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アルノルト・ベックリン:芸術における死

アルノルト・ベックリン:芸術における死を考える-Island of the Dead

アルノルト・ベックリン(Arnold Böcklin, 1827 - 1901/スイス出身の象徴主義の画家)
アルノルト・ベックリンをはじめとする象徴主義の画家は、文学、神話、聖書などを題材に、想像の世界を画面に表象しようとする。ベックリンはこうした象徴主義・世紀末芸術の代表的画家の1人であり、世紀末絵画に類する作品を多く描いている。

Arnold Böcklin

(註)その19世紀末の同時代には、屋外にて、外光の下で身近な風景を描く、フランス印象派の全盛期だった。

アルノルト・ベックリンの芸術における死

Death in Arnold Bocklin's Art 6:47min
設定で日本語字幕にできます。)

略歴とアートワーク-Arnold Böcklin

1828年、スイスのバーゼルにて、絹の貿易の子として生まれる。
1845-1847年までドイツのデュッセルドルフ・アカデミーで学んだ。その後、ローマ、パリ居住、ルーヴルで働き、いくつかの風景画を描いている。

1860-1862年にかけてはドイツのヴァイマルの美術学校で教鞭をとる。
1874-1885年は、フィレンツェ時代であり、「死の島」をはじめとする代表作は、この時期のものだ。

「死の島」を考える-Island of the Dead

「死の島」(Island of the Dead)は暗い空の下、墓地のある小さな孤島をめざし、白い棺を乗せた小舟が静かに進んでいく様子を描いた神秘的な作品だ。この題材で、1880年から1886年の間に5点の作品を残している。

Island of the Dead
Island of the Dead-1880
Island of the Dead-1880
Island of the Dead-1884(第二次世界大戦中に焼失)
Island of the Dead-1884

「死の島」(Island of the Dead)は、写実的で緻密な描法と、作品には、神秘的・幻想的な雰囲気がただよう。
それらは、20世紀のシュルレアリスム(フランスの作家アンドレ・ブルトンを中心とする文学・芸術運動)絵画にも大きな影響を与えた。

著名な作品-Arnold Böcklin

「ヴァイオリンを弾く死神のいる自画像」(1872年)ベルリン美術館(Staatliche Museen zu Berlin)
「聖なる森」(1882年) バーゼル市立美術館(スイス)
「波間のたわむれ」(1883年)ノイエ・ピナコテーク(Neue Pinakothek/ミュンヘン)
「死の島」(1880年から1886年の間に5点が描かれている。)バーゼル美術館(1880年、111x155cm)、ベルリン美術館(1883年、ナツィオナール・ガレリー、プロイセン文化財国立美術館、アドルフ・ヒトラー所有)、ニューヨーク・メトロポリタン美術館(1880年)、ライプツィヒ造形美術館(Museum der bildenden Kuenste Leipzig-1886年)
「命の島」(The Island of life)-1888年 バーゼル市立美術館(スイス)

「命の島」は「死の島」と同じ文脈・・

「命の島」は、死の島(1880)と、ある意味、対照的だが・・・
そこに流れる、絵画の文脈は同じだろう。

アルノルト・ベックリンの作品抜粋

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