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巨大映像で迫る 五代絵師

大手町三井ホールで開催されている「巨大映像で迫る 五代絵師」を鑑賞しました。デジタル×巨大浮世絵の展覧会。今年は北斎生誕260年とオリンピックが重なって浮世絵が白熱していますね。またとないこの機会に一風変わった日本画鑑賞は如何でしょうか。

今回は「五代絵師」というタイトルのとおり、5人の日本画絵師に焦点を当てた展覧会となっています。ラインナップは次の通り。

葛飾北斎  歌川広重  俵屋宗達  尾形光琳  伊藤若冲

それぞれの代表的な作品がデジタル映像で再現されており、ダイナミックな音楽と共に鑑賞することができます。絵画のイメージに沿った音楽が流れ、その時代、その場所にいる気分に浸ることができますよ。

<葛飾北斎>
北斎は江戸時代後期に活躍した人物です。改名30回、引っ越し90回は有名なエピソード。改名の理由は、初心を忘れないため・名前を弟子に売って生計に充てていたためと所説色々あります。
彼の作品で有名なのが「富嶽三十六景」シリーズ。このシリーズが始まったのが73歳の時というのですから驚きです。そして、北斎は90歳まで生き、亡くなる少し前に、肉筆画の最高傑作「富士越龍図」を描きます。江戸時代の平均寿命が44歳とのことですので、その生命力と絵に対するエネルギーには脱帽です。

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<歌川広重>
広重は、美人画や役者絵を得意としていた歌川派に弟子入り。しかしながら、独自の感性を生かし、雨・雪・晴天・霧など天候や季節の移り変わりに重きを置き独自のスタイルを確立しました。北斎とよく比較される風景版画家で、北斎・広重共にドイツから輸入された「ベロ藍」を使用していたとか。
有名な作品は「東海道五十三次」。今回の展覧会でも北斎の「富嶽三十六景」と同様、特別にクローズアップされ展示されています。

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<俵屋宗達>
生い立ちは不明な部分が多いのですが、代表作は京都、建仁寺に飾られている「風神雷神図屏風」。尾形光琳と共に琳派の創始者と言われています。

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<尾形光琳>
京都有数の呉服商「鴈金屋」の次男として生まれます。幼少期の頃から能などの芸術に触れ感性が磨かれていたからなのか、絵師として独立した際には数々の素晴らしい作品を生み出します。光琳は俵屋宗達に傾倒し、宗達が始めた琳派を大成したことでも有名です。特に宗達の「風神雷神図屏風」をそのまま写し、光琳らしい色鮮やかで少しユーモラスのある表情の風神雷神に作り変えたことは興味深いエピソードです。

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<伊藤若冲>
若冲といえば有名なのは花鳥画ですね。若冲は、自宅で飼っている鳥など身近なものを観察し独学で腕を上げていった画家と言われています。数年前の展覧会では、平日でも数時間待ちだったという大人気の若冲ですが、意外にも人気が出始めたのは1990年以降だそうです。彼の作品の特徴は、きめ細やかな線と目を見張るほどの色鮮やかな色彩です。19世紀にドイツより輸入される50年も前に「ブルシアンブルー」を使用していたことも、驚くべき事実として知られています。

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迫力満点な5人の巨大絵画を堪能した後は、北斎の「富嶽三十六景」と広重の「東海道五十三次」をゆっくりと鑑賞することが出来ます。北斎VS広重、楽しめますよ。

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如何でしたでしょうか。ホールは着席型となっており、並んで鑑賞する必要がない為ゆったり観ることができます。
大手町三井ホールで9月9日までやってます♪
https://faaj.art/2021tokyo/



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