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【ジョジョの奇妙な原曲集①】ノリのよい曲3選

この記事では、荒木飛呂彦による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する名称と、その名称の元になった曲・アーティストをテーマに分けて、紹介していきます。
記念すべき第1回目のテーマは「ノリのよい曲3選」です。
※表記は作中の名前/元ネタ・曲名の順です。
※キャラクターは「いらすとや」で表現しようと試みています。


1曲目:ペット・ショップ/Pet Shop Boys「I Want a Dog」

いらすとや「鋭い目つきの鷹のイラスト」

1つ目に紹介するのは「ペット・ショップ」と「Pet Shop Boys」です。
『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』に登場するハヤブサの「ペット・ショップ」は高い知能を持ち、吸血鬼である主人の館を守っています。
そんな「ペット・ショップ」の名前の元ネタは、ニール・テナントとクリス・ロウで構成されるイギリスのシンセポップデュオ「Pet Shop Boys」と考えられています。1981年にロンドンで結成され、グループ名の「Pet Shop Boys」は2人の共通の友人がペットショップで働いていたことに由来しているといわれています。2018年時点で全世界で5000万枚の売り上げを記録しており、日本での公演も多く行っています。「Pet Shop Boys」は現在も活動を続けており、2024年4月26日には4年ぶりの新作アルバム『Nonetheless』をリリースしました。
さて、今回紹介する曲は「I Want a Dog」です。この曲は1988年のアルバム『Introspective』に収録され、リリースされました。曲は軽快なリズムで始まり、ピアノの伴奏、そして歌が組み合わさっていきます。歌詞は要約すると「犬が欲しい、チワワが欲しい。猫はいらない、爪で引っ掻き回すから。」という面白い歌詞です。また、中盤から終盤にかけてのピアノがとてもおしゃれでかっこいいです。『ジョジョ』において「ペット・ショップ」は犬と戦いますが、ひょっとしたら作者の荒木先生もこの曲にインスピレーションを受けたのかもしれません。

「I Want a Dog」(2018 Remaster)
Pet Shop Boys official YouTube channel より

2曲目:バイツァ・ダスト/QUEEN「地獄へ道づれ(原題:Another One Bites the Dust )」

いらすとや「爆弾発言のイラスト(男性)」

2つ目に紹介するのは「バイツァ・ダスト」と「地獄へ道づれ(原題:Another One Bites the Dust)」です。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』に登場する吉良吉影はサラリーマンであり、平穏な暮らしを望む殺人鬼です。そんな彼に発現したスタンド(超能力のようなもの)の能力の1つが「バイツァ・ダスト」です。この能力を簡単に説明すると、自分の正体が誰かに知られると爆弾がその人を巻き込んで爆発し、時間がその日の朝に巻き戻るという能力です。吉良吉影はこの能力を使い、自分の正体を探る者を一気にまとめて消そうとします。
そんな「バイツァ・ダスト」の名称の元ネタはQUEENの楽曲「地獄へ道づれ(原題:Another One Bites the Dust)」と考えられています。QUEENはイギリスのロックバンドであり、1971年に結成されました。メンバーはボーカルのフレディー・マーキュリー、ギターのブライアン・メイ、ドラムのロジャー・テイラー、ベースのジョン・ディーコンの4人です。とても多くのヒット曲を発表した他、ロックとオペラを融合させたことや、親日家としても知られています。ボーカルのフレディー・マーキュリーが1991年に亡くなった後も、ブライアン・メイとロジャー・テイラーは活動を続けています。また、2018年にはQUEENの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディー』が公開され、多くの新しいファンを獲得しました。
「地獄へ道づれ(原題:Another One Bites the Dust)」は、1980年にアルバム『ザ・ゲーム』に初めて収録されました。その後シングル盤として発売され、世界的に大ヒットしました。ベースによる低いリズムが繰り返されつつ、ボーカルのフレディーにより「マシンガンから銃弾が発射され、人々が次々に倒れていく」というような歌詞が歌われます。曲名でもあり、歌詞の中にも何度も登場する「Another One Bites the Dust」というフレーズは、直訳すると「もう1人が砂を噛む」という意味になりますが、「bite the dust 」は熟語で「倒れて死ぬ、敗北する」という意味があります。これらのことから、邦題では意訳して「地獄へ道づれ」とされています。また他の訳として「また1人倒れていく」、「また誰かがやられる」などがあり、『ジョジョ』において荒木先生は「負けて死ね」と大胆に意訳しています。このように「Another One Bites the Dust」は様々な解釈のされ方があり、訳す人のセンスが光ります。このフレーズ、あなたはどう訳しますか?

