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ジャネット・エシェルマンと津波データの可視化:震災をどう感じているのか?

どうも。私は絵を描いていますが文章は苦手、しかも初投稿です。最後まで読んでくだされば幸いです。

Janet Echelman の作品を先日Instagramで偶然見てしまったのですが、私は彼女の存在も作品も知りませんでした。
artに関する情報を投稿しているアカウントをなんとなく見ていたら目に止まっただけ。そしてこの方は世界的に評価されているらしい。

で、このジャネットさんの作品とその制作スタンスに強い違和感を覚えたので皆さんにお聞きしたいです。
以下、インスタの作品紹介動画リンクを貼りますが、これは東日本大震災の被災者や、映像などでPTSDを発症した方、傷ついた方々は見ないほうがいいかもしれません。
作品自体は美しいものですが。

https://www.instagram.com/reel/C-lHj_hvmDW/?utm_source=ig_web_copy_link

どう思いますか? 

紹介映像自体はアルゴリズムを使い自動編集されているかもしれませんが、世界的に活動しているアーティストのチームがこれに目を通してないとは思えません。

このインスタレーション、確かに美しく独創的な手法かもしれない。
ですが、東北の震災は甚大な被害を日本にもたらし、被災された方々は当然として、多くの人々の心に楔のように打ち込まれた大災害です。当たり前にセンシティブに扱うテーマのはずです。
しかし、この作品においては、その重い現実をまるで感じないどころか、作家自身も被災者に対する一切の感情的配慮のコメントをしていません。
問題なのは、作品の美しさが「津波」という深刻な事態をまるで軽んじているかのように見えることと、そのコンセプトです。
海外メディアの記事では、彼女は作品を通じて深い洞察や瞑想的な体験を観客に望んでいるそうです。
強いメッセージを伝えるというよりは、自然のエネルギーや都市との共存などを、津波のデータを可視化した美しい作品を通じて感じてもらいたいと、複数のメディアで語っています。
確かに作品は科学的アプローチと魚網に着想を得た、ユニークなものです。

で、私が感じた事を一旦言いますけど、「だから何??」です。いくら作品が素敵だろうと、被災者感情が優先されます。少なくとも私にとっては。こっちは定期的にスマホがアラート鳴らすような国に住んでて、地震で家が壊れるかもしれない。津波が親戚、自分、友人を襲うかもしれないって意識して生活してるんです。
家が揺れてんのに何が瞑想だよ、っていうのが本音です。
もちろん瞑想も洞察も大切なのはわかりますが、これでは深刻な津波という事象が軽視されかねません。実際コメント欄には賞賛の声(私以外)が多く並んでいます。
そして、被災者へのコメントが見えないままアートとしての完成度と美しさを追求しているがゆえに、あの災害を単なる素材のように扱っているように見えてしまいます。
震災は現実の脅威であって、今も続いているんです。
英語圏のいろんなサイトを当たりましたが、実際に起きた災害として向き合う話などは一切なく釈然としません。あくまでも科学的データでしかないのでしょうか。
もしかしたら文化的なものがあるのかもしれない、何かアーティストに考えがあるかもしれないとも思いますが、今は納得できるものではありません。

アーティストの作品制作の意図はある程度は理解できるつもりですが、それとは関係なく、多くの人が亡くなり、街が壊滅し、報道関係者たちですら絶句するような大災害という重い現実に言及する以上、アーティストは必ず被害者への配慮が不可欠だと考えます。 

いかがでしょうか。皆さんのお考えをお聞かせください。ちなみに、映像の中に出てくる波は、「トンガの海底火山の噴火時」のものではないか、と、高校生からご指摘をいただきました。
また、もしかしたらtsunamiという単語が想起させるものが違うのかもしれません。文化的にです。しかし、私としては、作家のリサーチ不足と異文化に対する無神経が根底にあると思わざるを得ません。

とりあえず真意がわからないので、ジャネットさんの公式サイトからメールを送っています。返事が来るかわかりませんが。


参考リンクをいくつか貼っておきます。
https://inhabitat.com/colorful-aerial-sculpture-represents-data-from-japans-devastating-2011-tsunami/

開かない時はダブルクリックで。 

動画は日本人数名に見てもらいました。今までいただいた感想を紹介します。 
成人男性IT系「カーテンを見るようでなんとも思わない。津波は白黒のイメージだけど?」
女子学生(理数系高校)「これは津波じゃない。津波は四角いものがどんどん潰されていくイメージ。それにカラフルなのは変。白黒のイメージ。」
男子小学生 「これ、津波じゃない」
主婦  「最初は綺麗って思ったけど(津波の文字を見て)津波を思い出して気分が悪くなった。トラウマ。」
主婦2 「腹が立つ。抗議すべき」
アーティスト女性「もしかしたら追悼の概念が違うのかも。作品はどうでもいい」



さまざまな視点からも今のところ、日本の津波に言及している以上、この作品は、少なくとも日本では、ネガティブな感情を呼び起こすものをはらんでいると考えます。というか、それも作品の一部なんでしょうか?

アートの影響力は海外では大きいです。日本国内の比ではありません。
この作品は世界中で公開され、美しいと評価されているようです。どう思いますか?
なんでもいいのでご意見ご感想などよろしくお願いします。

乱筆乱文失礼しました。

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