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【なぜアイドル声優やミュージシャンはメンタル的な不調になりやすいのか?】 エンタメ活動を続けていくことの難しさについて

こんにちは。演劇・エンタメ分野をビジネス視点で語るAsakawaです。

この分野で活動をする人達は体調を崩してしまい活動をしばらく休止します、というお知らせを聞くことはよくあることではないでしょうか?

特に最近はメンタル的な不調に陥りお休みする人も多くなっています。これはなにも芸術分野の人は繊細な人が多いからとかそれだけではなく、

著名人であるがゆえ大きく報道されるだけで、これに限らずどんな仕事をしている人でも同じような理由で体調を崩して働けなくなる人はいるでしょ、とも思う人もいるかもしれませんが、

いずれにせよこの分野で活動をすると決めた以上は例外なんてなく誰であれどの仕事よりも・・・、

大きなストレス、プレッシャーなど様々な不安や恐怖と付き合っていくことは避けられない宿命である、

というお話を今回はしたいと思います。

・どれだけ活動をしても経済的な安定が見えてこない


はい、まずはこれですよね。私もこれが望めないと判断して身を退きました。

他の職業であればどんなにきつくてもとりあえず生活できるだけの給料が毎月振り込まれるでしょうが、この世界だとその保障はありません。

最近、思うようになったのですが私は俳優・声優になれなかったからこの道を断念したのではなく、継続することができなかったから断念したんだな、と捉えるようになりました。

個人的には『俳優や声優になる』だけだったらそれ相応の努力をしているのであれば、そんなに難しくはないと思います。

この『なる』の定義を一度でも作品出演を果たして報酬を貰った、と定義すれば。

だけど、そこから毎週、毎月コンスタントにお仕事を得るのがとてつもなく難しい上に一回あたりの報酬も少ない場合も多いからやがてこんな調子で活動をしていてもエンタメ分野の仕事だけで食っていくことは無理そうだと悟って静かに身を退いていくんだと思います。

まだまだ新卒一括採用の風潮も強い日本で、そこからは外れて学校や養成所に高いお金を払って数年間通い、夢を追いかけたので今更ひくにひけないと思っている人もいることでしょう。

ひくも明るい未来があるとは思えないし、進んでも経済的安定を得るのは難しそうだ・・・、

こんな境遇になればそりゃあ精神的に参ってくるのも当然ですよね💦


そんな苦しい境遇も売れてしまえばおさらばだ!

そう、これは売れる前の下積み時期の話でひとたび売れてしまえば薔薇色の人生が待っている・・・!

これをモチベーションにして歯を食いしばって続けている人もいるでしょうが、残念ながらそれなりに売れたら売れたでやはり新たな厳しい現実が待っています。

そもそもニュースで報じられるような人はある程度の知名度がある=売れている人ですよね?

誰もが求めている境遇になっても場合によっては活動が困難になり立ち止まらずを得ない、それはなぜなのか?

それが・・・、

・こちらが脱落するか死ぬまで、過剰な競争を強いられる

からです。

まぁ、いまやどこの業種も競争が激化していますが。

もしかしたら中には一度でも脚光を浴びて有名になれた=その後は安泰だと捉えている節のある人がいるかもしれないと当時の自身の周りを見て感じましたし、まだ無知な私も思っていました。

が、それはどうやら大きな間違いでした。

確かに一気に注目を浴びるような存在になれば今までは待っていても来なかった仕事の依頼が舞い込んでいくるかもしれません。

しかしよく考えなくても、それがずっと続く保証なんてありませんよね?むしろいつかは途絶えていくだろうと考えるのが普通です。

エンタメ分野は特に流行り、そして廃れるスピードが昨今は昔と比べて異常に早くなっております。

去年はあれだけ流行っていたのにもう次のものに移行していたなんて茶飯事ですよね。

その一過性の流行りにさせないためにも自身はさらに実力を磨く、新たな魅力を開拓するために相当な努力や工夫をすることでありましょうが、

たとえあなたが必死に今後も起用してくれるように努力をしたところで毎年、新しいライバルが出現します。

この分野は憧れる人がとても多い、誰もがやりたがる分野になりますので、もちろん毎年やる気に満ちた若い人達が次々と参入してきます。

さらにその若い人達は今、売れている旬なタレントやアーティストに憧れてやって来ますので、言うなれば参考にしている、モデルにしている人のレベルは年々高くなっておりいきなりそれなりのパフォーマンスが出来る人が山のように現れていきます。

現代であればもう『情報格差』というものもちゃんと日々リサーチをしていれば無くなっているので、単純な知識・技術で明確な差をつけるのは難しくなっているのも大きな要因でしょう。

私が目指した声優業界も昔であれば、平成初期くらいであればまだ「上手いね」と言われていて現場で起用されていたであろう演技も、私が目指し始めた時期にはその、

上手いねと言われていた演技がこれからの志望者であればもう出来てしまえる人は珍しくない

カードゲームに例えるなら昔はレアだった性能が今は膨大にカードが増え続けノーマルカードでさえ高性能な能力が備わっており、もはやレアとは言えない性能に格下げされてしまったようなものですかね。

