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【投影まんが祭り】モハメド・アリをオスカルに、そして自身を投影した女たち

カウンセラーのたまご 朝比奈 卵です

夜中のリビングで
なんの気なしに流れ始めた
NHKのベルサイユのばら特集

あの絵の感じがどうも苦手で…
という浅はかな理由で
目を向けなかった自分を恥じたい

始めに少女マンガの古典
「リボンの騎士」(1953年)手塚治虫作
をご存知だろうか

主人公「サファイア姫」は
男女両方の心を持つ
両性具有の女王
しかし、跡継ぎとなるため
王子として生きる運命を背負う物語

すでに70年先の
現代を見据えていたかの
ような作品である

そして今から50年前の
1972年に誕生したマンガ
「ベルサイユのばら」

合計発行部数2000万部以上
世界10ヶ国以上で
翻訳されている作品である

当時の日本は
夫は外で働き、妻は家を守る
23歳の未婚女性は行き遅れと言われた時代

会社では寿退社が主流の女性達
その仕事はもっぱら
コピー取り、お茶汲み

そんな時代に誕生した
主人公オスカルは
男装の令嬢
(オスカルが女性
ということすら知らなかった私)

そのモデルは
「蝶のように舞い蜂のように刺す」
オリンピック金メダリスト
ボクシング世界ヘビー級チャンピオン

モハメド・アリだった

彼はボクサーとしての
名声を欲しいままにした
その直後
もうひとつの行動で
世界に衝撃を与えた
それは

”徴兵拒否”

当時泥沼化していた
ベトナム戦争に
アメリカ軍は徴兵を強いた

しかし世界最強の男
モハメド・アリは
断固拒否

「俺にベトナム人を殺す理由なんてない」

それは国家への反逆とみなされ
アリは無敗のまま
チャンピオンベルトを剥奪
更にボクサー資格も剥奪され

事実上、ボクサー人生は
断たれようとしていた

しかし、それでも屈しなかった
その行動が
ベトナム戦争反対運動の
大きな起爆剤となった

全てを犠牲にしても尚
信念を貫く
アリの不屈の精神が
作者、池田理代子氏の心を打ち
全てを主人公オスカルに
投影させたという

それは当時の日本社会にあって
自己実現を願う
女性達の心の奥底にある思いを
映し出す鏡となり
社会進出を目指す女性達の
ロールモデルとなっていった

更に重要な人物がもうひとり
オスカルを心から理解し、愛した男
アンドレ
こちらも当時斬新なほどの
新しい男性像を
提示していたという

もうお見事!
という他ない作品だったのである

オスカルは最後まで叫ぶ

”自由であるべきは
心のみにあらず!!”

”人間はその指先1本
髪の毛1本に至るまで
すべて平等であり
自由であるべきなのだ!”

アリの不屈の信念と行動を投影した
オスカルからのメッセージは

全ての人の心の
投影であると私は信じたい

~ベルサイユのばら~
カウンセラーのたまご
朝比奈 卵

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