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鉛筆で描いた下書きの話


子供たちにはそれぞれの違うペースがあり、それぞれに「キラリ」と光るものがあります。

自分のペースや意見をもち、相手を尊重することによって、自分だけでは発見できなかった事もできるようになります。そしてそれは子供達の自信につながるのではないかと考えています。

周りと共感する事によって自分自身の「キラリ」の種が育つ瞬間のエピソードをひとつご紹介しますね。


個性豊かでクラスで1番年上のA君はとても絵が上手で、自分の絵にすごく自信があります。

でもなぜかいつも鉛筆で描いていて、完成後も鉛筆です。

これすごく素敵にできたね、色はつけないの?ときくと

「うん。これでいいの。変になったらやだし。」

1ヶ月経ってもA君は自分の作品に色をつけませんでした。

そのうちに新しく入ったA君よりも年下の子、B君が絵を完成して見せてくれました。

「色をつけると変になっちゃうかもだから、これで完成ナノ」


なるほど、うん。


上手にできた時ほど次に踏み込むのは怖いですよね。失敗したくない気持ちは私たち大人も同じです。


せっかくここまで上手にできたのだから。そういう気持ちは絵を描く時だけではなく、いろんな場面であると思います。


何か踏み込むきっかけを作ってあげたい。でも言葉でそう伝えるのではなく自分で発見して欲しい。


うーん・・・


そうだ💡


次のクラスでみんなにこう伝えました。


「鉛筆で絵を描いたら隣の人に絵を渡して色を塗ってもらってください」


自分が描いた絵に自分が色をのせるのと、他の人がのせるのではだいぶ気持ちが変わるんですね。


「あー!その色にしないで〜!」

「おお、いいじゃん!!」

「あ、ごめん。失敗しちゃったかも。」「いいよいいよ。それ好きだよ」

という子供達の声がたくさん飛び交いました。

今まで色塗りはしなかったA君は、お友達が塗ってくれた自分の絵が戻ってくると更に自分で色を塗って完成させ始めました。


初めから色をぬってもらうことを前提としている鉛筆の下書きには、たくさんの可能性があり、ここからさらに素敵な絵や作品が生まれるのではないでしょうか。

1人で進めるよりも、周囲と協力することで達成する方が、より多くのことを学び、より高い達成感を感じると思っています。

私たちは英語とアートを楽しみながら学ぶことを通して、そのような達成感や自分を出すことをへの不安を少しでも和らげるきっかけが作れればと思っています。




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