本所あさひ

本所あさひ

本所あさひ

本所あさひ

最近の記事

超絶ポジティブな母と、結婚式の衣装あわせに行った話

 先日、わたしのツイートがほんのりバズった。  内容はスクショのとおりで、それ以上でも以下でもないのだけど(結果的に、父が渡したかったのは呪いのビデオではありませんでした!ご心配おかけしてスミマセン!)、このやりとりでもっとも投げかけたかったのは、「なぜ母親の説明はこうも雑なのだろう?」というおかしみでした。  たとえば以前、母からこんなLINEが届いたこともある。  いや爺さんは呑むな。  ほんとうは、「爺さんの置き土産」という焼酎(めっちゃ美味い)を今から呑むよと

    • パーソナルカラー・骨格・顔タイプ、まるっと診断されてアガった話

      自分が何者なのか誰かに定めてほしい、みんな~~~~!!!! 自分のことを客観視できなさすぎて前世占いとか行ってしまう30歳OLのわたしが、頭の先からつま先までまるっと診断してもらった話を聞いてくれ~~~~!!!  ちなみにわたしの前世は北欧の村の地主の娘で、地下室で父親と星座の研究とかしてたらしい。いい前世かよ。 カラーサロンで戒名ゲット? 診断をうけたきっかけ。 そもそもなぜカラー診断を受けようと思ったのかというと、来年の春に結婚式をするのですが、 「結婚衣装を決め

      • 歯列矯正奮闘記 ~装着1年目のまとめ~

         2020年1月から歯列矯正の器具を装着して、もうすぐ1年が経ちます。  わたしの歯はずいぶんとやんちゃで、四方八方だいぶ好き勝手に生えまくっていました。生徒でたとえるなら、窓ガラス割りまくり非行はしりまくりの超不良生徒です。  そんな彼らもこの1年で、だいぶ丸くなってくれました。ある者は歯並びを整える隙間をつくるために抜歯され、この口内から卒業していきました。  良かったこともあれば、つらかったこともたくさんあった……。  そんなわけで、せっかくだからここらで、歯列

        • 本屋大賞「そして、バトンは渡された」(瀬尾まいこ)感想 巧みな構成で深く届けること

           瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」を今さらながら読んだ。2018年に刊行され、2019年に本屋大賞を受賞、それから2年以上経っているにもかかわらず、どの書店に行っても売上ランキング上位の棚に飾られ、平積みもされている。  そんな書店の光景がもはや当たり前のようになってしまっていたが、映画化されたのをきっかけに、あらためて気になって上位ランキングの棚に近づいてみた。  はじめてこの本を目にした時から不思議だった。表紙とタイトルを見ても、ストーリーがまったく想像できない

        超絶ポジティブな母と、結婚式の衣装あわせに行った話

          撃ったはずの犬(短編小説)

           新しい建物は、全面ガラス張りだった。  そのガラスは細かいひし形模様に凹凸ができていて、映ったものすべてを屈折させしまうから、前を通り過ぎるとき、いつも緊張感があった。  建物がつい2週間前に完成されたというのは、向かいのパン屋から聞いた話だ。毎日、通勤で駅に向かう途中の道沿いで、ずっと建設工事が行われていたはずなのに、その過程をまるで覚えていなかった。初めて建物を視界に入れたとき、わたしはどんな小さな音にもびくりと身体をこわばらせる犬みたいに立ち止まり、上から下まで眺め

          撃ったはずの犬(短編小説)

          データサイエンティストの夫が片付けコンシェルジュを家に招いた話

          「あなたの趣味は何ですか?」  そう訊かれた時、うちの夫はこう答える。 「家の中を便利にすることです」  データサイエンティストの夫は〝超〟がつくほどの効率厨で、暇さえあれば家の中をうろうろし、効率化できそうな場所がないかと探し求める人なのです。  たとえば、電源コードの配線。ズボラなわたしは、コードがいくら絡まっても気にしないし、ほどくのがめんどくさいのでそのままにしがちなのだけど、夫はそれを許さない。絶対に絡まらない配線を見つけることに心血を注いでいる。  ほか

          データサイエンティストの夫が片付けコンシェルジュを家に招いた話

          三島由紀夫賞受賞作「旅する練習」(乗代雄介)感想――なぜ「練習する旅」ではないのか?

           ここ1年ほど、決まったルートを散歩する習慣がついている。晴れた日の正午に1時間、家の近所を歩く。あたたかい陽ざしの降るなか、坂をのぼり、その途中にある古びた神社へ裏手から入り、神前で2拝2拍手すると、正門の鳥居をくぐり、石段をおりる。狭い路地に折れると、そこにはいつも猫が4,5匹のんびりとしている。  猫はずいぶん人に慣れていて、通行人があると「にあ」とか細い声で鳴き、足元にすり寄ってくる。たぶん、エサがもらえるとわかっているのだろう。あいにくエサは持ち歩いていないが、時

          三島由紀夫賞受賞作「旅する練習」(乗代雄介)感想――なぜ「練習する旅」ではないのか?

          フライパン・バドミントン(短編小説)

           自分、自分さあ。なんでいつもそんなにヘラヘラしてんの? いま、怒られとんねんで。ちゃんと、怒られとんねんで。「ええ、はあ、すんません」ちゃうねん。こんな企画やるなんて、聞いてないで。なんで上長の決裁通ってへんのに、勝手にはなし進めとんの? 先輩が良いって言うとったから? 人のせいにするんかいな。やっぱり自分の独断でやりました? さっきと言うてることちゃうやん。こっちはさ、別の案件も並行して進めとんのよ。自分ひとりだけでうちの仕事成り立ってへんから。どないすんの? ほんでなん

          フライパン・バドミントン(短編小説)

          ゲーム「ギフトピア」の思い出。警官ロボットを突っ切るのだ!

           今年の10月26日より、Nintendo Switch Onlineサービスに追加パックが出たのをご存じだろうか(PRではない)。  追加パックのサービスのひとつとして、ニンテンドー64のゲームソフトをSwitchでも遊ぶことができるようになったのだ。  64がヒットした当時、わたしは小学生で、テレビゲーム大好きっ子だった。とくにゼルダの伝説シリーズは夢中になってやりこんだ。ゼルダのダンジョンは、悩みに悩んだその先でパッと謎が解けた瞬間の、あの爽快感がたまらない。いまで

          ゲーム「ギフトピア」の思い出。警官ロボットを突っ切るのだ!