見出し画像

歯列矯正奮闘記 ~装着1年目のまとめ~

 2020年1月から歯列矯正の器具を装着して、もうすぐ1年が経ちます。

 わたしの歯はずいぶんとやんちゃで、四方八方だいぶ好き勝手に生えまくっていました。生徒でたとえるなら、窓ガラス割りまくり非行はしりまくりの超不良生徒です。

 そんな彼らもこの1年で、だいぶ丸くなってくれました。ある者は歯並びを整える隙間をつくるために抜歯され、この口内から卒業していきました。

 良かったこともあれば、つらかったこともたくさんあった……。

 そんなわけで、せっかくだからここらで、歯列矯正のメリット・デメリット、歯列のこれまでの変遷を記録しておこうかなと思います!

1.きっかけは、29歳、今さらになって永久歯が生えてきたこと。

 歯列矯正のきっかけは2019年の12月。ある日突然、生えそろっていたはずの右上の歯茎から歯が生えてきたのです。慌てて町の歯医者に行ったところ、右上の奥歯は実はまだ乳歯だったらしく、その乳歯の真後ろに重なるように、痺れをきらした永久歯が生えてきちゃったらしいのです。

 いや、まず29歳にもなってまだ乳歯残ってたのかよ。でもって永久歯もなんでこのタイミングで急に覚醒しちゃったんだよ。この世は謎めくことばかり。ま、いいか! 乳歯も永久歯もおれの仲間だ! みんなで仲良くやってこーぜ! と、ルフィのような広い心で、その時はその状態を受け入れました。いわゆる放置ってやつです。

 しかし、しばらくして右上の歯に激痛が走るように。再び歯医者をたずねたところ、重なるように生えている乳歯と永久歯の間が化膿して、乳歯が虫歯状態になってしまっていたのです。

右上の奥歯は上あごの骨と近く、町の歯医者さんでは抜歯が難しいとのこと。そこで、父の紹介の大学病院で、あらためて診てもらうことになりました。

2.大学歯科病院でCTI検査。大の大人たちが治療方針に頭をかかえるなか、歯列矯正を決意。

 そうして2020年あたま。都内の大学歯科病院でCTIを撮り、現状の歯並びなど一通り検査してもらいました。すると驚くべきことに、わたしの歯には、乳歯がまだ4本も生えていたことが発覚……。上の歯2本、下の歯2本。歯のモラトリアムすげーな。しかも下2本については乳歯に替わる永久歯が存在していないらしい。そんなことある????

 レントゲン写真を見た外科医たちは何やらひそひそと治療方針を話しはじめました。え、やだこわい。大の大人が立って集まるの怖いしおもしろいからやめて。ドキドキしながら待った結果、外科医たちに提案されたのは、2つの選択肢でした。

①虫歯になっている乳歯と永久歯を抜き、空いたところにインプラントを詰める or 入れ歯にする

②生えている乳歯をぜんぶ抜いて矯正する

 安価でかつなるべく早期に対処療法的に済ませるのであれば①の治療法。高価で時間はかかるものの将来を見据え根本から解決したいなら②の治療法になるとのこと。

 外科医はわたしに言いました。

「8020運動って知ってます?」

「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という、日本歯科医師会が推進する啓もう活動とのことで、それが達成できれば、一生涯満足な食生活を送ることができるのだとか。

「……ですが本所さん。あなたはこのままだとまず間違いなく、80歳までに20本残りません!!!!」

 セルフSEをつけるとしたら「ズギャ~~ン!」って感じの勢いで、外科医に宣告される。まだ年齢的にも矯正は十分可能だし、できればというか絶対的に矯正したほうがいいと、外科医には矯正を強くおすすめされました。

 まあ、昔からずっと歯を出して笑えないコンプレックスもあったし、顎関節症にも悩まされてきた。一生モノのことだし、コロナもあってマスクで顔半分はほとんど隠れている昨今の状況も変な意味で追い風となり、矯正を決意。その後すぐ、虫歯になっていた乳歯だけ先に抜歯しました。

