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城の見える風景/バルトロメオ・モンターニャ

第1回は、入口すぐに展示されているこちらの作品です。

作者については諸説あるそうですが、ダ・ヴィンチやボッティチェリに近い15世紀後半から16世紀初頭の作品と言われています。以下の点を念頭に置いて鑑賞してみましょう!

この作品はこの時代に描かれた数少ない風景画の1つです。

実は、西洋の歴史において、つい200年前まで、風景画よりも宗教画や歴史画が高尚なものでした。実際に有名なルネサンス期の絵の多くが宗教画で、風景はあくまで背景です。

そのような事情からこの作品はとても例外的な作品と言えます。

しかし、しばらく見て気づいたのは、後景の「丘の上の城」+「連なる山」という組み合わせが当時の宗教画の背景にしょっちゅう使われていることです。

↑ヴェロッキオ(上)ラファエロ(下)

そう考えると、いかにこの景色が当時の典型的な風景を表しているのかが分かりますね!

ちなみに私はこの荒涼とした風景の中に小さな人間がいるという点で、どことなく雪舟の絵を連想しました。

↑雪舟

ぜひ生でご覧になって下さい!

文:Yamma Hiroki