に置かれています。
そんな中、炭がもつ力に注目して画期的な商品を開発。
会社の再建と社会貢献をともに果たした会社があります。
七難八苦が襲いかかっても、へこたれず前を向く。
その経営の前には明るい未来が待っています。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜

生活協同組合 コープみやざき   (宮崎県宮崎市)

たこ焼き1個でも売る「ありえないサービス」が組合員の信頼を創る

県民の2人に1人は加入しているという加入率の高い生協が宮崎にあります。
ここでは、組合員であるお客さまの要望であれば、パジャマの下だけ、たこ焼き1個だけ、電池1個でも販売します。
そればかりか、あのマンゴーの試食もできます。
苦戦する国内の小売店・スーパーも多いなか、この生協は徹底したお客さま目線をぶれずに追求し、組合員の信頼を得て堅実な経営を維持し続けています。

『日本でいちばん大切にしたい会社7』より抜粋


日本でいちばん大切にしたい会社8

株式会社フタバタクシー(タクシー会社・宮城県仙台市)

高齢者、障がい者など、弱い立場にある人々をとことん親切に送迎する

仙台駅から車で20分ほど走ったロードサイドの一角に、フタバタクシーの本社事務所と配車センターがあります。
福祉・介護タクシー業としてスタートしたフタバタクシーは、今では一般タクシー、福祉・介護タクシー、子育て支援タクシーの3つの柱を軸に、地域の人々に感動的なサービスを届けています。

『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋

松川電氣株式会社(電気工事業・静岡県浜松市)

社員の「人間力」の育成と「三つの健康づくり経営」で創業以来55年間黒字経営の電気設備工事業者

こころを豊かにする入社試験、社員とその家族を幸せにするさまざまな施策、多様な社会貢献活動――松川電氣は「人のための経営」を貫いて、地域を代表する電気設備工事の総合サービス企業に成長しています。入社試験の「お母さんの足を洗って」作文は、象徴的なエピソードの一つです。

『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋

静岡県セイブ自動車学校(自動車教習所・静岡県浜松市)

幼少期からの苦境を胸に、どこまでもやさしい経営を追求する自動車学校

浜松駅から車で30分ほど走った浜名湖の近くに、全国各地から注目されているユニークな自動車学校があります。緑豊かな場所にあるこの自動車学校の敷地面積は1万5000坪という広大さで、全国の自動車学校のなかで、最も長い直線教習コースがあります。
 親と離れた淋しさ、貧しさを経験し、だからこそ人を助ける温かみのある経営をめざしてきた同社。およそ20年前、マイナスから再スタートししましたが、児童養護施設で育った子供たちへの免許取得支援制度を早くからスタートさせつつ、全国でも有数の自動車学校に成長してきました。

『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋

おおこうち内科クリニック(医院・愛知県稲沢市)

稀有のサービスで年間4万5000人の患者が治療に来る大感動クリニック

決して交通の便がいいとはいえない立地であるにもかかわらず、患者さんが遠くからわざわざ訪れる医療機関。理念は「絶対にノート言わないクリニック」。「チームおおこうち」で、「全身を診る医療」と「心を癒すサービス」を追求しています。

『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋

公式HP https://www.okochi-cl.com/

ATUホールディングス株式会社(警備業・福岡県福岡市)

「障がい者には向いていない」という偏見を打ち壊した警備会社                   

ATUホールディングスはそのうちの中小企業のひとつですが、そこで行われている人思いの経営は「ありえないレベル」であり、この面では全国トップクラスの企業であるといっていいでしょう。
社会的に弱い立場にある人の雇用に率先して取り組んでおり、社員数57名のうちなんと22名が障がい者で、法定雇用率では50%をはるかに上回っています。一般的に警備業界の警備員の正社員比率は1割程度、非正規社員比率は9割程度ですが、同社では重度障がい者も含めて、57名のほぼ全員が正社員として雇用されています。
 警備の仕事のなかでも、ATUホールディングスはレベルの高い仕事をしているのです。

『日本でいちばん大切にしたい会社8』より抜粋


著者プロフィール・坂本光司


著者 坂本光司

経営学者。現在「人を大切にする経営学会」会長。千葉商科大学大学院商学研究科中小企業人本経営(EMBA)プログラム長。1947年、静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部・同大学院教授などを経て、法政大学大学院政策創造研究科教授、法政大学大学院中小企業研究所所長などを歴任。専門は中小企業経営論、地域経済論、障がい者雇用論。徹底した現場派で、これまで8000社を超える企業の実地調査・アドバイス・研究を続けてきた。主要著書に『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ〈1~8〉(あさ出版)、『人を大切にする経営学講義』(PHP研究所)、『経営者の手帳』(あさ出版)など、100冊以上がある。


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