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私の「棚卸し」②-留学するぞ!

前回「棚卸し」①からの続き。

自分自身を徹底して見つめなおすのは、決して楽な作業ではありません。

認めなくない自分自身を直視し、思い出しくない過去を反芻。苦手なこと、いやなことは誰だって避けて通りたい…

でも、ひたすら地道にその作業を繰り返し、自分にとって余分なことをそぎ落とし、一方で絶対に残したいものを確認することを続けました。そうしなければ、死ぬ間際に「あれもできなかった!」「これもやりたかった!」と身もだえして悔しがり、死にきれないな…と思ったからです。

そうして導き出した、私の「アイデンティティ」とは。

「私は、未知との出会いが好き」だ。「知らなかった人や土地、知識、さまざまな新しいものとの出会いが自分を作り上げ、広げてきた」のだ、と再確認しました。
さらに、「新しいものには自分の目で見て、足で訪れ、会話を交わすなど、自らの五感で感じたい」というこだわりがあることにも行き当たりました。

よく、「専門性を持て」とか「得意なことを1つに絞れ」とか言われますよね。私も小さなころからずっと言われてきましたが、まったく1つには絞れず。さらに、なぜそれを強要されるのか、どうしても解せませんでした。

だって、興味をひかれるものはたくさんあり過ぎて、1つに絞れない!世の中に未知のものはたくさんあるし、それらに同時に興味を持つことがなぜいけないのだろう?知れば知るほど、まだまだ知らないことがあるということがわかり、さらに興味の対象は広がるばかり。

幅広いことに好奇心を持つのは決して、悪いことじゃない。

たとえ、周囲からはそれらが支離滅裂に見えたとしても、私の中では一本筋が通っているのだ。「私が、これを好き!」という一本の軸で。

年齢を重ねた今、自信を持ってこう言えるなあ、と思います。そのように幅広い分野に興味を持ち、自分の触手を広げてきたことそのものが、私を助けてくれた、と。一見、何の関連もない他分野に知り合いがいたことでここぞというときに助けになってくれたり、意外な分野での経験や知識があったことでお楽しみが広がったり。

それはやはり今まで好奇心が赴くままに、学んだり出会いを求めたりした結果だと思うのです。さらに、自ら動き、時間もエネルギーも費やしたからこそ、積み重ねてきたことに説得力も増すのでは、とも推測しています。

それが自分のアイデンティティだ。

でも病気のせいで、将来的にはそんな日々にも制約がかかるかもしれない。

ライフシフトを模索した大きなきっかけの1つは、自分の病気です。だからこそ、病気には感謝もしているのです。自分の人生を見つめなおし、本当にやりたいことを洗い出して優先順位をつけ、実行する勇気をくれたから。

こんな機会がなければ、「この年齢ではこんな肩書についてるのが当たり前だから」「この年齢では転職するのも難しく、今の会社にいるほうが安定するから」といった”常識”や”前例”にとらわれ、本当にやりたいことを後回しにしていたかも。結果、のちに身もだえしながら後悔するということになっていたかもしれません。

もしかしたら治療もずっと継続しなきゃいけないかもしれない。元気に海外に行けるような体力や環境ではないかもしれない。

そんな将来がありうるということも含めて、純粋に自分自身がやりたいことを、体力や時間軸、資金面といった条件も含めて洗い出しました。

そして、決めました。

「海外留学するぞ!」

え?突然??笑 



海外に住むのは子供のころからの夢でした。高校時代にも一度、米国に留学したことがあり、その時感じた解放感、楽しさは忘れられないのです。もちろん、苦労も辛さもそれ以上にあったけれど。そして、高校時代よりはるかに大人になった今、別の苦労や辛さがあるということもわかっているけど。

やりたいことは他にもいくつもありましたが、その中で一番エネルギー(心身ともに)が必要なのが海外移住でした。

今後、病状が進行したら、もう着手するのは難しいかもしれない。そんな風に考えて、これを最優先で実現することを考えました。


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