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「ちいさな幸せ」集めをライフワークにしています。 幸福論・well-being研究|エ…

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「ちいさな幸せ」集めをライフワークにしています。 幸福論・well-being研究|エッセイ|詩

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記事一覧

とかす

かちこちに 縮こまったこころに あたたかい息とハグを ちがう、と 線引きしていた境界線に 羽ばたく想像力を わたし   かぞく   ちいき     くに      せか…

Rin
7か月前

踊り場

いつのことだっただろう 「人生には踊り場が必要だ」 というフレーズを目にして、ほっとした これまで 目の前にはいつだって 登っていくべき階段があった それは逃げるこ…

Rin
7か月前

さいわいなるかな表現するひと

表現することは 自分の一部を 人にさし出すこと いちばん柔らかくおいしい部分 青い炎がゆらめく部分 自分のほんとうを ちぎりとるとき   弱さは明るみにさらされ ここ…

Rin
7か月前

いのちの味

ある日なみだがとめどなく流れ出た 目から頬へ 頬から唇へ あ、しょっぱい 自分の目からこんなものが 流れ出てくるふしぎ 私の中の細胞  みんないっせいに泣いていた …

Rin
7か月前

言葉は

言葉は 降ってくるものですか それとも 湧いてくるもの あるいは 溢れ出てくるものとも 流れてくるもの 光っているもの 浮かんでくるもの 見つけ出すもの 受け取るものとも…

Rin
7か月前
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魔女は永遠の憧れなのです。

人に言ったり言わなかったりする夢のひとつに 「魔女になりたい」という夢があります。(考えてみれば、幼稚園の演芸会で演じたのも魔女でした) ここで言う魔女は、広義…

Rin
2年前

22歳のわたしが加山雄三を好きな理由。

この春、大学を卒業した。わたしは今、22歳。(2.5年前に下書きした当時のまんまを書いてます) 私の推しは雄三さん。 ほぼ等身大の彼が主演している「若大将」シリー…

Rin
2年前

一本の横棒を隔ててお隣さんの生と死。

幼稚園のときに好きだった、やなせ・たかしさん作詞の「手のひらを太陽に」。 そのときは「血潮」の意味も、ましてや「生きる」の意味なんて、ちっぽけも分かっていなかっ…

Rin
2年前

凧のようにふらりふらりと。

突然ですが、凧揚げをしたことはありますか? 私は大学生になってはじめて、大学のキャンパスで凧あげをした。凧は青く澄み渡る青空の海をゆ~らゆ~らと伸びやかに、気持…

Rin
4年前
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「洗濯」to「選択」

あか・あお・きいろ…。色をぜんぶ足していくと、やがては黒色になるという。この歌は、自分自身を、いろんな色が混ざって黒になった黒猫にたとえ「ほんとうの自分とはなに…

Rin
4年前
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とかす

かちこちに 縮こまったこころに あたたかい息とハグを ちがう、と 線引きしていた境界線に 羽ばたく想像力を わたし   かぞく   ちいき     くに      せかい       ちきゅう       せいたいけい        うちゅう 思いやりの 届く範囲は わたしと他者の ボーダーラインを どこに引くかで変わる 引くなら おおきく、ひろく みんな自分ごと になればいいのに 大きな木の下 血のつながった家族 あたたかく  とろけ あいまいに にじみ 世界は

踊り場

いつのことだっただろう 「人生には踊り場が必要だ」 というフレーズを目にして、ほっとした これまで 目の前にはいつだって 登っていくべき階段があった それは逃げることすら 考えないような 当たり前の道であり、 上に向かって歩むことが 可能性を広げることだと思っていた 当時の安心の道だった 登って来た階段は ある日、とうとつに平らになった 次に登るべき階段が どこにも見当たらない 登りたくても見えない場所に 足を踏み出す勇気は、ない 登るべき階段ではなくて、 登りたい階

さいわいなるかな表現するひと

表現することは 自分の一部を 人にさし出すこと いちばん柔らかくおいしい部分 青い炎がゆらめく部分 自分のほんとうを ちぎりとるとき   弱さは明るみにさらされ こころは痛みを伴う 思いが誰にも 受けとられなかったとき 所在なさげに佇む 自分のかけらをみて 傷つく それでも 表現をする勇気を もった人にだけ もたらされる 喜びがある 冷えた指先をあたためる わたしだけの言葉 絵筆から目の前に立ち現れる わたしだけの形 凛とした空気を駆ける わたしだけの音 世界と一体と

