朝に生まれました。読んだ漫画のこと、すきな小説のこと、とるにたらない日常をわすれないた…

朝に生まれました。読んだ漫画のこと、すきな小説のこと、とるにたらない日常をわすれないためにここに記録をのこそうと思います。

最近の記事

毎日コンビニのパンを食べて生きている

2年ぶりの更新です。こんにちは。 この2年間、うまく生きられない自分がいやでそれなりに死にたくなったり、ある晴れた日にとつぜんもう死んでしまおうと思ったりして、でもぜんぜん死ねなくて、はたから見たらなんてことのない平凡な毎日を生きていた。本を読むこともあったけど、心が疲弊しているからかそれは「読んだ」という事実以上にはなりえなかった。かつて私は、本を開けば見たことのない土地に遊びに行けたし、この世には存在しない動物の毛並みをなでたこともあった。でも、しばらくはただ文字を追う

    • イトイ圭「花と頬」/人生が交差するとき

      2019年10月に発売、遅ればせながらその年の年末に手に取った。1年を経て、いまごろ感想を書こうかと思っている(書き途中の原稿が下書きに残っていたのを、ちょうどいま思い出しただけ)。 バンド「花と頬」のメンバーを父に持つ高校生の頬子と、福岡から引っ越してきた八尋の物語。高校生の純な恋愛を余白たっぷりに描く、いわゆるガールミーツボーイ。 ものすごい作品だった。 作者が各所で言っているように物語に起伏もあまりないし、なにより言葉がすくない。息を飲むような展開は用意されていな

      • かんぺきな綻び/売野機子「かんぺきな街」

        売野機子とは全く関係ないのだけれど、私は村上春樹の小説に出てくる「おれが考えた最強のメンヘラ」系の人物がとても好きだ。「ノルウェイの森」の主人公や「海辺のカフカ」の田村カフカくんなり、彼の作品に登場する男はおおよそ良い意味で狂っている。日頃からかれらと触れ合いたいとは思わないが、ある一定層にとってはクセになる「やばさ」を持っていると思う。たまらない。 売野機子の作品にも、どことなくこの「やばさ」が漂っていると思う。 売野機子の作品は、兎にも角にもやばい。とくにこの「かんぺ

        • 愛すること、愛し続けること/市川拓司「そのときは彼によろしく」

          「そのときは彼によろしく」 たしか、小学生か中学生になりたての頃、実家の箪笥の上に雑然と件の文庫本が置いてあった。うちではそういうことが多々あった。パソコンの横とか、テレビ台の下とか、トロンボーンケースの上とか。いわゆる大衆小説が好きだった父の影響で、私も幼い頃からそれらを拾い読みしていた。スカイブルーの表紙(たぶん海か空)に、ポツリと浮かぶ白い犬(トラッシュなのだろうか)。どういうお話なのだろう、と思って手に取った覚えがある。 「とても素敵な話だけど、たぶん私にはまだ早

        毎日コンビニのパンを食べて生きている

        • イトイ圭「花と頬」/人生が交差するとき

        • かんぺきな綻び/売野機子「かんぺきな街」

        • 愛すること、愛し続けること/市川拓司「そのときは彼によろしく」

          愛を信じるということ/売野機子「ルポルタージュ 追悼記事」

          「恋愛」って不思議な言葉だ。 恋と愛はぜんぜん別のものなのに、どうして一緒くたにされてしまっているのだろうか。 金曜日の真夜中、ふらつく体とシャットダウン寸前の頭で「ルポルタージュ 追悼記事」の発売日を思い出した。渋谷のTSUTAYAは便利だ、深夜でもやっているのだから。帰りしな、電車の中で、衝動を抑えきれずにビニールカバーを外した。講談社のカバーは密着性があるので外しづらい。勢い余って、隣に座る人に肘を当ててしまった(ごめんなさい)。そのまま、終電近くの電車に揺られなが

          愛を信じるということ/売野機子「ルポルタージュ 追悼記事」

          たくさんの好きとたくさんの嫌い/ヤマシタトモコ「Love,Hate,Love.」

          つい先日のこと。とても大好きだった人が、ふと呟いた。 「好きな人と一緒に住みたい」 どうして?と尋ねると、その人はこう言った。 「洗濯物の畳み方が僕と違ったりするかもしれない。そんな些細な発見で笑いあったり。僕が知りたいのは、そういうことなんだよ」 私は人と住むのが苦手だ。生まれた時から一緒に住んでいる家族ですら(家族だから、という乱暴なくくりは嫌いだし、家族だからと言ってなんでも許されるわけではないが)厳しかった。一人を愛し、これからも命ある限り一人で生きていくのだ

          たくさんの好きとたくさんの嫌い/ヤマシタトモコ「Love,Hate,Love.」

          「BL」という偏見はもうじきなくなる/キヅナツキ「ギヴン」

          ボーイズラブ、略してBL。 その言葉の意味を考え続けて幾千年…(うそですたぶん3年くらいです) 元々の言葉の意味は、Wikipediaだったりいろんなところで言われているものだったと思う。(以下Wikipediaより引用) ボーイズラブ(和製英語)とは、日本における男性(少年)同士の同性愛を題材とした小説や漫画などのジャンルのことで、1990年代中盤〜後半に使われるようになった言葉である。 BLとはつまるところ、男性同士の恋愛を描いた作品のこと。 まず大前提として。

          「BL」という偏見はもうじきなくなる/キヅナツキ「ギヴン」

          日常、日常、日常/紀伊カンナ「魔法が使えなくても」

          かれらの日常は、どうしてこんなにも愛しいのだろう。 紀伊カンナ先生の「魔法が使えなくても」。手に取ったきっかけは本屋さんでもなく、とある音楽雑誌の巻末に掲載されているエディターによるレビュー。 なんかいいな。 そう思って購入した。直感と、少しの時間とお金と、行動力。当時の自分には、それらがぜんぶ揃っていたらしい。ちなみに、作者のことはおろか、FEEL YOUNGで連載されていたこともまったく知らなかった。 金なし、恋人なし、夢なしのアニメーターの岸くん。バンドマンと同

          日常、日常、日常/紀伊カンナ「魔法が使えなくても」

          たとえ違う国の住人だとしても/ヤマシタトモコ「違国日記」

          私は何者で、何になりたいのだろう。 愛されることと、愛すこと、一体私は何を望んでいるのだろう。 「違国日記」を読むと、そういう不思議な感慨というか、そこはかとない恐怖というか、いろんな感情が迫ってくる。 35歳の少女小説家と、交通事故で急逝した姉の遺児15歳の姪との交流を描いた作品。 アラサー小説家槙生は超絶人嫌いの一匹狼。一方、姪の朝は、人に好かれることに衒いがない、まるで子犬のような子ども。 突然始まった2人暮らしに、狼は迷い、戸惑う。新しい環境に慣れたと思っ

          たとえ違う国の住人だとしても/ヤマシタトモコ「違国日記」

          はじめまして。 犬か猫か選べと言われたら猫になりたいです。 そう、スピッツのあの曲です。 うどんかそばかと迫られたら、うどん時々チキンラーメンです。 よろしくお願いします。

          はじめまして。 犬か猫か選べと言われたら猫になりたいです。 そう、スピッツのあの曲です。 うどんかそばかと迫られたら、うどん時々チキンラーメンです。 よろしくお願いします。