冨田めぐみ

アートで子育て!「アートケア」というコンセプトで、親子ワークショップや0歳からの鑑賞会…

冨田めぐみ

アートで子育て!「アートケア」というコンセプトで、親子ワークショップや0歳からの鑑賞会を各地美術館と連携して開催しています。NPO法人 赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事

最近の記事

パリ オルセー美術館『3~5歳鑑賞会』ルポ

6月16日(日)午後。今回の旅の大きな目的の1つ、オルセー美術館への訪問の時間がやってきました。 研究員のYannick Le Papeさん(ヤニックさん)とお会いします。 入口前の広場にある名物の彫刻、サイの前で待ち合わせ。 昨年、連絡をいただいた時は、遠い日本で小さな活動をしている私にオルセーの研究員さんが連絡をくれるなんてホントかしら…と慎重にやり取りを始めたのですが、とてもとても親切で丁寧な方でした。連絡をくださったこと、そしてお会いできたことに大きな謝意を持ってい

    • パリ オランジュリー美術館 『0~2歳鑑賞会』『3~5歳ダンス鑑賞会』ルポ

      6月16日(日)午前、パリのオランジュリー美術館で鑑賞会を見学しました。 系列のオルセー美術館・研究員Yannick Le Papeさん(ヤニックさん)のお話によると、オランジュリーの乳幼児鑑賞会は、数ヶ月前に始めたばかりで、ファミリーエリアも改装して新しく作ったのだそうです。 ヤニックさんは、乳幼児の鑑賞会について調査なさっています。 「フランスでは乳幼児の鑑賞会があまり行われていませんでした。それで世界各地で行われている乳幼児の美術プログラムについて調査し、パリでプログ

      • ルポ:ちひろ美術館・東京さんと「あかちゃん・子どものための鑑賞会」を開催しました

        ちひろ美術館・東京さんと、7月28日(日)に「あかちゃんのための鑑賞会」8月18日(日)に「子どものための鑑賞会」を開催しました。 「いわさきちひろ ぼつご50ねん こどものみなさまへ あ・そ・ぼ」展。 アートユニットのplaplaxさんが年間を通じて、ちひろ美術館の3つの展覧会のディレクターをなさっていて、「あ・そ・ぼ」展では《絵を見るための遊具》という楽しい作品が会場のあちこちにあります。《まどのらくがき》《絵の具の足あと》というインタラクティブな作品も! そして発達心

        • アートケアだより2024年8月号 「集める・調べる・分類する・保存する・公開する」という博物館のお仕事に通じるプロセスを、子どもたちに体感してもらう夏のイベント

          8月11日(日)に、夏のイベント『見せっこ博物館 ~ 土器片に触れたり、藍のたたき染めもするよ!』と、自然の美しい色を感じる『藍の生葉染め』を開催しました。 「アートケアひろば」には、先月号のおたよりでご紹介したような、博物学的な観点で物事を楽しむ子どもたちがたくさんいます。 みんなが集めている物… たとえば蝉の抜け殻、育てている昆虫、海で拾ったシーグラスや貝殻、道で拾った石や森で拾ったドングリ、なぜか好きでたまらないモノ、図鑑や本などを持ち寄って、博物館みたいに楽しむ。 「

        パリ オルセー美術館『3~5歳鑑賞会』ルポ

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        • アートケアだより2024年8月号 「集める・調べる・分類する・保存する・公開する」という博物館のお仕事に通じるプロセスを、子どもたちに体感してもらう夏のイベント

          パリ フォンダシオン・ルイ・ヴィトン 『ファミリー・フェスティバル』 ルポ

          2024年6月、パリにあるフォンダシオン・ルイ・ヴィトン FONDATION LOUIS VUITTON で開催された『ファミリー・フェスティバル』に行ってきました。 (なぜ訪れたかは前回のnote「アートケアだより7月号」に記しました!) (写真の撮影と掲載について、フォンダシオン・ルイ・ヴィトンの許可をいただいています) 年に一度、6月の第3土日に開催。第4回ということで、情報が浸透しているのか、とにかく大賑わい!  X線検査の列が「お子さん連れでない大人の観覧者」と

