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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト-中間のご報告-オラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」展における鑑賞者のまなざしについて

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、短文で評を入れさせていただき掲載させて頂きます。まずは、ご応募ありがとうございます。また、これから、応募ご希望の方も、ご覧いただき、お気軽に応募くださいませ。(評を優先しますが、その間に、私の美術系のコラムの日もございます。この先の予定は応募作品の量的な流れで、そちらを優先として、変更があるかも知れませんこと、ご了承下さいませ)


・オラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」展における鑑賞者のまなざしについて: 武中ゆいかさま、応募ありがとうございます。

評:東京都現代美術館で開催中のオラファー・エリアソン「ときに川は橋となる」展
筆者の美術、また、美術から、人のあり方にも真摯な眼差しを感じられる。端的に内容を申し上げると、芸術に対する、ミュージアムでの観せ方、そして、そのを観る人間性と共に、現代アートのあり方、そして、今後の見る側の方向性が、体系的に時系列を追って、まとめて記述してある。

そこで、私的に、感じたことは、ヴィネチア・ビエンナーレに於ける、現代のメディチ家(よく言えば、財力での支援)という、あり方だ。(ヴィネチア・ビエンナーレは、IOCやFIFAような、ある意味、グレーな部分がないのだ、それは、リベラルな展示も多いという事だ)そのヴィネチア・ビエンナーレの、それは、資金提供がなけれが、例えば、強大なアート・プロジェクトは成立しないということだ。また、ミュージアム自体の存続も、この時期、特に危ういウィルスにおいて、危惧されている。

そのような矢先に、作者は、明解に、「鑑賞者のまなざし」として、その多くの表象の側面を、一つの事例から、時系列を追って、解説している。
抜粋すると(部分的にランダムな引用になるが・・)
・精神性からの、作品と対峙するべき態度を明確に記載されている。
・古代から洞窟に絵を描き、土や鉱物で物を作ったり、美しいものを形に残そうとしてきた人間の営みは、使う道具や材料が変われど、その精神は不変・・
・テクノロジーとアートが融合した時の芸術鑑賞の方法の一つとしての、SNS、インスタ映え・・
・現代アートとインスタ映えの親和性において、それは、確かに、国内の美術館では、写真撮影は厳禁であったが、現在それは異なった。
・そこにある、美術館側の運営に対する、マーケティング戦略(森美術館等々での画像アップロードの推奨)
・近年のライフスタイルのパラダイムシフト、それでも、SNSでのバズは現実の人間が実際に美術館へ足を運ぶ。
・それは、美術展の集客力、ひいては収益に繋がる
作者の、それらの視点から、いかなる観客もその表象に触れることにより、将来的に引き出しも多くなり、何かしらの得るものはあるのだろう・・そこには、原点として、ラスコーの洞窟になぜ、描いたのか?その表象の発生にせまる姿勢を感じる。

そして、学際(知の共有)についても、触れられている。
・社会的メディアとしての側面を持つ現代アート
オラファー・エリアソン展では、例えば、《リトルサン》(2012)という携帯式のソーラーライトは、「世界の送電網が整備されていない地域で暮らす人びとに、クリーンで手ごろな価格の明かりを提供するために生まれた。」と謳われるようにアートとデザインがオーバーラップする形の作品だ。
このあたりの文脈には、鋭い筆者の学際的な視点を感じざるを得ないだろう。

また、後半から、同内容のフレーズが繰り返される部分も感じるが、そこは、筆者の思い入れの深さと理解できる。
作品には、アートを楽しむ姿勢についても最後に記載されている。
楽しみ方も、見方も分からなくても、丁寧にまなざすこと。
未来を担う子供たちが、アートに触れて育つこと、それを嬉しく思える大人でありたいことで締めるだ。
そして、この1つの美術展での事象を取り上げて、これだけの範囲を洞察力を持ち、思考しアートを楽しむ、筆者のまなざしは、いつも前向きだ。
作者のアートの全体像に対する造詣の深さと共に、人に対する寛容性をも、感じるのだ。

(追記)ほぼ、1日おきに、応募いただいた作品の評を、ほぼ時系列で(長文はお時間を頂戴することもあり、順不同となります)このコラムに掲載させて頂きます。2020.11.14までの応募期間がございますので、お気軽に応募をお願い致します。 次回は、蝦空千鶴さまの、忙しい人向けのシュールレアリスム『海辺でクラスメイトの男子を見かけたら“ベントラー*2”と唱えよ』について、対応させて頂きます。


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