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制作と考察

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絵画の制作記録と反省
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空間と作品を同等にする方法について

 本日より東京五美術大学(多摩美術大学・女子美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部・武蔵野美術大学)卒業・修了制作展が国立新美術館にて開催される。私が所属する武蔵野美術大学日本画学科からは通常の絵画作品に加えて、立体作品の出品も目立っていた。立体作品の出品は伝統的には油絵学科の方が多く、今年は例年に比べ日本画学科の立体作品に勢いを感じた。
 しかし日本画学科の展示スペースは絵画向けに幅が狭い空間

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研究計画書2022

 以下は私(アルト・クサカベ)が武蔵野美術大学大学院日本画コース、修士1年の際に研究室宛に課題として提出した研究計画書である。記録のためここに内容を添付する。

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2022年1月
『大学院生研究計画書』

【学部までの研究内容】
半立体の絵画と平面絵画の二つを大きなテーマとして制作した。 半立体の絵画に

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起伏絵画2ー制作記録

起伏絵画2ー制作記録

 幅2700mm 高さ1800mmの段ボールをベースに切り取った段ボールを重ねてゆき、起伏をつくった。四隅が比較的飛び出る構成はくしゃくしゃにした紙の形を参考にしている。それ以外の起伏の形状や位置についてはは計画性もなければモチーフもなく、ただ段ボールを適当に切ってその配置を考え貼り付けては、また次に足すものを考えるといったことを繰り返していった。

 この段ボールの重なりによってできる段々は

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起伏絵画1ー制作意図

2022.1.22

絵画とは何か。その定義を探った時に、「平らな面に描くもの」という答え方がある。紙もキャンバスもどれも平らであるし、そうでないと絵は描けないようにも思える。実際に辞書を引けば「平面の芸術」と定義されていたりする。
 人類の絵画史は平らな面(支持体)の上に絵が成り立つことが基本にあった。岩壁をならし、漆喰を塗った古代エジプトに始まり、木板、紙、キャンバスと描きやすく見やすい支持

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