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量子力学という不思議な学問に触れてみる 〜1〜

量子力学という学問をご存知でしょうか。

スピリチュアルな方面でも度々登場することがあるようですが、個人的には理系向けの記事としてまとめたいので、現実的な話になるかと思います。

今回は数回に分けて「量子力学」について解説していきたいと思います。個人的な勉強も兼ねているので、良い機会になりそうです。

今回はこちらの本を参考にしました。

量子力学とは何か

量子力学は言うなれば「ミクロの世界」の物理学になります。粒子レベルの非常に小さいスケールの振る舞いに注目します。

この小さいスケールでは、従来の力学や電磁気学などをまとめた「古典物理学」では説明できない現象が観測されてきました。この違いを説明するために発展してきたのが量子力学なのです。

量子力学を理解する上でだいじなポイントが4つあります。以降でそれぞれ解説していきます。

・物質は粒子と波動の性質を併せ持つ
・観測するまで実在を考えない

・位置と速度が同時に決まらない
・エネルギーの壁をすり抜ける

量子力学における二重性

ここでは光の性質に着目します。光が波か粒子かという論争が過去にあり、二重性はその論争から見出されたものです。

それを説明するために、ヤングの実験を紹介します。2つのスリットを持つガラス板を配置して、光の映り方をスクリーンを通して観察します。

スクリーンには干渉縞と呼ばれる明暗状の模様が現れます。これは光が波であることを示唆します(波の性質のひとつ「干渉」によるもの)。

一方で、光が粒子であるという説明も後の実験で明らかになります。その有名な現象としてヘルツにより初めて見出された「光電効果」があります。

金属板の表面に光を照射すると、光の振動数が金属ごとの固有振動数より大きければ物質が光を吸収して電子を放出します。放出される電子の運動エネルギーは「光の振動数と金属の固有振動数の差分」に比例して大きくなります。

一定の振動数で光の強度を変えると、放出される電子の数は変化しますが、運動エネルギーは変わらないことも分かりました。これは光を波と仮定した場合に、矛盾する事象でもありました(光を波と仮定するとエネルギーは振幅の2乗に比例することになるため)。

以上のことから、光の二重性という形で論争は落ち着きました。これが量子力学における二重性の説明です。

量子力学における非実在性

この世のものは実際に見るまで存在しない。これが「非実在性」と呼ばれる性質です。

電子などの極めて小さい粒子は、その振る舞いが量子力学の中で記述される訳ですが、粒子は普段は確率という中で、ぼんやりとした霧の塊ように存在しています。そして、実際に観測を行なうまではその厳密な位置や速度などの状態を確定できないのです。

つまり、見ていない(観測をしていない)粒子は、見るまでは存在していないとも表現できます。または「観測が結果に影響を与える」とも言えます。

非実在性を理解するために、上図のサイコロの読み出しについて見てみます。非実在性とは、観測を行うことが結果に影響を及ぼすことを示しています。ここでは敢えてマクロな世界でどういうことかを説明するために例として挙げています。

何度も言うように、これは量子力学という「ミクロな世界」で起こる現象です。観測したかどうかではなく、情報が残るか否かが本質なのです。一度観測した情報を消すことを「量子消しゴム」などと呼んでいます。

おわりに

今回は量子力学の二重性と非実在性について解説してみました(次回も続きます)。

個人的には、過去に学習したことも一部は含まれていましたが、当時に比べてかなり全体像が分かるようになりました。何かが分かることは、楽しいことですね。

次回は量子力学の残り2つのポイントについて解説していきたいと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに寄り添えたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

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