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サーモンよりピザ!? 物価が高いノルウェーでの留学生活

「noteでは、現地に暮らす人をインタビューする記事を増やしていくぞ!(知人はあまりいないけど)」。

そう思って、数日後。

まるで天からの贈り物のように、1人の大学生が私の前に立っていました。

出合いの場所は、カフェ・フグレン。音楽フェス「インフェルノ」の取材中、コーヒーを飲みに休憩していた時の出会いでした。

ありがとう、私たちを引き寄せてくれた、フグレンとブラックメタル。

渡辺六輝さんのノルウェーでの暮らし

立教大学、経営学部 国際経営学科3年生の渡辺六輝さん(21)は、オスロにあるBI大学に通う留学生。

ブログやSNSでも、ノルウェーでの情報発信を積極的にされています。

BI…!!

「BI で学んでいる」と聞いて、わくわくしてしまいました。

BIというのは、ノルウェー経営大学(BI Norwegian Business School)。

オスロ大学とは、対極的な位置にある「私立」大学です。

裕福層やエリートが通うとされる大学。

オスロ大学とBIの学生たちは、対照的。互いを、笑いのネタにしあっています(ノルウェーとスウェーデンのように)。

「私立・民間」に敏感!

ノルウェーのプライベート・アレルギー

ノルウェーは、公的機関という言葉が大好きな国。

私立や民間=「プライベート」というものを嫌がる「プライベート・アレルギー」が、国民の心に根付いています。

※「ノルウェー人のプライベート・アレルギー」は、筆者がこの現象に対して、勝手につけた名前です

「プライベートはよいか・悪いか」。

「プライベートというのは、一部の裕福層が、自分の財布を豊かにするための手段だ」。

筆者は政治家のこのような議論を、日頃から取材現場で見ているので、呆れています。

BIは、日本であれば慶応義塾大学のような存在。

ノルウェーでは、就職活動にはそこまで困らなさそう。恵まれた家庭の子どもが集まったネットワークがある場所ともいえます。

BI男子学生たちは、日本であれば、「慶応ボーイ」として、モテたのではないでしょうか。

BIは興味深い世界だなと、以前から関心がありました。

私立BIというブランド

「BIファッション」も、面白い。

オスロ大学とは明らかに違い、高そうな服を学生は着ています(H&M率、低そう)。男性は、髪にワックスちょっとつけすぎ。

ノルウェーの右派与党の各青年部を取材していると、BIとこれらの青年部のファッション、結構かぶっていることに気が付きました。


ノルウェー世間でのBIのイメージは、「お金がないと入れない大学」。そして、企業が欲しがる人材。

大学卒業後は、約6か月で、就職先を見つける学生が80%にも及ぶそうです(これはすごい数字)。


特殊な社会層が集まる大学。

今の友人ネットワークは、将来的には、ビジネスにも役立つ人脈ともなるのではないでしょうか。政治家になりたいなら、私立は避けたほうがいいかもしれないけれど(世間のプライベート・アレルギーがあるので)。

というのが、筆者個人の偏見が入った勝手なイメージ。もちろん、それが全部ではないし、そうではない人もいるでしょう。

いずれにせよ、オスロ大学とは、かなり違う世界観の大学であることは違いないです。

そんな、気になって気になって仕方がなかった、BIでの大学生ライフ。渡辺さんにお伺いしました…!

2017年8月、ノルウェーの秋学期(2学期制)から、交換留学生活が始まった渡辺さん。帰国予定は5月末だそうです。

ビジネス・コミュニケーション、サービス・マーケティング、グローバル・ストラテジーなど。プレゼン力やストラテジーを鍛える授業を、集中的に履修中(楽しそう!)。

ノルウェーに来た理由

北欧の福祉国家やビジネスについて興味があったという渡辺さん。ノルウェーと関りがある知人が多かったことも、きっかけになったそうです。

Text: Asaki Abumi

Photo provided by Daiki Watanabe

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