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視覚からの位相を考える

ここで申しあげたい事は、イメージは、再構成された視覚だ。それは、絵画・芸術のそれだし、写真、映像のそれだ。
そのイメージが、芸術作品として提示された時、人は、その見解を芸術について、以前、教わった様々な先入観によって影響されるだろう。
美、文化、真理、形態、位置付け、好み・・・
先入観の多くは、過去の曖昧化・美化・神秘化となるのだろう。
それは、「現在は、客観的な事実ではなく、意識的なものである」からだ。
それは、例えば、風景を見る時、風景の中に自分を位置づけるように・・。

見る(視覚)ことは言葉より先に来る。それは、視覚のと言う受容器官は、80%以上の情報を入手しているからだ。そこは、身近に考えれるには、例えば、赤ちゃんから、子供の認識(まずは、光を、そして動体を追う)を考えるとそうだろう。

世界に於ける、我々の立ち位置を決めるのは、まずは、情報を見ることだろう。少し前までは、テレビで、そして、今は、Netで、多くの選択肢の中から、見ることが出来る時代だ。そして、言葉は、その世界を説明している。

複製環境のロジックを考えると、それは、絵画、写真、映像ではどうだろう。複製には、多からず少なからず、歪曲がつきものだ。

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(c)National Gallery(London)

「岩屋の聖母」ダ・ヴィンチ(1452-1519)
それをナショナルギャラリー(London)で、本物を見たとする。
その時に、以前に見た複製のことを忘れてしまい、この絵はどこかで、見たことがある著名な絵だ、と感じるだろう。
オリジナルの新しい位相は、複製の出現により、もはや、オリジナルが見せようとするものは、異なる意識下にあると言うことだ。どちらが先に、先入観に入るかだ。
「過去の芸術は、かって存在していたようには、もはや存在してはいない。」ベンヤミン
その代わりにイメージ言語が存在する。

最後にもう一例をあげると。-「夢の鍵」ルネ・マグリット

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(c)René François Ghislain Magritte

ルネ・マグリット(René François Ghislain Magritte, 1898-1967,シュルレアリスムの作家)は、言葉と見ることの間に、存在するギャップを「夢の鍵」と呼ばれる絵画で表す。
それらは、潜在意識に影響されるだろう。
そして、我々は、視線を向けるものしか理解していない。
そして、それは、我々の範囲内に置かれるのだ。
(参考文献)複製技術時代の芸術-ヴァルター・ベンヤミン/Image- John Berger(美術評論家、脚本家)/Top画像-Les Amants 「The lovers」1928-René Magritte

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