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フードロス(食品廃棄)の問題の本質

こんにちは、お菓子テックカンパニーCEOの柴田アリサです。

弊社では、フードロスや廃棄食材に関する問題にもとりくんでいます。わたしが作っているお菓子のメイン原材料は米粉。
この米粉の一部に、本来は捨てられてしまう予定だったお米を粉にして、活用させてもらっています。

そもそも、フードロスとはなんでしょう?

フードロスは、食品ロスや食料ロスともいいます。売れ残りや食べ残し、期限切れ食品など、本来は食べられるはずの食品が廃棄されれしまうことのことです。

廃棄されてしまう「タイミング」はさまざまです。

例えば、大きな畑のある農家さんの場合。サイズが小さすぎたり見た目が悪かったりすると、その野菜は捨てられてしまいます。味は、普通の野菜と変わらないのにです。

例えば、お菓子の工場の場合。スーパーやコンビニで見かけるロールケーキを想像してください。とてもきれいな断面ですよね。
でも、ロールケーキって、本来なら、端っこの方はクシャッとしてるんです。

こんなふうに、クシャッとしてるロールケーキなんで、コンビニではみたことがありません。それは、わたしたちのところに届くのは、ロールケーキの真ん中のきれいなところだけで、はじっこは工場で捨てられてしまうからなのです。

この、形の悪い野菜や切れ端は、本来は食べられるものです。

しかし、わたしたちが、きれいなものを求めすぎるあまり、企業や農家さんが、もったいないなあ と、本当は思っていても、「売れないから捨てちゃえ〜」と、なってしまうのです。

「本当なら食べられるけど、売れないから捨てちゃえ」がフードロスなのです。

ただ、最近は、「豚の飼料」にすることもあるらしく、捨てられる というのは、少しづつ減ってきているそうです。

でも、わたし、なんとな〜くですが、ロールケーキのはじっこを食べて育った豚って、嫌だなと思ってしまいます、、、すごく肥満そうなイメージだし、不健康ですよね。人間だって、ロールケーキだけで、健康に生きていける人はいないですもの。そんな不健康な一生を経てお肉になってしまった豚さんを食べるのは、自然のことなのかなと、すこし違和感を感じでしまいます。
そもそも、廃棄される食べ物は全て豚のエサにしよう!っという姿勢が、「考えていない感」満載で、個人的に気にくわないのです。

世界には、食べ物がなくて困っている人もたくさんいるので、そういった社会問題を解決するために、活かす方法はないのかな?と思います。

ということで、わたしなりに、フードロスの問題の本質を考察してみました。

フードロスが発生した理由、それは、資本主義経済に生きるわたしたちが、形がきれいなものを、消費者として求め続けたことが原因のひとつなように感じています。

資本主義経済は、わたしも原理的には面白いなと思っており、わりと現状に満足して、この経済ルールの中でビジネスをすることに面白みを感じながら生きてますが、フードロスの問題に関しては、悪い点が出てしまったなあと思います。

資本主義経済は、アメリカやヨーロッパ、日本などの先進国に多く見られる経済体系のことで、シンプルにいうと、利益を出すことが良いこととされています。なので、みんな、頑張って利益を出します。

利益を出すには、お金を支払ってくれる人が必要です。
誰かの人生にプラスになるサービスを提供したとき、その対価としてお金を「支払う」という行為が発生します。

そして、
資本主義経済には、もうひとつ、忘れてはならない要素があります。
それは、「競争」。

競争するからには、ライバルに勝たなくてはいけません。ライバルよりも、良いサービスを提供しないと、お金を支払ってくれる人を、取られてしまいます。

なので、みんな、ライバルよりも、「お得」だと感じる満足度の高いサービスを提供しようと頑張るのです。

満足度の高いサービスを提供するのは、とても良いことです。わたしも助かります。

しかし、そのサービスが、「食べ物」に関することの場合、「ぱっと見の印象がきれい→おいしそう」であることが、周りをだしぬく重要なポイントになってきます。

「汗水流して働いて、一生懸命稼いだお金、どうせなら、見た目もかわいくて、おいしそうなものに使いたいな〜」というのは、お金を支払う側にたっっと機、誰しもが思うこと。

こういった消費者の行動原理に答えようと、サービスを提供する企業は、努力して見た目が良い食べ物をつくり、販売し、それをみた人は、他の商品と比較検討し、より見た目がよく、納得できるものにお金を支払うというわけなのです。

見た目が良いものを販売しようとすると、原材料の段階で形が悪いものや、製造工程ででた、不備のある加工品などは、全て廃棄対象になってしまいます。

お金を支払う人「どうせお金を払うなら、より、見た目が良いものがいい」
サービスを提供する企業「他の企業に勝つために、より良いものをつくりたい」

という、お互いの利益を追求した結果、製造過程で捨てられる食材が増え、フードロスという社会問題が生まれてしまいました。

わかりやすく例えば話すると

大きな製菓メーカーさんが、ロールケーキの切れ端を、きれいな真ん中のロールケーキと同じ値段で販売したとします。
そうすると、「同じ値段なのに、切れ端だけ、クリームの量が少ないじゃないか!返品だ!」と、メーカーさんにクレームを入れてしまう人がでてくるかもしれません。
クレームは、企業のイメージに大打撃をあたえます。なので、そのクレームを受けた企業は、「これ以上イメージが悪くならないためにも、切れ端を販売するのはやめて、捨ててしまおう」と思うのです。

完璧を求める消費者と、それにこたえようとする企業の関係性。
これは、とても自然なことですが、お互いに欲を出しすぎて、盲目的になってしまい、立ち止まることができなかった結果、フードロスが生まれてしまったのかなあと思います。

つまり、本質は「期待に応えるための過剰な努力」と「期待を押し付ける消費者」が大きな原因だと思うのです。

みなさん、頑張り屋さんですから、少し気を抜いてもいいと思います。

少しくらい形悪くてもいいじゃ〜ん!という心の余裕を持てるようになることが、大切な気がします。

企業も消費者も、少し立ち止まって、「これ、捨てるのもったいない!」って、気づける環境があればいいんですよね。

でも、なかなか難しいのが、今の日本。みんな忙しくて、そんなこと考えてられないみたいです。

なので、わたしくらいは、こういったことを考えて、少しでも役に立てることがあればなあと思うわけなのです。


note書くときのコーヒー代や、クロエちゃんへのスペシャルおやつ代にさせていただきます٩( 'ω' )و