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死後のことを考えてみた話
常日頃から「死にたい」と言えど、死に切れる保証もないからと未だに実行に移せていないのは如何なものかと思いつつ、死後のことを考えてみる。
或る人は、天国か地獄へ往くと云う。
或る人は、黄泉の国へ往くと云う。
或る人は、何も無いと云う。
或る人は、未練があればこの世に留まると云う。
或る人は、何かに生まれ変わると云う。
何をどう信じるかは個々人の自由であるのだけれど、信じたそれが事実かどうかは分か
祖父が死にそうな時、パウンドケーキを焼いていた話
母方の祖父は、ここ数年腎臓を悪くしていた。
世界が様変わりする前から入退院を繰り返していた。
透析を続けていれば、良くはならなくとも悪くはならない。
そう聞いていたのだけれども。
祖父と同居している叔母から母に電話がかかってきた。
漏れ聞こえる叔母の声は震えていて、応える母は目頭を押えていた。
もっとずっと先だと思っていた日がもう近いのだと、妙に冷静な頭で考えていた。
――今回は、そんな話。
な
夏が来ると死にたくなる話
現実的で行動的な話ではなく、思考的で概念的な話だ。
私は、夏が嫌いだ。
モチーフとしての夏は嫌いではない。
風鈴、金魚、祭り、花火、西瓜、向日葵、海辺、蛍、エトセトラエトセトラ。
そういったものは寧ろ好きなのだけれど。
抜けるような青い空
波打つ大きな白い雲
照り付ける太陽の光
生を謳歌する蝉の声
……というような、如何にも「夏です!」という「空気」が嫌いなのだ。と思う。
――今回
覚めない眠りに夢を見る話
死とは覚めない眠りである
……って言葉は、いつどこで聞いたのか読んだのかも忘れてしまったのだけれども、今でもずっと残っている言葉で。
それなら私は、眠り続けていたいと思った。
端的に言うならば、死にたいと願っている。
それでも惰性で息をしている。
希死念慮と共に生きている。
……否、生きている、は不適切だ。
生きてしまっている、哉。
どうしようもない希死念慮とか、それと同じところで