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(今日のART)波間のたわむれ:アルノルト・ベックリン
波間のたわむれ(Playing in the Waves):アルノルト・ベックリン
波間のたわむれ(Playing in the Waves):アルノルト・ベックリン-1883
![](https://assets.st-note.com/img/1662207579625-bcYV5TCKGf.jpg?width=800)
キャンパスに油彩
ノイエ・ピナコテーク(Neue Pinakothek/ミュンヘン)所蔵
「波間のたわむれ」は古典的な主題へ、非礼な手法・・
アルノルト・ベックリンが、名声を得るきっかけとなった作品の一つである。
この「波間のたわむれ」は、古典的な主題へ対して、非礼な手法を示す。
波の中の人物は、ギリシア神話の海神トリトンをモデルにしているが、神話の中には描写された場面の由来となるエピソードは存在しないのだ。その代わりに、アルノルト・ベックリンの友人である動物学者、アントン・ドールンが水中にもぐり、突然浮上して、女性の海水浴客を驚かせた。
そのベックリンが休暇中にイタリアの海岸で目撃した事件を思い起こさせるものになっている。
海神トリトンの顔は、アントン・ドールン(イタリアの動物学者)に基づいて描かれたと言われる。この絵画も、アルノルト・ベックリンはイタリアの風景に影響を受けている。
そして、上記のように、この作品も、神秘的な風景に、神話上の物語性が展開されている。写実的で緻密な描法と、作品には、神秘的・幻想的な雰囲気がただよう世界だ。
ただ、ここに存在する世界は、アルノルト・ベックリンの世俗的で不愉快、ユーモラスというより皮肉めいた作品だ。
アルノルト・ベックリン(Arnold Böcklin)
アルノルト・ベックリン(Arnold Böcklin, 1827 - 1901/スイス出身の象徴主義の画家)
![](https://assets.st-note.com/img/1662207907896-BiWDfk4bQo.jpg?width=800)
アルノルト・ベックリンをはじめとする象徴主義の画家は、文学、神話、聖書などを題材に、想像の世界を画面に表象しようとする。ベックリンはこうした象徴主義・世紀末芸術の代表的画家の1人であり、世紀末絵画に類する作品を多く描いている。
そして、アルノルト・ベックリンは、エネルギーに満ちた異様な世界、そして、神話という世界に、皮肉めいた視点を投じている。
アルノルト・ベックリンの作品-抜粋
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