動的平衡①−「生命は流れである。」(福岡伸一氏)から思うこと


「生命は流れである。」

私達は命を維持するために、絶えず栄養を補給するが、それと同時に、既に自分の中にある成分を壊している。これから言えることは、命を維持するためには、絶えず新しいものを取り入れ、同時に、絶えず壊さないといけないということだ。

私達は壊れないものを作ろうとするし、壊れないことを望む。
建物は頑丈に造ろうとするし、自分の考えは変えたくないと思うし、人間関係も壊さないようにしようとする。

それでも良いと思う。

でも、どうしたってこの世のものに壊れないものはない。世は無常だから。形あるものも、形なきものも、全て。

建物はどこか壊れながら、その都度修復したり、新しく建替えたりして、そのものを維持している。

自分の考えも、この考えは違ったなとか、間違っていたなって、ある時に壊れたり、時には自分から壊して、新しい考えを取り入れたり、考えを改めたりして、自分という考え方を作り上げて、維持していく。

人生だって、失敗したり、挫折して、ある時に壊れることがあったりしながらも、そこでまた新しい自分になって、人生が継続していくのだと思う。 

人間関係も考えてみてほしい。長年連れ添っている友人でも、恋人でも、夫婦でも、家族でも、年月が経つにつれて、関係性が同じでは居られない。壊れても修復したり、新しくしたり、その時々に変化して、繋げていく。

「生命は流れである。」

壊れないでいるには、壊わさないといけない。
変わらずにいるには、変わらないといけない。
壊れて、壊して、変化して、新しくなって、だから維持される。

それは命から始まり、
世の中の物質も、
自分の人生も、考えも、人間関係も、
全て当てはまるような気がする。

常にとどまることなく流れているから、
私達はとどまっていられる気がする。



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