『図で考えると会社は良くなる』 作者:前田康二郎
著者は、大手音楽制作会社やPR会社等で経理・総務・IPO業務などを経験。その後独立し、業務改善、組織改善、業績改善のための社員研修やコンサルティングなどを行なっているそうだ。
本書では、自らの経験やこれまで出会った会社・組織から得た知恵の数々を、第一章から第八章までに分け、各々のテーマに応じた短めのコンテンツで披露している。
経営者や社員の皆さんは、会社で起きるそれぞれの課題の原因は「属人的な理由」と思っているが、例えそれが対人関係の課題であっても、「その時その時の組織の状態」に原因が潜んでいると著者は述べ、「組織の法則」というものに焦点を当て、様々な組織の実例を綴っていく。
経営者がこうだと直下の部下はどうなる? 一般の社員は?
いつまで経っても一定数以上に社員数が増えないのは何故?
フラット組織とピラミッド組織のそれぞれの特徴とは?
業績が下がるほど社員同士は仲が良くなる?
大会社とベンチャー企業の社員の違いとは?
などなど。
そして、「良い会社とは」について、以下の3点と定義している。
1.業績が良い。
2.給与や発注先に対してなど、お金払いが良い。
3.おごらない、真摯な経営者と社員のふるまい。
これらが、目標とするには相応しいものではないだろうかと言う。
私が、本書の中でなるほどね、と最も興味を感じたのは、第八章のテーマとなってる「敬意と組織」であった。
社員、経営者、顧客、取引先、投資家、あるいはまた環境といったものに至るまで、どのような立場に対しても、「敬意が備わった会社組織」であったならば「良い組織」として過不足なく機能を果たすという。
敬意は組織に於いて万能と言うのである。