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トニー・マテリと「Sleepwalker」とは

トニー・マテリ(Tony Matelli,1971- US)Sleepwalkerでよく知られているアメリカ(NY在住)の彫刻家。

トニー・マテリへの批判は、その作品である「スリープウォーカー」(夢遊病)に起因しているだろう。
名門女子大学である*ウェルズリー・カレッジ(Wellesley College)の外に、最初に公的に設置されたこの彫刻は、言葉と行為の両方で攻撃を受けた。
ご覧いただければ解るが、それは、まず、顰蹙(ひんしゅく)をかうだろう。

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Fig.Sleepwalker-Wellesley College  (c)Tony Matelli
その理念は、Antony Gormley-第四の台座「ONE AND OTHER」-肉体とは記憶と変化の場所、と同じ解釈なのだろうか?

*ウェルズリー・カレッジ(Wellesley College)のデービス博物館での個展「New Gravity」のために制作されたのだが、博物館の外のキャンパスに設置された。
トニー・マテリの彫刻である実にリアルな下着姿の夢遊病の男の彫刻は2014年、大学キャンパスで、論争となり、激怒した女子学生たちはその撤去の請願を始めた。それは、博物館内に移動するよう要求だった。 
そして、スリープウォーカーは、顔、左腕、左脚、足に黄色のペンキをかけられて破壊された。 
マテリのリアルな彫刻は、視聴者に強い感情を呼び起こしていることは確かだ。そして、あの、change.orgでの作品の削除を要求する1000を超える署名が集まった。

参考引用:ニューヨークタイムズ
「彼らが彫刻に見るものは彫刻にはありません」とトニー・マテリは、討論についてコメントした。
ただ、ごく一部の学生の反応は、アントニー・ゴームリー(Antony Gormley)のそれと同様の反応だったらしいのだが・・・
そして、2016年の春から夏の間、彫刻はニューヨーク市のハイラインパーク(High Line Park-線形公園2.3km)に展示され、相変わらずの議論が続けられた。
前評判からか、、群集の中で時々それを囲んでいる見物人の大きな関心が寄せられるシーンもある。(写真)

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Fig.High Line Park-NY   (c)Tony Matelli

略歴-Tony Matelli
1971年、シカゴ(イリノイ州)生まれ
1993年、ミルウォーキー芸術工科大学 BFA
1995年、クランブルック芸術アカデミー MFA
ニューヨークで活動している。

Controversial Sleepwalker Sculpture at Wellesley College Vandalized

*(註)ウェルズリー・カレッジ(Wellesley College):アメリカのマサチューセッツにある名門女子大学(全米ランキングはトップ)。世界中から、優秀な女子学生が集まっていると言われる。ごく1例だが、ヒラリー・クリントン(元国務長官)も卒業生だ。

(追記)概念芸術として、次回は、トニー・マテリの「Josh」を取りあげます。



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