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上野で楽しむ西洋美術

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国立西洋美術館の絵画をより楽しく見るための橋渡しができるように書いていきます。文:Yamma Hiroki
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記事一覧

「聖ミカエルと竜」で連想した日本のあの人

こんにちは!本日取り上げる絵は14世紀にイタリアで制作された『聖ミカエルと竜』という以下の宗教画です。

本日は前半にこの絵画の主人公である「聖ミカエルについて」、後半に「僕なりのこの絵の見方」を書いて行きたいと思います。

1.聖ミカエルとは?皆さんは、聖または大天使ミカエルをご存知でしょうか。聞いたことがない方も、この聖人が祭られている教会を一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。

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ゲツセマネの祈り/ルーカス・クラーナハ

こんにちは。『上野で楽しむ西洋美術』第三回の記事を書いていきたいと思います。

皆さんは、西洋美術と聞いてどこの国を連想するでしょうか。

ルネサンス絵画が有名なイタリアでしょうか?印象派などで有名なフランスでしょうか?

今日は若干イメージが湧きずらいドイツの絵画について取り上げてみました。紹介するのは以下の写真の『ゲッセマネの祈り』という作品です。

今回は「1.作者、2.主題、3.時代背景」

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ソロモンの塗油

ソロモンの塗油

こんにちは!先日、国立西洋美術館の企画展、ハプスブルク展に行ってきたのですが、下の写真の『ソロモンの塗油』という作品がとても自分の好みにヒットしました。

ちなみに僕の場合、美術館で一番テンションが上がるポイントは、お目当の作品を見たときよりも、「全然知らないけどめっちゃいい!」という作品を見つけた時です。

それは多分、僕が美術館へ行きたくなる理由が、もちろん単に「綺麗なものを見たい!」とか「歴

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城の見える風景/バルトロメオ・モンターニャ

城の見える風景/バルトロメオ・モンターニャ

第1回は、入口すぐに展示されているこちらの作品です。

作者については諸説あるそうですが、ダ・ヴィンチやボッティチェリに近い15世紀後半から16世紀初頭の作品と言われています。以下の点を念頭に置いて鑑賞してみましょう!

この作品はこの時代に描かれた数少ない風景画の1つです。

実は、西洋の歴史において、つい200年前まで、風景画よりも宗教画や歴史画が高尚なものでした。実際に有名なルネサンス期の

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