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人のためになりたい

福祉って何だろう?
ウェルビーイングって何だろう?


私は大学進学を考えた時、 
直感的に「人のためになること」を学びたかった。

大学で福祉について学び、フィールドワークで様々な現場を訪れ、
様々な境遇や立場に置かれた人やその家族の話を聞き感じたこと。

病気などを患うことも、
障がいを持って生活することも、
年老いていくことも、
家族の介護をすることも、
身近な人から暴力を受けてしまうことも、
時に、身近な人に暴力をふるってしまうことも、
交通事故の被害に遭って家族を失うことも、
災害で被災することも、
働き続けることが難しくなることも、
生活保護を受けることも、
児童養護施設で育っていくことも、
里親の元で育っていくことも、
身体的な性と心の性が違うことも、


その起因は、「環境」によるもの。
「個人のみ」によるものではない。
「家族」「地域」「国」「健康」「文化」「歴史」「制度」「自然」
そのほか様々な環境が相互作用しあっている。

つまり、それらの環境が変われば、
すべては「明日は我が身」「私だったら」と、自分にも起こりうることであると気づいた。

しかし、経験のない自分がいくら学んでも想像しても、実際には「わからない」ことばかりだった。


「人のためになりたい」の原点

だからこそ、困っている人がいて力になりたい。
知らない世界を広げたい。

その想いで、社会福祉士を取得した後、
介護職として8年、放課後児童支援員とその施設長として5年経験を通して気づいたことは、
「人のためになりたい」という、その気持ちだけでは心身ともに「持たない」ということだった。


私たちは日々、家族や友人、恋人、職場、地域の人、など
「人のため」と気配りや配慮をしながら生活をしている。
親と子、上司と部下、先輩と後輩など、立場の違いも然り。

「この子を育てなきゃいけない」
「上司だから、指導しなくてはいけない」
「家族だから」「仕事だから」

こうした誰もが一度は、日々抱いているかもしれない「人のために」という想い。
それは時に自分よりも、自分以外の人のためを優先し、それが習慣になり、気づかぬうちに自分自身が心身の悲鳴を上げ、何か問題が起きることがある。

支援の対象者を思い、その人のためを思って選びながら伝えた言葉、取った行動。
その対象者や環境から受ける自分への影響が大きくなり疲労しても尚、
「相手も大変なんだから、力になりたいんだからな」と言い聞かせることが習慣になり、気づかぬうちに自分の生活や想いに暗い影が見えた時。

その時、ふと思ったのだ。
あれ、何のために人のためになりたかったんだろう?

明日は我が身であること、私だったらと考え、自分に置き換えて想像してもわからなかったこと。
だからこそ、人のためになりたいと思ったはずだった。そのための力をつけていきたい、と。
つまり、人のためになることは「自分のため」であることが原点だと気づいたのだ。

もっと言えば、自分が置かれてきた家庭環境を知りたかったのかもしれない。
子どもの自分では、力になれなかったことを、環境面から何か力になれることはあったのか。
その手段が「福祉」であったのだ。


「自分のために」だと気づいた先に

福祉の支援者だけでなく、子育てをしている親や、「人のために」と一度は思ったことのある多くの人、冒頭に挙げたような人たちも同じように、
立場や環境が違うだけで、私たちは対等である。

その「立場や環境」を知り、「明日は我が身」「お互い様」であることに気づくこと。

それは、その立場になりうる自分のためでもあり、
同時に、人のためでもあるのだ。

どちらが先でもいい。
まずは自分のためであることを自覚して、自分ととことん向き合うことも一つ。
人のためになることを通して、自分の大切にしたいことに気づく。

支援だけが福祉ではない。
近年、手段はヨガ、マインドフルネス、コーチング、ヒーリング等
自分や周りの人が、望んだ生活を叶えられる力をつけていくための
多種多様なサービスが豊富になっている。

そうしたものを含んだものも、ウェルビーイングと呼べるのだ。

誰かにとって本質的に価値のある状態、つまり、ある人にとってのウェルビーイングとは、その人にとって究極的に善い状態、その人の自己利益にかなうものを実現した状態である[1]

ウィキペディアより

自分のためにも人のためにもなれるような考え方、関係づくり。
福祉を学び働くことを通じて、私にとっての原点である家族を救いたいという想いに立ち戻り、一つひとつ向き合ってきたことを通して、
また、ここから作りたい小さな世界を創っていく。
ウェルビーイングや福祉が、自分のことである、と気づきを伝えていきたい。
それが、今の私の「自分のためであり、人のため」であることだから。


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