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教員採用試験 集団面接(集団討論)対策⑤

 教員採用試験集団面接(集団討論)の対策です。

集団面接(集団討論)は早めからの対策をお勧めしています。理由は別の記事にまとめましたのでそちらをご覧ください。


各自治体によっては集団面接(集団討論)の対策は変ってくると思いますが、少しでも参考になればと思います。


1.テーマ

安心・安全な学校にしていくために必要なことは何ですか?

 

 よく安心・安全な学校を作るという話は現場でも出てきます。これは、障害のある児童生徒に対しても、通常の生徒にとっても色々な意味での安心・安全な学校を作っていくことが教育には必要だからです。

 今の時代新型コロナウイルスのこともあり、より一層の安心・安全が求められるのではないかと思います。

 では、安心・安全な学校とは何なのでしょうか?また、安心な学校や安全な学校ではなく、”安心・安全な学校”となっている意味は何なのでしょうか?安心と安全は何がどのように意味の違いがあるのでしょうか?ここまで考えていくと集団討論のときに話の本質が見え、討論する人たちにとっても方向性がはっきりとしてくるので話しやすく、まとまりがいい集団討論になってきます。

 是非、テーマの意味を理解し、どんな構想を持って話し合いをしていこうか瞬時に考えられる思考を身につけられるといいと思います。必ず集団討論のなかであなたが光って見えます。


2.全体像

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3.解説

 そもそも、安心・安全とは何か考えることが大切であると思います。あたり前のように安心と安全はセットになりがちですが、そこには大きな違いがあることを知らなければなりません。

 文部科学省の資料によると安心と安全の定義は以下の図のようになっています。

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 つまり、安心な学校を目指すことと、安全な学校を目指すことは大きく意味が異なってくるということです。

 安心は、安全と信頼が合わさって初めて得ることができるものであるということです。言われてみれば確かにその通りではないでしょうか?いくら安全な環境を整えたと言われても信頼できなければ安心はできませんよね?

 安心な学校を作っていくためには安全と安心を獲得していくことが必要になってくるということです。

 このことを念頭に話しておくと話の内容が精査せれ、内容の濃い討論にすることができます。


 では、構造図の解説に移ります。

 今回は、安心・安全な学校がテーマでした。先ほども述べたように、安心は安全と信頼の上で成り立っているものなので、安心な学校にするために何をするか考えてしまうと論点が定まりません。したがって、今回は、安全な環境について焦点化し、安全な環境を作るためにどんなことができるのかをまとめることにしました。実際の集団面接のときに、「安心=安全+信頼だから今回は信頼される学校のために何ができるのかを話し合おう」としてもいいと思います。とにかくテーマの言葉についてきちんと根拠をもとに構造的な話し合いができるのかが大切になってきます。

 まず、学校としてできることですが、学校では教室の環境を整えることで児童生徒が落ち着いた生活を送ることができます。カバンなどの紐がロッカーの外に出ていないことや、机列が整っていること、教室に置いてあるファイルや教科書・本などが整頓されていることなどです。まずは児童生徒が目に触れる環境を整えてあげることが大切です。また、児童生徒が自分自身で自分の身を守ることができるような指導をすることも大切です。例えば子ども110番の家に駆け込むことや防犯ブザーの使い方の確認など防犯対策をすることも安全のために必要なことだと考えます。この他にも、教室内での過ごし方のルールや学校備品の管理・点検、AEDの使い方確認、不審者対策、SNSの使い方指導、学校として問題が起きたときのマニュアル作成など多くのことがあります。この中の数個を具体例や自分の体験を交えながら話すことができればいいと思います。

 また、家庭(保護者)にも学校から安全に過ごすための協力を要請することが必要です。ここ最近では小学生や中学生のスマホ普及率は上昇しています。中学生の所有率はなんと65%となっています(NTTドコモモバイル社会研究所, 2019)。つまり、SNSでやりとりをしている児童生徒はどんどん増えていっているということです。だからこそ、学校では目の行き届かない家庭でのスマホの使い方などの指導は協力してもらわなければなりません。スマホを使っていろいろな情報を得ることはいいですが、それには危険な面もあります。情報発信のデメリットなどもぜひ、家庭での教育として行ってもらいたいです。SNSのトラブルがない環境を作ることも安全な環境を作ることになると思います。

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 さいごに、地域の方にも協力してもらうことが必要です。登下校中の指導は完璧に学校ができるものではありません。また、児童生徒を学校だけで見守っていくことも現実的に不可能です。たくさんの目で児童生徒を見守る環境を作っていくことで、児童生徒の安全な登下校の環境を作ることができます。自分の地域には子ども110番の家の旗が玄関前に立っている家が多くありました。自分は利用したことはありませんが、実際に「ただいまー!」とその旗の家に入ることで不審者から逃げることができた小学生の児童の話を聞いたことがあります(実例)。そうやって地域で見守る雰囲気を作ることも安全な環境を作る上で必要なことになってきます。


 安全な学校にするために、担任ができること・学校としてできること・学校設備という3点で話し合いを進めてもいいかもしれません。

 

 今回意識していただきたかったことは、テーマの意味をよく考えることです。鵜呑みにするのでなく、そのテーマで何を聞いているのか、みんなはどう解釈しているのか、文部科学省の解釈とは異なっていないかなど考える必要があります。

 安心は安全+信頼なんてこと自分も勉強するまで知りませんでした。集団討論の練習で先輩にそのことを言われたときは絶望しました。でもそれだけ印象に残っています。この記事を読んでくださった方は是非覚えておくと役に立つかもしれません。


 集団面接でこんな内容について考えたい、今回の内容についての質問・感想などありましたらコメントなどに書き込んでいただけると嬉しいです。






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