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平塚市美術館「こどもたちのセレクション」エピソード16

●なぜ子どもたちが選んだか「謎」な作品を

・真垣武勝『セーヌ川のノートルダム』(1957年 113.9×96.5cm 油彩・キャンバス)

 この作品が以前に展示されたときは、他に目を引く作品もいろいろあって、そんな中でなぜこの作品に子どもたちが関心を持ったのか「謎だなぁ」と思いました。 
 「謎、そして探求は続く!」という形で展覧会を締めたい、そんな展示プランでどうでしょう?と学芸員さんにお伝えしたところ、「いいですね~謎!それでいきましょう!」とおっしゃってくださいました。楽しい気持ちを共有してくださる方なので、展覧の構成を考える時は、担当学芸員さんの笑顔が自ずと思い浮びます。(そんな想像をしている時は、多分、私もニヤニヤしていると思います)

 今回、あらためてこの作品を目の前にして「ああ、美しいなぁ。子どもが心惹かれるのも、なんだかわかるなぁ」と再認識しました。

 光や街並みの色どりの豊かさ、鮮やかさはもちろん、セーヌ川を見下ろす構図、横方向に配置されるいくつもの橋を通じて喚起される視線の自然な運び、全体が緑系で描かれている中、描かれた車の赤に近い橙色のアクセントなど、おおらかなタッチの中に、いくつもの工夫、緻密さを感じます。 

 ぜひ展覧会で実物を観ていただけたらと思います!

 平塚市美術館「こどもたちのセレクション」は2022年9月19日まで開催中です。
https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/20162006_00019.html

(本稿は美術館ご担当者様に確認いただき掲載しております)

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