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秘露(読めるかな)での日々。②要介護・支援の必要な3人との共同生活。

エロティックというか、神秘的というか。かの、マツピツ遺跡のイメージがあるので、謎多き国と言ったところでしょうか・・。漢字で書いたペルーはあながち国の雰囲気をとらえているような気もするのですが。どうなんでしょう。

今日は私の現在の日常である、要介護、支援が必要な3人との共同生活について書いていきたいと思います。秘露に来て9年目になりますが、新型ウィルス以前より生活が一変し、2020年という区切りの良い年は、節目というかターニングポイント的な年に感じられてなりません。

小さくとらえれば、日々にとらわれ感情の起伏についていけず、大きくとらえれば貴重な体験として自分の糧になっていきそうな・・。とはいえ、今までの秘露での生活もなかなか地に足が着いたモノでもなく、こうして、素敵なブログ機能とか使って人様にさらすようなことでもないのですが。今回ばかりは、それこそターニングポイントとして自分の中で読み返したいという思いが強く、数回に分けて投稿していくつもりです。多分、私達のケースはなかなかヘビーで更に私の文章力のなさから、どこから感情移入すべき・・?となるはずです。移入しなくて結構です。いろんな世界があるなぁと、目を通していただけたら幸いです。

私とパートナーのサンドロが同居し始めた5年ほど前に、田舎にいるご家族のことを聞いていました。パパは数年前に他界し、高齢のママと統失症の弟、それに妹さんまで身体が不自由と聞いていて、そりゃあやばい、リマに呼んで一緒に暮らした方が良くないか?とこちらから提案していました。しかし田舎で慣れ親しんだ環境を離れる事に抵抗があり、(日本でも珍しい話ではないと思うけど。)というか、夜行バスで7時間くらい掛けて標高5000メートル級の山々を揺られて行く様なところです。生活水準やスタイルもすぐ変えられるものではないはずです。そこでそのまま様子を見ることにしました。

初めて田舎を訪れたときは、ママのあまりの優しさと、質素ながらも笑顔の絶えない家族というのが印象で、病気の兄弟二人(・・の他にドイツに住む妹さんが一人。全員年上)も特別気になることなくリマに帰ったのを覚えています。そこから数年、年に2~3回程家を訪れ、連絡し合ったりしていたのですが2年前あたりから様子が変わってきたのです。まず、ママが白内障の手術で数週間こちらに滞在した後戻ると、妹さんが倒れたり、弟は一人にしておけない状況・・。それでも聞くところによれば大丈夫と言うことだったのです。

まず一番謎なのが義妹で、歩行困難や精神状態も良くなかった様子でしたが、病名すらわかりませんでした。田舎でしかもペルーの病院なんて信用できるものじゃあありません。(ペルーの医療機関やシステムはあまりに醜いので書き切れず。今後徐々に書いていこうと思います。クソです。)・・が、後からの話だと高齢のママが歩けない娘の付き添いで数日がかりで隣町の病院を行ったり来たりしているようでした。何らかの血液、弁膜の異常・・。と言うことしかわかりませんでした。

サンドロも電話が来てから急に田舎に戻ることも困難なので、常に連絡は取り合っていたのですが、ママが言うに知り合いや親戚に助けてもらいながら病院に行けているし心配はない、の一点張りだそうで・・。更には月一で得意料理など大量に作っては長距離バスの配達サービスで届けてくれていました。なので、もしかしたら心配掛けたくないのと、そこまで大事に至っていないのだろうというので、私達も続けて仕事やプロジェクトなどを進めていたのです。

そんな中、去年初めて2人で日本に滞在しながらワークショップやアトリエの紹介をするツアーを計画しました。その時点では心配だった彼らも調子が良いとの事だったので、一ヶ月滞在に伸ばして。手続きの大変な日本ビザの取得や商品の制作、プラン、準備で出発数週間前から睡眠がとれませんでした。そして出発の2日ほど前。準備もそこそこ、あまりに楽しみになりすぎて2人で浮かれているところに、ママから連絡があったのです。”ロシオ(義妹)がリマで入院することになった”との事でした。

日本へ出発の前日にママ達はリマに着き、アトリエに来ることになりました。2人を床に寝かせるわけもいかず、車いすが入れる近所のホテルを片っ端から探し、私達の出発当日に病院に運んだのです。薬の副作用で顔がぱんぱんになっていたロシオでしたが今に比べれば元気そうでした。しかし同様、後ろ髪引かれるというか、申し訳ないというか。本当に出発しても大丈夫か、とか。それでもママが後押ししてくれ、計画通り2人で日本に出発することができました。

・・・と、これが丁度去年の今頃日本に滞在していた頃の話です。ここから現在までの同居生活はあれやこれやありすぎて、文章にしてタイムラグを埋める作業は時間がかかりすぎます。大がかりな割に退屈で非合理的でもあります。

次回以降はこの続きと、介護、介助、リハビリや彼らの病気についてをメインに印象的な事を綴っていこうと思います。

最後まで呼んでいただきありがとうございます。



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