さらにはモデルやアイドル並みの容姿も求められるようになってきた、

そんな状態からスタートしてたかもなと今振り返って思います。現にネット上には無数のボイスサンプルが聴けるようになっていますが、どの方も表現は上手いし、いつの間にか可愛い、イケメンばかりになっていた、どなたもどこかで起用されていても別におかしいとは思わない人ばかりという印象があります。

こうなってくるとその平成初期の頃に活動していた声優さんは焦り始めることになります。自分が同じ歳の時には出来なかった演技が既に学校などで教えられる前から出来てしまえる人がいる、見た目も要求されているとなれば。

これは専門時代の講師の方から最初の授業で言われたことですが、

「私が3年かけて出来たことをあなたたちには一年で出来るようになってほしいですね。それだけの環境が与えられていますのであなた達はとても羨ましいです」

まさにその言葉通りに知識・技術の取得するスピードが早くなっている、それどころか教えられなくても、見てきた、聞いてきた優良サンプルのおかげでこのくらいならもう出来ると言うレベルはどんどん上がっていっています。

こうして無念にもまだそこまで競争が激しくなかったから入れた並み程度の実力しかなかった方々はその新しく来た気鋭の人達によって押し退けられるのです。

月日が経てば経つほど新しく入ってくるライバルは強力になっていく、その中で自分も技術の向上、知識のアップデートを怠らず生き残るために死に物狂いにならなければならい、

こんな日々が自分がギブアップするか死ぬまで続くってなったら、そりゃあ精神的にも参ってくるのは当然だとなるでしょう。

人間というのはご存知、基本は怠けたくなる生き物なのでこんな風に鍛錬を怠らない生活ができる時点で貴重な人材ですが、それをやって当たり前で求められるのがこの世界なのです。

これだったら就職して仕事ができなくてもそう簡単にクビにならず、経営方針とか考えず言われたことをこなしていれば給料が保障される仕事の方がいいかもしれないと思う人もいるかもしれません。

このサイクルを毎年のように繰り返した後になお生き残っている人というのは語弊を恐れず言うのであれば『化け物』です。

何かしらの他では代えのきかない魅力があるのでしょう。

そんな化け物しかいない世界で闘って行かなければいけないので、少しでも手を緩めたらあっという間に居場所が無くなってしまうかもしれない、

だから需要がある内にできる仕事は全てこなすような勢いで受けて、過労で倒れてしまいそうなスケジュールな人もたくさんいる、その無理が祟って体調を崩してしまうのでしょう。


楽しそう、こんな仕事で生きていけたら絶対に人生が充実するだろうな、

少なからずそれを期待してエンタメの世界に足を踏み入れたのであれば正直、この世界をビジネスとして足を踏みれるのはやめた方が賢明です💦

上記のような想いで演劇などのエンタメ活動をしたければむしろビジネス視点は外して、無理のない範囲で活動をした方が結果的に長く続けることが出来て、心も充実して人生にも彩りが添えられます。

その長く続けたことによって運良く将来有望なスタートアップ組織に巡り会えて、活動が思いかけず軌道に乗ったみたいなこともあり得るので、まずは無理なく長く続けらることを目標にするのもいいかもしれません。

↑この記事でも書きましたが目指すべきは、

あの人全然売れているようには見えないけど、なんであんなに長く演劇活動を続けてられているんだろう?」

確かにエンタメ部門は毎年赤字ですけど、別の事業など複数の収入源がありそちらで稼いでいるので生活費は稼げています!」

このような状態ではないでしょうか?

売れていない=貧乏で経済的不安を抱えているというイメージを払拭して、それを得るのは今ならやり方次第で可能であるとも訴えていきたいですね。

はっきり言って世の中のエンタメ作品の殆どはたとえ大企業が作って公開しても赤字です。

えっ赤字になるって分かってなんで作っているの?

と思われるかもしれませんが、その赤字分は別の事業やコンテンツの売り上げて補填しているからそれが可能なのです。

売れると分かっている作品ばかり出しても、いわゆる多様性が失われてコアなファンも満足しませんからね。

特に小説・漫画だとメジャーになることはないだろうが、好きな人はいるだろうという動機で出版されることはあります。

そんな風に大きな売り上げは見込めないけど、少なくても楽しんでくれている人がいるから続けている、必要な生活費は他の所で稼いでいるから大丈夫、そんな心持ちで活動ができればだいぶメンタルは楽になるはずです。

いきなり自分を崖っぷちに追い込まずに、売れることよりも長く継続することを念頭に、無理なく活動をする、

そんな選択肢もあっていいんじゃないかと私は考えて今日も発信をしております。

演劇を主に、そのほか広くエンタメ業界を目指す方々に新たな視点をご提供しているのが当noteになりますので是非他の記事も読んでみてくださいませ。

では今回は以上になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。


現在「自分のビジネス」を構築中なのでこれはためになったと感じてくれましたら是非サポートをお願いします!