          パリ フォンダシオン・ルイ・ヴィトン 『ファミリー・フェスティバル』 ルポ

          アートケアだより7月号 : パリとロンドンのいくつかの美術館・博物館へ行ってきました

          6月。「えいや!」と、パリの美術館のいくつかの乳幼児向け鑑賞会とイギリスの美術館・博物館を訪問してきました。  イギリスに留学中の息子から「来れば?」と言われまして(珍しく!!)。「我が子の留学先に出かける母」なんて恥ずかしくてできない~と思っていたのですが、何度か誘われるうち、そういえば…と、昨年、研究員さんからご連絡をいただいたオルセー美術館で何か子ども向けの会があるか調べましたら、ちょうど鑑賞会がある! そしてその前日には、フォンダシオン・ルイヴィトンというこれまた素

          アートケアだより7月号 : パリとロンドンのいくつかの美術館・博物館へ行ってきました

          「母に当たりが強くて…」な話題☆アートケアだより☆2024年6月号

          子どもがお母さんにひどく八つ当たりする、ものすごく感情をぶつけてくる というお話が、このところ毎回のワークで誰かしらから出ています。  お話される皆さん、もう疲労困憊しきっていて、時に涙ぐむ方もいて、こちらも泣けてきます。毎日のことだから本当に大変ですよね…  小さい子どもたち、あるいは負荷が過大にかかっている場合は年齢問わず、ストレスを上手に逃して心身の健康を保つ方策を取れないことがあります。  そんな時、「感情をぶつけてもいいや!」という相手にだけ、つっかかってくる。甘

          「母に当たりが強くて…」な話題☆アートケアだより☆2024年6月号

          アートケアだより 2024年5月号

          ●4月 「保護者お話会」 で育児のヒント  「アートケアひろば」では年中行事として「保護者お話会」を開催しています。1年の成長を振り返りながら、新年度を迎えるお子さんたち(と親御さん!)のドキドキワクワクをシェア。皆さんと話すことで悩み解決のヒントが得られる素敵な時間になっています。  学年も住んでいる地域も様々なので、自分たちの置かれている日常を、少し離れたところから見るような感覚で整理することができる、そんな良さがあると私は感じています。  今年は4月に3回開催。保護者

          アートケアだより 2024年5月号

          アートケアだより 2024年4月号

           新年度ですね! 6年生の皆さん、ご家族の皆様、小学校ご卒業と中学校ご入学、おめでとうございます。   毎年、6年生の皆さんにアートケアの思い出や感じたこと、後輩へのメッセージなどを書いていただいています。小さいお子さんたちへ、どうぞ「お兄さんお姉さんの言葉」を読んであげてください!  中学生以上は、ワークに毎月来ている人と来られる時に参加してしている人がいます。  心を整えたり、静けさを取り戻したり、自分らしさを確認したり。何より「表現する」ことは楽しく、幸せ感覚がアップし

          アートケアだより 2024年4月号

          『生きた。描いた。愛した』 三岸節子さんの画業を一望・一宮市三岸節子記念美術館「赤ちゃん&こどもアート鑑賞会」ルポ

           愛知県の一宮市三岸節子記念美術館さんに毎年お招きいただいて、赤ちゃんから小学生とご家族が参加する鑑賞会を実施しています。今年度はコレクション展「花より花らしく」を鑑賞しました。 ・・・  「生きた。描いた。愛した」という鮮烈な言葉は、数年前に放映された、テレビ東京「新美の巨人たち」で耳にしました。近藤サトさんの貫禄あるナレーションも相まって大変印象に残りました。  鑑賞会の準備に際し、あらためて美術館の「こどもセルフガイド」を読み直したところ、この言葉が掲載されていること

          『生きた。描いた。愛した』 三岸節子さんの画業を一望・一宮市三岸節子記念美術館「赤ちゃん&こどもアート鑑賞会」ルポ

          アートケアだより2024年3月号

           2期にわたる展覧会、年度末作業等で、月初に発行しているおたよりが月末となってしまいました。。。  そう、もう年度末なんですね〜 2023年度は「アートケアひろば」20周年でした。3月20日(祝)、ようやく「20周年の集い」を開催しました。懐かしい方が来てくださって、あれこれ思い出され…  20年を振り返るのもナンなので、近年について振り返ってみます。 ●アートケアひろばの展覧会  「アートケアひろば」は、お絵描き工作、言葉や音、身体表現など、子どもたちが様々な芸術表活動

