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#恋愛
エピローグ いつかのあたしたちは
「サナちゃん!」
小さな部屋に、ふたり暮らし。
「ねぇ見てサナちゃん、誕生日プレゼント! あ、あとね、遅れちゃったけどハッピーハロウィン!」
ファンシーな寝間着姿の天野セナは、満面の笑みを浮かべた。
リボンでラッピングされた袋をひとつずつ、両手に持って。
「どっちが誕生日で、どっちがハロウィンのプレゼントなの?」
「どっちがどっちなのか忘れた! えっへん!」
セナは何故かドヤ顔だった。
恋を知らないあなたでも
私は、姉と血が繋がっていない。
そんな風に見えないように努力して、ネガティブな自分を吐き出さないようにしている。
それが、役者でありアイドルである私の仕事だから。
アイドルユニット、「Lシス」ことLively Sisters(ライブリー・シスターズ)のオファーは、まさしく本領発揮する場を獲得できたというわけだ。
でも、それを姉は快く思っていない。
彼女は正直者で、生真面目なのにどこか頭