3.治療方針検討のためさらなる検査。自分の頭蓋骨と初対面する。

 2020年5月。矯正を決意した後、まずは今後の治療方針を決めるため、さらに詳しく3Dスキャンでわたしの顔から上を全撮影。歯型も取ったりしました。

 検査後は担当医がついてくださり、検査結果をもとに治療方針を説明してくれる場がセットされます。

 以下が、そこで見せてもらったわたしの頭蓋骨写真。※閲覧注意

画像1
29歳のわたし(頭蓋骨バージョン)

わ、わらってる……?
 人生で自分の頭蓋骨見れる機会って、きっとあまりないだろうからそれだけで貴重な体験。ついでに横顔バージョンもどうぞ。

画像2
29歳のわたし(頭蓋骨横からバージョン)

 さらに、顔の各骨の位置などを数値化し、グラフ座標に落とした資料も見せてもらう。数値の点をそれぞれ線で結んだものがこちら。

横顔グラフ

 横顔っぽくなっているの、おわかりいただけるだろうか……?

横顔グラフ_2

 赤い線がわたしの輪郭で、青い線が女性の輪郭の平均値を位置づけているのだそう。矯正することで前歯が引っ込み、鼻の下が横から見て今よりもすっきりするらしい。

「今よりも横顔がきれいになれますよ!!よかったですね!!!」

 と担当医さんはわたしに期待を持たせてくださったのだが、いや、そんなことよりも、わたしの鼻、低すぎでは????

横顔グラフ_3

 平均値との乖離がやばい。もはや歯列矯正で鼻の下ちょっとへこますより、整形して鼻高くした方が早いんじゃないかとすら思う。

 それからしばらく、コロナの緊急事態宣言が発令され病院も一時閉めざるを得ず、治療は中断に。。。 8月に治療が再開され、まずは奥歯に輪ゴムをかけて隙間を作るところから始まりました。

4.歯を動かす隙間を作るため、抜歯。ドライソケットで死ぬ思いをする。

 そして2020年11月。いよいよ本格的に歯を動かしていくためのすき間を作るべく、残りの乳歯を抜歯しました。大学歯科病院では、歯列矯正科と抜歯を受け持つ外科とでは担当医が異なっており、科どうしの連携にも時間がかかるし、外科の抜歯予約じたいもいっぱいでなかなか日程が調整できなかったため、抜歯は腕利きの町の歯科医でお願いしました。

 が、しかし、そこで大惨事が起こります。この頃、ちょうど転職活動をして新しい会社に転職したばかりだったわたしは、仕事がてんやわんやで、ろくに食事らしい食事もせず、抜歯後の経過観察&消毒のための病院に行かずにバタバタとすごしていました。すると、しばらくしてまたしても歯に激痛が……。もう、虫歯なんて比べ物にならないくらいの痛みでした。もんどりうつレベル。会社を急きょ休んで慌てて歯医者に駆け込んだところ、ドライソケットになっていたのでした。

 ドライソケットとはなんぞや? 通常、抜歯をすると、抜いた箇所にできた穴に血がたまって集まり固まり(血餅というらしい)、それが徐々に歯茎になって穴をふさいでいくらしいのですが、栄養不足で血餅がうまく作れなかったり、下手なものを食べて血餅に負荷をかけ破ってしまったりすると、抜歯の穴がふさがらず、穴から顎の骨が丸見えになってしまい、その骨にちょっとでも空気が触れると激痛が走るという恐ろしい症状なのです。

 町の歯医者さんではドライソケットの治療はできないということで、これまた別の企業立病院の歯科にお世話になり、綿を詰めてもらいながら治療をしました……。

 みなさま、抜歯後はくれぐれも安静にしてください。そして、抜歯は自分の健康状態が良い時にしてください。抜歯も立派な手術です!いやまじで!抜歯のご利用は計画的に……!(?)

