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物理数学の世界 #6 〜ケプラーの3つの法則(2)〜

物理数学の世界。始まります!

前回はケプラーの法則の導出の準備として、2次元の回転運動(極座標表示)の導出を扱いました。それと合わせて、ケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)について証明しました。

今回は惑星の運動に関する運動方程式を導出して、具体的に解いていきます。また、ケプラーの第1法則(楕円軌道の法則)と第3法則(調和の法則)について証明してみます。

それでは、早速始めていきましょう!

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整理したノートを公開

実際にノートにまとめてみました。まずは、復習も兼ねて「ケプラーの法則」について再掲しておきます。

■第1法則(楕円軌道の法則)
惑星は太陽をひとつの焦点とする楕円軌道上を動く。
■第2法則(面積速度一定の法則)
惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定である。
■第3法則(調和の法則)
惑星の公転周期Pの2乗は軌道の長半径aの3乗に比例する。

惑星が楕円軌道上を動くのは既にご存知の方もいると思います。ただ、なぜそうなるのかを知るには、やはり運動方程式をひと通り解いてみる必要があります。

途中計算が煩雑なので、苦戦は必至かと思います。流れを掴むだけでも良いので、読み進めていただけたらと思います。大学生以上の方は、手計算で過程を追うようにしてみてください(数学的処理の理解向上にもつながると思います)。

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実際に運動方程式(微分方程式)を解いた結果を右側に書いていますが、これで楕円軌道と言われてもピンと来ないと思います。楕円の方程式(極座標表示)の話を別紙で載せておきます。

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ケプラーの第3法則の話はノートに書ききれなかったので、別紙の方で書くことにしました(こちらも楕円の方程式の性質を利用しています)。

ちなみに、楕円の焦点(ノートで示すところの点F)に太陽が位置することになります(もう一方の焦点には何もない)。太陽が楕円軌道の中心にある訳ではないということが分かると思います。

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惑星運動の証明について

今回は惑星軌道が楕円であることを証明するために、運動方程式の解と数学上の楕円の方程式の形を突き合わせました。

ケプラーはティコ・ブラーエの観測記録を参考に、太陽に対する火星の運動を推定することで、このような定式化を提案したそうです。そう考えると、計測結果(実験結果)を数学的に捉え直したことで、ケプラーの法則というものが誕生したとも言えそうです。

これは理科学系の研究において大切な考え方で、数ある実験結果を数学的に裏付けることで、ひとつの研究成果になるということです。私も学生時代の研究で経験していることなので、共感できることでもあります。

そして、これこそが物理学だけでなく理系方面の学問の面白いところのひとつだと、私は思っています(それなりに苦労することではありますが)。

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おわりに

今回は2次元の質点の力学の問題の一例として、ケプラーの法則を扱いました。

計2回に分けて書かせていただきましたが、それなりに解説が大変なことも多い内容でした。それだけに、数学的な能力も強化できたところかと思います。

駆け足で進んできてしまいましたので、マガジン『物理数学の世界』の整備を進めないといけないですね。そんな訳で、また次回もお楽しみに。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。なるべく毎日更新する気持ちで取り組んでいきます。あなたの人生の新たな1ページに添えたら嬉しいです。何卒よろしくお願いいたします。

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