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世界は音に包まれている ! Part.5(最終回)

連載4回のはずが、前回のレオン様が長くなってしまったので、2回に分けました。今回は、本当の最終回パート5です。

『音の美しさ』の続編です。
世界は音に包まれている Part.1
世界は音に包まれている Part.2
世界は音に包まれている Part.3
世界は音に包まれている Part.4

音と建築。リズムや調和を感じるのは、なにも、歴史的な建築物だけじゃありません。ちょっと視点を変えて、周りを見渡せば、きっとまわりにあるはず。見てるけど、見えてないだけ。

フィレンツェで、建物を見上げると「おや?」に出会うことが頻繁にあります。さて、この建物。不自然なところがあります。どこでしょう。

こたえ


バルコニーのある階と最上階の間にある小さな窓。嘘っこの窓なんです。枠は石で造られ、窓と窓枠は描かれています。

この窓があるとないとでは、大違い。建物のリズムが崩れて不協和音が鳴っってしまいます。

さて、こちらは? 

もうお分かりですね。嘘っこ窓がかなりの数を占めてます。こんな感じの、あえて描いた窓が、フィレンツェにはたくさんあります。

世界遺産に登録されている中心街だけでなく、市街地も同じ。これは近所のアパート。アパート中央の、2階〜5階の茶色の鎧戸。鎧戸は本物だけど、鎧戸の下に窓はなく、壁です。

あってもなくても、生活にはまったく支障はないけど、ないと間の抜けた外観になってしまうので、造られています。

外観は要塞のようですが、一番下のお家は庭付きで、大きな木が植えられたり、花を栽培していたりして、アパートの内側にあるテラスから、彼らのお庭の景観を共有できるようになっているんですよ。

美しいプロポーションの建物が生み出す調和は、街の景観に欠くことのできない要素。一見無駄なようでも、毎日の暮らしにじわっと効いてくるような生活のなかの美です。(犬のウンチは落ちてるけど(笑))。

石の大きさと、凹凸を変えることで、躍動的なリズムを生み出している、メディチ・リッカルディ宮殿の壁。

細長い柱が、繊細で均整のとれた美を演出している、教会の正面。

こーんな建物もあります。噴水のある中央から、きれいに左右に伸びていて、見た目も美し。お宅訪問をさせて頂きたい。

こちらは、ローマのメディチ家邸宅(ヴィラ・メディチ)の螺旋階段。カタツムリの巻貝みたい。

メディチ家が建てたのに、いまはフランス国所有。フランス語での案内はたくさんあるのに、イタリア語はほんの数回。ローマにあるのに!メディチ家が建てたのに!

今回投稿の表紙の写真と同じ場所で、横から撮りました。曲線が優美でエレガント。ローマから車で1時間ほど北上したところにある、ファルネーゼ邸宅です。豪華絢爛。贅沢三昧。

最後に、アルノ川とかかる橋。景観を統一することの美しさがよくわかります。

この記事を読んでくださっている、みなさんの周囲にも、人が作ったものなのに、自然に身を置くような心地よい空間があるはず。そこには、きっと耳からは聞こえない、心地よい音楽が流れているはずです。

世界は音に包まれている!


Part.1
自然、黙想。そして、音楽。
建築の音。
Part.2
ロマネスク様式の教会と音楽。
歌う石たち。
Part.3
建築と音楽の数合わせ。
数字、比率、そして、音楽。
Part.4
音楽と建築。
Part.5
世界は音に包まれている!


最後まで読んで頂き、
ありがとうございます!

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ありがとうございます!


参考文献:
Itinerario nell'arte
La Lingua degli Angeli
I suoni dell’architettura di FULVIA GIACOSA
Tra architettura e musica
di Conservatorio di Musica G.Verdi di Milano
Musica e architettura di Carlo Fabrizio Carli
Wikipedia


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