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虚実

その手は確かに
花びらを握っている

繊細で
やわらかい
その感覚こそが
真実 なのだろう

私は何に
突き動かされているのだろう?
あるいは、あの日から一歩も
前に進んでいないのかもしれない

愛し愛されることなんて、
当たり前だと思っていた

仕事とは何たるかを、
わかった気になっていた

栄光なんて、
とうに通り過ぎたと思っていた

目標を捉える目を
失ったとき
人は 突然
現在地がわからなくなる

せっかく
勇気を出して落ちようとしたのに
偶然手の中に収まり
涙する
その花びらのように

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