いのちの味

ある日なみだがとめどなく流れ出た 目から頬へ 頬から唇へ あ、しょっぱい 自分の目からこんなものが 流れ出てくるふしぎ 私の中の細胞  みんないっせいに泣いていた 海でぷかぷか浮かんだ日のことを思いだす 高くなった波が 身体をさらい 穴という穴にしみ込む海水 おお、しょっぱい わたしたちの祖先は太古、 海から生まれ出たというふしぎ 今も海の中で暮らす  無数のいのちのことを想った しょっぱいは、 いつもいのちの傍らにある味だ 喜びも悲しみも 生も死も しょっぱ

言葉は

言葉は 降ってくるものですか それとも 湧いてくるもの あるいは 溢れ出てくるものとも 流れてくるもの 光っているもの 浮かんでくるもの 見つけ出すもの 受け取るものとも 言葉は 必要なとき 必要な人に 必要な形で届く その必要を 少しでもふやしてみたい 今のわたしにとって 言葉は 与えたいもの そっと あなたの心に寄り添う言葉をもちたい

魔女は永遠の憧れなのです。

人に言ったり言わなかったりする夢のひとつに 「魔女になりたい」という夢があります。(考えてみれば、幼稚園の演芸会で演じたのも魔女でした) ここで言う魔女は、広義の魔女です。まじないとか人食いとか怪しい類のものじゃなくて… 植物を育て、よく知り。 お産を手伝い、だいじょうぶだと励まし。 薬を調剤し。 突然の旅人ももてなせるよう、大きな鍋でシチューなんかをぐつぐつと煮ている。 ちょっとフシギだけど、いざというときには真っ先に頼りたくなる。そんな人物がわたしにとっての魔女です

22歳のわたしが加山雄三を好きな理由。

この春、大学を卒業した。わたしは今、22歳。(2.5年前に下書きした当時のまんまを書いてます) 私の推しは雄三さん。 ほぼ等身大の彼が主演している「若大将」シリーズも大好き。DVDをセットし、エレキギターの軽快な音楽が流れ始めると、もう…ニヤニヤしてしまう。 恋して、すったもんだあって結局ハッピーエンドになるストーリー展開も、田中邦衛さん演じる青大将のズッコケ具合も、もちろん雄三さん演じる若大将のチャーミングさも!毎回毎回変わらないのに、つい見て

一本の横棒を隔ててお隣さんの生と死。

幼稚園のときに好きだった、やなせ・たかしさん作詞の「手のひらを太陽に」。 そのときは「血潮」の意味も、ましてや「生きる」の意味なんて、ちっぽけも分かっていなかった。 だからよく晴れた日には、手のひらを太陽の方へ向けて確かめた。私の手はうっすらとピンク色に透けて光を放ち、指先もオレンジに光るE.T.の指先みたいに発光し、いつものとは違って見えた。 こんな身体の先っちょにも血が通っていて、いま確かに生きているのだと、この身体に流れる赤い川が、血潮で、私のいのちの証なのだと、

凧のようにふらりふらりと。

突然ですが、凧揚げをしたことはありますか? 私は大学生になってはじめて、大学のキャンパスで凧あげをした。凧は青く澄み渡る青空の海をゆ~らゆ~らと伸びやかに、気持ち良さそうに泳いだ。強い風が吹けばひょうふっと翻って腹をみせ、かと思えば、またのんびりと風に乗ってあっちへふわり。こっちへふわり…。決まった方向性のないままに、ただ風に吹かれるまま泳いでいた。 「何となく決める」「何となくこう思う」 「何となく」という自分でも説明できないようなあいまいな気持ちでものごとを進めるこ

「洗濯」to「選択」

あか・あお・きいろ…。色をぜんぶ足していくと、やがては黒色になるという。この歌は、自分自身を、いろんな色が混ざって黒になった黒猫にたとえ「ほんとうの自分とはなにか」を問う。 私は大学時代、ひたすらに自分探しをして彷徨っていたように思う。 大学に入り、個性的な人々に囲まれ、自分をどのように肯定すればいいか分からない時期が続いた。過去を否定した。環境のせいにした。 けれど同時に、知らぬ間に影響を受け、染められてきた色が、少しずつ落ちてゆくような気もしていた。 それは、いろ