蚊取り線香と、夜風と夏と

2020年6月27日 06:00

もう6月も末だ。まだ梅雨は開けていないというのに、すっかり夏らしくなってしまった。

昨日の夜は、蚊取り線香を焚きながら夏の夜風に当たって涼んでいた。

そんなとき、ふと思った。「夏のこの夜風と蚊取り線香をちゃんと楽しめる生き方がしたいな」と。

小さな季節の変化を感じられるくらい、心に空白をつくっていたいと思っている。

生きていると何か大きなことを求めすぎて、❝小さな満足の積み重ね❞を忘れてしまう。

大きなことを求めて走って、気持ちが疲れてくると、そこにある日常を置いてきぼりにしたまま苦しくなる。

季節が感じられる、なんでもない日常。淡々として退屈かもしれないけれど、自分が帰る場所はいつもここにあると思っている。

競争や比較の舞台に立っていると、小さなことをおろそかにしてしまう。

そんな場所では小さな生活が評価されないから。

季節を感じられたこと、美味しいご飯をつくれたこと、家族や大事な人と過ごせたこと。

そういった丁寧で小さな生活は、競争の舞台ではかき消されてしまう。

競争なんて望んでもいないのに、その舞台でもがいて、大事な小さな暮らしをないがしろにしてしまっていいのだろうか。

私は小さな生活のほうを楽しんでいたい。

小さな毎日の繰り返しを、ずっとずっと大切に守って育てていたい。

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