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【エッセイ】置き場所

 日々のなかで身の置き場がなくなることが、よくある。
 ジグソーパズルみたいに自分の形をした空白があって、いつでもそこにピタリとハマることができたらいいのに。
 現実にはそんなスペースは存在しないから、一生懸命に無色透明な空気を装って、ときには息をひそめ、身を縮めて、目だけで辺りを探っている。この場から消えてしまいたいのに、身動きをとることができない。ひどく疲れる。
 片付けの初歩は物の置き場所を決めることだという。どうりでいろんなことがとっ散らかってるわけだ。自分の置き場所すら確保できていないのだから。
 私の場合は、物の前にまず自分の置き場所を決めなければならないらしい。みんなはいつの間にそんなの決めていたんだろう。
 心当たりもないのに、ごめんなさい、と言ってみる。



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