          アートケアだより2024年3月号

          アートケアだより2024年2月号

           6年生ご家族へのインタビュー。今月は(先月号の方とイニシャルが同じですが)Tさんにお聞きしました。Sくんは少年野球のチームでも活動しながら時間を作ってアートケアに来てくれています。小さい頃から興味を持ったことを作品に表してきました。武将の甲冑を作ったり、近年は野球選手の絵を描いています。4年生の妹がいます。お母さんは、ほっこりする方で…  ●絵も工作も野球も 冨田: コロナ禍でオンラインワークをしていた時のメールのやり取りで、Tさんが飼っていた猫の名前が「魯山人」で、名

          アートケアだより2024年2月号

          アートケアだより2024年新年号

          新年おめでとうございますスタッフより新年のご挨拶を申し上げます。 ダジャレ的ですが辰年の「たつ」に引っ掛けて「子どもが立った!自立したな~と思った瞬間」というテーマでお届けします。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。(五十音順) ●井上 敦子(いのうえ あつこ) 「赤ちゃんアート」に少し通っていた娘も小6になり先日卒業文集の作業で、6年間で変わったこと、成長したことは何ですかという欄に『言いたいことが言えるようになった』と書いてありました。え?そうなの??「赤ちゃんアー

          アートケアだより2024年新年号

          アートケアだより2023年12月号

          6年生ご家族へのインタビュー。今月はTさんにお聞きしました。Tくんは写し絵や工作が大好き。5つ離れたお姉さんがいます。  ●きょうだい、全然違う幼少期 冨田: 先日、美術館に行かれたそうですね。 T:高校2年の姉とようやく日があって、1泊2日の熱海旅行で美術館に行きました。1日目は2日目に部活で別行動になる姉の行きたい所へ、2日目はKの行きたいところへ、ということで姉が見たいMOA美術館に行ったんです。天井にある巨大な万華鏡のような装置が綺麗だっていうこともありまして。で

          アートケアだより2023年12月号

          赤ちゃんが生まれても美術館をあきらめない!「楊洲周延展」 赤ちゃんご機嫌な作品をレコメンド!

          町田市立国際版画美術館さんと、11月15日(水)に「赤ちゃんのための鑑賞会」を実施しました。 0歳6ヶ月から0歳代が4組、1歳が2組、2歳と5歳のお子さんがそれぞれ1組、8組の皆さんと「楊洲周延 明治を描き尽くした浮世絵師」展を鑑賞しました。 楊洲周延は、展覧会のキャッチコピー「武士から絵師へ 絵筆で時代を切り拓く!」の通り、幕末から明治にかけて大活躍した浮世絵師です。 楊洲周延にフォーカスした展覧会としては近年最大規模とのことで、町田市立国際版画美術館の学芸員さん方、村瀬

          赤ちゃんが生まれても美術館をあきらめない!「楊洲周延展」 赤ちゃんご機嫌な作品をレコメンド!

          鳥取県立博物館「赤ちゃんと楽しむ作品鑑賞 ー はじめの一歩」ルポ

          鳥取県立博物館さんで「赤ちゃんと楽しむ作品鑑賞 ー はじめの一歩」を実施してきました。 鳥取県では、2024年の県立美術館設立へ向けて、数年かけて様々な活動をされています。その一環で、赤ちゃん目線のとても楽しい「赤ちゃんたちのためのアートかんしょうパラダイス」展が生まれました。「赤ちゃんも作品を観る」という観点で、乳児さんのことを考えて、学芸員さん方とボランティアさんが協力して作った展示もある、とても素敵な展覧会です。 昨年、鳥取県ミュージアムネットワークさんで研修会を担

          鳥取県立博物館「赤ちゃんと楽しむ作品鑑賞 ー はじめの一歩」ルポ