QUEEN-Another One Bites the Dust
(Official Video)
QUEEN Official channelより

3曲目:クリーム・スターター/The Prodigy「Firestarter」

いらすとや「催涙スプレーのイラスト」

3つ目に紹介するのは「クリーム・スターター」と「Firestarter」です。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』では馬によるアメリカ大陸横断レースが開催され、ホット・パンツは謎の多いレース参加者として登場します。そんなホット・パンツに発現したスタンド(超能力のようなもの)が「クリーム・スターター」です。この能力を簡単に説明すると、スプレーにより肉を噴射することができる能力です。ホット・パンツはこの能力を、相手に噴射して攻撃したり、怪我の治癒や変装などに使用しました。
そんな「クリーム・スターター」の名称の元ネタは、The Prodigyの楽曲「Firestarter」と考えられています。The Prodigyはイギリスのテクノ/エレクトロロックバンドであり、ロックとテクノを融合させた楽曲を発表しました。1990年に結成され、リリースした楽曲は90年代ダンスミュージックの金字塔と呼ばれるほど人気になりました。そして、1997年に、今回紹介する「Firestarter」を含んだ3rdアルバム『The Fat of The Land』を発表しました。『The Fat of The Land』はイギリス・アメリカ・カナダ・オーストラリアを含む全世界22カ国のアルバムチャートで初登場1位に輝き、全世界で1000万枚の売り上げを記録する大ヒットアルバムとなりました。日本にも多く訪れており、1993年の初来日時にはジュリアナ東京でライブを、1994年の再来日時には東京ドームで行われたイベントライブに参加しました。また、1995年には小室哲哉が主宰するライブイベントにも出演している他、1997年に初めて開催された「フジロックフェスティバル」にも参加しています。現在も活動を続けており、現メンバーはリーダーのリアム・ハウレットとヴォーカル/ダンサーのマキシムの2人で活動しています。
さて、今回紹介する曲はハサミを突き上げたカニの写真が印象的なアルバム『The Fat of The Land』より「Firestarter」です。この曲は歌詞や音の激しさに、ノリのよいリズムが組み合わさることにより、格好良さが生み出されています。曲が始まると同時に、焦らすような、不安を煽るような音のフレーズが7回繰り返された後、テンポのよいドラムのリズムが始まります。その後ヴォーカルが入りパンク・苦しみ・中毒・感染者などの単語と共に、「俺は着火剤だ、ねじ曲がった着火剤だ。」という歌詞が繰り返されます。曲の特徴的なリズムは現在も高く評価されており、日本では『踊る大捜査線』にもこの曲が使用されました。また近年では、世界的に有名なゲーム『Call of Duty Black Ops 6』の広告に使用されており、この曲の良さが様々な世代に広まっています。

『Black Ops 6 - 公開ゲームプレイトレイラー』Call of Duty Japan 公式チャンネルより

「Firestarter」The Progidy Official YouTube Channel より

まとめ

いかがでしたでしょうか。音楽の世界はとても広く深いので、私の解説もまだまだ不十分です。しかし、この記事により読者の方と新しい音楽の知識を共有できたなら、とても嬉しいです。これからも様々な音楽を紹介していきたいと考えています。最後まで記事を読んで下さり、ありがとうございました。

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