ローレンス・ウェイナーの実態のない言葉とアート
ローレンス・ウェイナー(Lawrence Weiner,1942- /US)
コンセプチュアル・アーティスト。
そのアート表現として、「インフォメーション」(information)と称し、実体の無い言葉を使ったアートを創設している。ただ、その実態のない言葉として、法律用語を使って自分の芸術の意図を宣言した事も著名だ。
このアート表現の類型として、ソル・ルウィット(Sol LeWitt , 1928–2007)、ジョセフ・コスース(Joseph Kosuth,1945- )、ロバート・バリー (Robert Barry, 1936- )と共に、1960年代のコンセプチュアル・アート運動の重要な一人だろう。
いずれにしても、ローレンス・ウェイナーは、言葉を創造し、その実体化は、ミュージアム側のキュレイターなり、そのオーナーにまかされるのだ。
そのアートは、ミュージアムの壁面、天井、床、外壁に描かれたり、、街中の特に目立つ所に描かれたりしている。
例えば、ウェイナーはニューヨークのマンホールの蓋に描いている。
(c)Lawrence Weiner
その時点でアートは、美術館だけのものではなくなったという事だ。
それを見る人は、その言葉を見て、自分なりの視点(極)で解釈し、観る者の心の中にアートを構成する。
それでは、文学や詩歌と、どう違うのだろうか。
そのインパクトからか、想像力を膨らませる余地が問題なのか・・言葉のアート化だけなら、文学や詩と同様なはずだ。
ただ、そこには、イメージ(視覚化)されたアートの極が、視覚に訴え、個々の極に考えを、揺さぶる作者側の極が見えると言う事だ。
だから、視覚文化(コンセプチュアル・アート)という視点(極)なのだろう。
いずれにしても、言葉よりも作品が語ってくれる。
Fig.Lawrence Weiner
Lawrence Weiner ― TIME SPACE EXISTENCE
Lawrence Weiner – Studio Visit | TateShots
(註)20世紀前半の重要な位置付けと言われるコンセプチュアル・アーティストは数多い。
ただ、この流れで、ある意味、類型である、ローレンス・ウェイナー、ソル・ルウィット、ロバート・バリー、そして、ジョセフ・コスースの業績は、必見だろう。それが、何だかは、ここでいくら文章化しても、作品が語っている訳だ。ジョセフ・コスースは以前に現代アート作家として、コラムにしましたが、ソル・ルウィット、ロバート・バリー等も、短文で多少ランダムな形態になりますが、この後、続けたい所存でおります。
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