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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト- 夕暮れの鐘

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、ご紹介とコメントとしての評を入れさせていただき掲載させて頂きます。まずは、ご応募ありがとうございます。また、これから、応募ご希望の方も、個々の多様な、、ご自分の視点で、気軽にご応募くださいませ。

・夕暮れの鐘
まさこさま 応募ありがとうございます。

(評)「ミレーの晩鐘」と、その周辺を実に、上手い文章で綴ってある。
この時代の絵画ファンでなくとも、このミレーの晩鐘は、見れば、誰しもが、「ああ、あれか」と存じ得ていることだろう。
そのミレーの晩鐘の絵画のシーンを巧みなまでに繊細な語彙で、流れるような文脈で綴られているのだ。

そして、このエッセイの導入部分は、ごく日常の中での会話から成立している。
そして、その解説の後は、「祈りは国や人種を超えても、時代を超えても、変わらないもの」として、その表象を締め括っているのだ。文学的な深いインテリジェンスをお持ちの筆者が、一枚の絵画を、実に分かりやすい流れの文脈に語っているエッセイだ。

(註)バルビゾン派(École de Barbizon)とは
(美術史は後から語られると言うことは常だが、作品理解のために概ねの一般的な流れの記述です)
バルビゾン派については、一般論になるが、写実主義(現実を空想を入れず、ありのままに捉える表象-リアリズム)のムーブメントであり、その1つだろう。概ね1830-1870年頃と評されることが多い。それは、バルビゾン村(フランス)に由来するだろう、近くにある、フォンテーヌブローの森には、当時、多くの芸術家が集まったと言われる。
そして、その絵画の特徴は、簡単に申し上げると、
そこには、自然を主題としているが、そこでの人の営みがあるものも多い。
そして、テクスチャー(質感)、その色彩感、流れるようで緩やかな筆使い、全体的に柔軟な形態性等々が当てはまるかも知れない。画家の詳細は、ここで、語るまでもないが、その代表的な7名(ランダムな記述だが)は以下だ。そして、その周辺も数多くの作家が存在していた。
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot、1796 - 1875)
テオドール・ルソー(Théodore Rousseau, 1812 - 1867)
ジャン=フランソワ・ミレー(Jean-François Millet、1814 - 1875)
シャルル=フランソワ・ドービニー(Charles-François Daubigny, 1817 - 1878)
コンスタン・トロワイヨン(Constant Troyon, 1810 - 1865)
ナルシス=ヴィルジール・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ(Narcisse Virgilio Díaz de la Peña、1808 - 1876)
ジュール・デュプレ(Jules Dupré、1811 - 1889)
ただ、広義には、バルビゾン村に関わる画家(何百人?)を含めると、このあたりの画家の位置付けは、実に現在でも微妙だところだ。

言えることは、絵画の鑑賞する側の視点(極)は、その作品の内容から伝わってくる、自らの揺らぎを捉えて、語るのが本来だろう(美術史は後から語られると言うことだ)、1人の画家の生涯をだ、「あの人は、ああ言う人だ」言い切ることは出来ない、ただ、その時期、その時期での作品が語っているのだ。そして、このエッセイの筆者も、そのあたりも捉えている様子が伺える。

(追記)筆者のあたたかい家庭とそこにある「ミレーの晩鐘」思いから、数十年前のことを、思い出しましたので、私的なことで恐縮ですが、私が子供の頃に、いつも、「ミレーの落穂拾い」の母の模写が、金色の額に入れて、玄関に飾ってあった事を思い出す。
母は、人が見える度に、それについて、実に長い注釈がつくのだ、そして、その横あたりには、やはり母の描いた日本画があり、そこへ、話が飛んでいく・・それはいつもの様子だった、子供心にも、そうは成りたくはないと・・・
それらを父は、大晦日に、良かれと灯油で拭いたのだ、そこで、今で言うDVが発生した、被害者は、もちろん、父だった。


(今後のお知らせ)
このコンテスト #2020年秋の美術・芸術  は、コンテストの形式として、3名の入選はございますが、ある意味、ドクメンタ(カッセル/ドイツ-一人のディレクターによるキュレーション)の展示会ように賞はございません。そして、主催者は、多くの企画をされている秋氏のデレクションと、私(artoday)のコメント(評)で構成されております。         
それは、「そもそも美術エッセイは発表の場すらない」という視点や、小生(artoday)の、もっと、身近に気軽に、美術、芸術の裾野の広がりを願っての事でもございます。この間は、私のアート系コラムをランダムに、連載致しますが、入稿があり次第、応募作品にシフト致します。
どうぞ、気軽に日常のことで、思いつかれた事を応募なさって下さいませ。(註) #2020年秋の美術・芸術  は全角ですので、よろしくお願い致します。


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