5.いよいよワイヤー装着。一番かたくて一番うまい醤油せんべいを食べた結果、さっそく器具を破損する。

 2020年12月。ドライソケットとの戦いを経て、いよいよ、いよいよ上の歯に器具を装着……! 器具ってどんなやつやねん、と思いの方がいらっしゃったら、ぜひ「踊る大捜査線 小泉今日子」「YUKI 矯正」とかで調べてみてください(事例が古い)。

 器具をつけるにあたり、担当医さんには、ガムと硬い食べ物は絶対食べないようにと言われていました。ガムを食べると器具に粘着してしまい取れなくなってしまうし、硬いものについては噛んだ衝撃に耐えられず器具が壊れてしまうから。

 ……にもかかわらず、「ちょっとぐらいいいだろ」と自分に甘いわたしは、「亀田製菓 技のこだ割り」という、せんべいのなかでも一番かたくて一番しょっぱくて一番美味いだろと思っているあのせんべいを勢いよくかじってしまいました。その結果、奥歯に装着した金属質のリング状の装置が真っ二つに割れました。しかも割ってしまったのが年末だったため、病院がやっておらず、年明けに予約を入れるまでの間、壊れた器具をつけていなきゃいけないのがつらいことこの上なかった。口内に器具が刺さって口内炎がいっそう増えたり、食べ物がからまって掃除に苦労したり……。最悪な大晦日だったので、みなさま、矯正中は絶対に、硬いものを食べないでください。

6.結果どれくらい動いたの? よかったこととつらかったこと。

 そして2021年1月から今日にいたるまで、月に一度歯医者に通い、ワイヤーを調整を行う日々を送っております。

 はじめは上の歯だけにワイヤーを装着。歯の前後を動かすことで表面のでこぼこを滑らかにしていきました。上の歯の八重歯がおさまってきてから、今度は下の歯にも装着しました。

で、結局どれくらい動いたの? って話ですよね。以下に経過写真を貼っておきますが、べろっと歯の写真なので一応閲覧ご注意を……!

矯正前
上の歯のみ装着後
下の歯も装着後
現在

 お分かりの通り、1年でだいぶ変わりました……! まず半年で上の歯だけ動かしていたのですが、それだけでもずいぶん動きました。顔の印象もかなり変わった気がします。

 以下、やりはじめてよかったことと、つらかったことをまとめます。

よかったこと
・歯を出して笑えるようになってきた。

⇒これはなによりうれしい! 来年結婚式を挙げることもあり、その前にコンプレックスを克服できるのもありがたいです。

・胃痛が減った。
⇒前までは、歯並びが悪すぎてうまく食べ物をかめなかったせいか、胃の消化が悪くてすぐ胃痛を起こしていたのですが、それが減ったような気がします。

・顎関節症が軽減された。
⇒顔の輪郭もけっこう変わってきていて、これまではちょっと口を大きく開けようとしただけで、顎がガックン!とずれていたかったのですが、それがなくなりました!

つらかったこと
・月に1度歯医者へ通わなければならない。
⇒めんどくさいです。あと毎回通うたびに受診料として3000円くらいかかってます。

・ワイヤーを調整してから2,3日~1週間程度、頭痛がする。
⇒これはわたしだけかもしれませんが、すごく頭が痛くなって、その間は考え事をしたり物を書いたりすることができなくなりました。

・ワイヤーを変えてから2,3日~1週間程度、歯ももちろん痛い。
⇒かたいせんべいのみならず、やわらかいものでも噛むのがつらいです。

・食べ物がぜんぶ矯正器具の上に乗っかる。
⇒ぜんぶのせです。なので歯ブラシがとってもめんどうくさい!! 2週間に1回は歯ブラシを変えています。あと、矯正用歯ブラシというのがありまして、細めのやつと太めのやつの2本使いをしています。

・治療費は100万円。血の涙が出ますね。
最近では、もっと安価で着脱可能な矯正というのもあるみたいですね! 歯並びの悪さが軽度なひとであれば、それでもいいと思います。わたしの場合はひどすぎるのでそれだと治らないと言われたのでできませんでした……。

 わたしの場合、あと2年完成までにかかると言われています。また大きな動きがあったら都度、経過記録を残していこうかと思います~!


この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?