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【中学校理科】 単元を貫く課題づくり&授業づくり

 中学校や小学校、高校で一番時間を割いているのが授業であり、教師の多くな役割の一つでもある。来年度から中学校では新学習指導要領に完全移行となるということで、昨年度の1年生から移行措置がとられている。

 主体的で対話的な深い学びをしていくことが授業で求められるということは、従来の教え込みでもダメだし、ちょっとした活動があればいいという考えでもダメということになる。また、ICTの活用も目的ではなく手段として、生徒の学習効果がICTを使った方が高まるようであれば積極的に活用する。生徒が自分たちで考え、議論したいのであればその場を提供するような自由な授業になっていかなくてはならない。つまり、教師は教える立場から、舵を取ってあげるだけのコーディネーター的なポジションにいるだけで生徒が学んでいく授業が理求められるのではないかと思う。

 正直、学力の差が激しい学校では学力の低い生徒がついてこれなくなってしまうので、個別の対応は今以上に求められると思う。ただし、その対応が教師がやるのではなく、生徒が担うかもしれないし、タブレット端末などでの反復学習を行うようにすれば教師は個別の対応もきめ細やかにすることができる。


 現状いきなりそのような理想までいくのは難しい。自分の授業の中だけでも、ちょっとした工夫で学びかたの変容をしていき、生徒に定着させ学び方の多様化を目指していきたいと考えている。そのためにも課題の設定や教材研究などに時間をかけ、自分も生徒も見通しを持てる授業展開を心がけている。


1.授業の構想

 はじめに、大切なのは教科書にとらわれないこと。基本教科書を授業中も使わないし、見ない。あくまでツールとしか思っていないので。これが自分の中の大前提。


 大きな章ごとに構想を考えようとするとあまりにも長期的で構想がしにくいので、小単元ごとに1つの大きなテーマ(課題)を決める。(本当は章ごとにできるといいと思いますが、、、)

 テーマ(課題)の決め方もやり方はたくさんあると思う。たとえば、ものから考えていく場合と理論から考えていく場合。

 ものから考えていく場合であると、日常生活に直結したものを扱うことができるので、生活経験を生かした課題に設定しやすい。たとえば、ICカードよく使うけど、その仕組みってどーなっているのかな?などから発想し、電磁誘導や誘導電流、コイルなどと絡めながら仕組みを説明できるようにしていこうなど。

 理論から考えていくのであれば、学習指導要領解説などの抑えるべきポイントから発想していく。教科書の内容をやらないといけないというが、それは目的と手段をはき違えている人である。あくまで基準は何かと聞かれれば、学習指導要領である。だから普段の授業では学習指導要領にかかれている抑えなければならないポイントだけをきちんと押さえればOKなのだ。それ以上の知識などがテストに出ることももちろんあるが、点数を取らせることが教師の授業をやる目的ではないことを理解しなければならない。塾などの指導と戦う必要がない。

 ※目的と手段については以下の記事にまとめました。


2.自分の面白いと思った内容でまず試してみる

 授業をする中で一番大切にしているのは、その授業をやることで自分が楽しか?という判断の基準を持っている。ICカードの仕組みを考える授業では、かざすだけで電気を流すことができる装置を自分で作れるか、また生徒でも作ることができるのか試したいという思いから考えたのだ。日常生活に直結している科目だからこそ、日常のあたり前を題材に取り上げることができる。そのあたり前に使っている製品などの仕組みを明らかにすることの楽しさを自分も味わいたいし、生徒にも味あわせてあげたい。そんな思いで授業を創る。

 カイロの授業案も同じ。なんで炭が入っているのかを理論上知っていても実際に試したことはない。じゃあ、それを授業の中で生徒と一緒に確かめていけたらいいなと。


 日常の面白いと思う現象や製品を調べ、その中で中学校理科の内容で制つめいができそうなものを選択し、大きなテーマ(課題)として設定する。単純に自分がワクワク楽しく授業で生徒が得た結果や考察を聞けたら、授業が楽しくなるし、仕事のモティベーションにもなる。しかも、生徒のよさや頑張りを見つける時間だってある。きめ細やか指導もできる。だからこそ、そんな授業づくりをしていくことを大切にしている。


3.自分の学校の生徒の実態に合わせることが大切

 どんなに面白い教材を創っても、授業が成り立たないような学校では難しいことは理解しないといけない。生徒が主体的に実験していくだけではなく、教師が誘導してあげることも必要な場合もある。

 目の前の生徒の実態に合わせられない授業は価値がないと思う。生徒の学力が低いのにもかかわらずいきなり発展的な内容をやるなら、確実に信頼関係は崩れてしまうだろう。スモールステップを用意し、丁寧に確認してやっと発展的な内容に到達することができるような手順を考えなくてはならない。学力がある程度あるのであれば、完全にお任せ状態でもいい。その方が見方考え方を働かせるし、いろいろな視点から切り込んでくるのを見るのはとても面白い。ただ、まとめるのが難しくなるが、、、(笑)



4.まとめ

自分が授業を創るときのポイントは

① 学習指導要領の抑えないといけないポイントだけは最低限抑え、後は自由に構想する。

② 教科書にとらわれない。

③ 自分の面白いと思ったことを教材にする。

④ 児童生徒の実態に合わせた指導計画を作成する。

です。


 なかなか具体的な案を出せなくて申し訳ないですが、これからも小単元ごとの授業構想などをまとめていきますのでそちらをご覧ください。


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