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前を歩く人の背中を見ている

私は昔から世界史が大好きでした。

世界史の中でも、人物にとても興味を持っています。

なぜなら私は長い間ずっと、どうやってうまく生きられるのか分からなかったからです。

生きるヒントが欲しかったんです。

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私にとって世界史に登場する人物は、1人1人、私の前を歩いている先生のようでした。

歴史に個人名が残るくらいの人たちでも、やっぱり1人の人間で。

ものすごく孤独を感じていたり、どうしようもなく失敗続きで身動きが取れなくなりそうになったり、そんな山がたくさんあります。

その山が目の前に立ちはだかったとき、その人が何を考えて、どうやって行動したのか、私はとても気になっていたんです。

その人たちも私と同じ人間で、完ぺきではないからこそ、歴史上の人物に惹かれました。

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もちろん私が生きていくヒントを得たのは、歴史上の人物だけではありません。

ものすごく身近な人たちの生き方を見るのも好きでした。

たとえば、私は学校の先生や職場で尊敬していた人。

直接顔を見て気軽に話せるからこそ、尊敬している身近な人たちの言葉には全力で耳を傾けていました。

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身近な人たちの言葉で、自分の人生を変えたといってもいいくらいの言葉を2つお話します。

1つは大学の先生がかけてくれた言葉です。

そのころ、私は「働くこと」について真剣に考えていました。

どう働くべきで、どのように仕事ができたら価値ある自分になれるのか。

そういうことを考えいると、先生に話しました。

先生はこう言いました。

「人間ってみんな働かなきゃいけないのでしょうか?働いてこそ価値があるのなら、病気で寝たきりの人は価値が無いのでしょうか?私は人間は働くのではなく、活動をして生きているんだと思うんです」

活動をして生きる。

呼吸をするだけでも、活動です。

私は先生のこの言葉で、自分は「働くこと」ばかりに目を向けてしまっていて、そこにしか価値を見つけようとしていなかったことに、はっとさせられました。

活動するだけで、生きているだけで、自分に価値があるんだ。

そう思えるようになってから、ぽんこつな自分を許せるようになれた。

自分の好きなように生きる勇気を持てるようになった。

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もう一つ、私の前を歩く身近な人からもらった大事な言葉があります。

「自分を強く持て、だな」

これは私が歌舞伎町のキャバクラで仕事していた時にかけてもらった言葉です。

キャバクラ勤めをしていたら、当然両親は反対します。

私も猛反対を受け、その時に店長に相談したんです。

そうしたら店長は言いました。

「僕と君はビジネスパートナーとして今一緒に仕事をしている。でも君と君の両親は一生続く関係だよな。僕は水商売一家で水商売が好きだけど、キャバクラで働くことの大変さを知っているから、簡単に娘に勧めないと思う。親御さんが反対する気持ちは、よく分かる。キャバクラを続けるのか、両親の意向を汲むか、それは君が正しいと思った方を選べる。僕たちはいつでもウェルカムだ。両親の意向を選んでもいい。しっかり親と話し合ってこい。自分を強く持て、だな」

いつもどう生きていいのか分からなくて、なんとなく歩いていた私は、「子分を強く持て、どっちを選んでも君の選択は間違っていないから」と言われたことに、衝撃を受けました。

今はもう、キャバ嬢はしていません。

しかしそれ以来、迷いそうになった時はキャバクラの店長の言葉を思い出すんです。

お店の女の子たちに平等に接し、皆からとても慕われていた店長でした。

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私はまだまだ自分の道を歩いている途中です。

どう歩いていこうか、どこに向かおうか、考えながら進んでいます。

そんな時は昔出会った、自分の前を歩く人たちの言葉は大きな力となっています。

そしてこれからも、自分の前を歩く人たちに出会うと思います。

そういった人たちの姿を見て行きたいんです。

自分の力で自分の人生をつくるために。

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