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必殺ドライバー

お国が必死になって自主返納を呼び掛けていますよね。本当に高齢者の事故は多い。病院に通院してこられる90才を越えた患者さんのマークⅡなんて、駐車で当てまくっていて外装は原形をとどめていない。しかし、奇跡的に動いているので、89才の奥さんと一緒に毎日ドライブがてら病院に来られる。雨の日も風の日も。スタッフよりも勤務率がいい。はたから見ていても、危なっかしくてどうしようもない。そんな必殺ドライバーが世の中には溢れかえっているのだ。

さーて今日の主役Sさん。

耳が聞こえにくくなってきておられる、S患者さんに。

耳が聞こえにくくなってきているんじゃないですか?

と聞き、テストをするとやっぱり聞こえ辛そうだった。

私:耳鼻咽喉科行って補聴器考えてみたら?

患者Sさん:補聴器は持っているが聞こえ辛いんだ。壊れてんだよ。

私:修理したら?

患者Sさん:嫌だ

私:どうして?

患者Sさん:金がかかる。

何故か補聴器の調整を嫌がる人が多い。歯もそうだが、高齢者は、目、耳と歯にお金をかけたがらない。

車に関しては、固執度が高く、車、車と大騒ぎするが、目、歯、耳に関しては、極端に嫌がる。

私:車をやめたら、お金が浮くんじゃないですか?

患者Sさん:車はいるんだよ!!

と、ご立腹のご様子。

認知症予防で計算や字を書くのも大事だが、目、耳、歯の調整はもっと、もっと重要な認知症予防ファクターなのに、嫌がる。

認知症の診断が下りていても、運転に固執して免許の返還も嫌がる。その上、車の運転をするのに、耳も聞こえづらく、目も見えにくく、全身の踏ん張りを利かす歯も入れない。それでも、運転はすると言ってきかない。

いくら説明しても、怒るばっかりで嫌だと言い張る。

高齢者がいったん嫌だと言い出したら、もうテコでも動かない。

認知症街道まっしぐら。必殺車両がまた増える。


さーどうしたものか・・・・

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